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及川賢一さんに会ってみた(後編)

いろいろ聞いてみた!

及川賢一さんへのインタビュー。前編に続いて後半ではミモザプロジェクトからの質問に答えていただきました。


1)市議会議員になるのにハードルは無かったですか?

40名の定員があるので、立候補に際してハードルの高さは感じなかった。自分としては議員はやりたいことを叶える手段のひとつでしかない。議員になると制約もあるが、行政と市民をつなぐ役として、議員だからできることがある。

2)八王子に戻ってやろうとしたことは?

ノブレス・オブリージュ、すなわち八王子に学んだことを還元したいという気持ちがあった。もともと目指していたのはジャーナリストだったが、自分は何がしたいのか、どうなりたいのかを考えた時に、自身が直接目の前の人を助けたいという気持ちの方が強く、ジャーナリストよりも自分はプレーヤーなのだと感じた。


3)ミモザプロジェクトのアンケートについての感想、答えてみてどうでしたか?

アンケートの質問に答える際には、一言一句言葉を選んで言語化していくこととなった。グレーなことは言葉にしにくいこともある。


4)日本は世界的にもジェンダーギャップ指数125位、なかでも八王子市は市民の感覚としては諸々遅れていると思うけれど、市議としてどう思うか?またパートナーシップ制度はアンケートで多数が賛成しているが、どうやって実現していけるか?市民が一緒にできることは何か?

パートナーシップ制度等に関しては、時代の流れ的にも進んでいくと思う。


5)LGBTユースの居場所事業(にじーず多摩)の連携自治体(清瀬市、国立市、小金井市、国分寺市、小平市、多摩市、東村山市、日野市、府中市、町田市、武蔵村山市)に八王子市は加わっていない。今後加わる可能性は?

行政側でLGBTユースの方々との関りがあまり持てていないので、居場所作りについては民間主導で進んでくれば、行政もついてくるのではないかと考える。市としては必要というスタンスであると思う。キャッチコピーも『あなたのみちをあるけるまち』なので。


6)アンケートの回答に「市民が望むまちづくり」と書いてあるが、市民が望む、の内容について及川さんは具体的にどのようなものだと把握されているか?まちづくりに多様な視点(ジェンダー等)を反映してほしいという声は聞いたことがあるか?あれば教えてほしい。

市民にはそれぞれ色々な望みがある。市民が自分で作れるまち、市民協働ができるまちが望ましい。自分たちがこうしたい、が実現できる。いま八王子市はいくつかの地域に分けたエリアマネジメントを進めている。市議として様々な提案をし続けていきたい。


7)パリテは実現が難しいとアンケートで回答していたが、武蔵野市や杉並区は前回の地方選挙で女性が過半数となった。努力で増やしていけるのではと思うがどうか?今回の八王子市議選で女性議員は40人中13人(32%、3割超えている)、市議会でのジェンダーギャップは実際のところどうか?世代は若返ったように見えますが変化を感じるか?展望は?

八王子市議会は比較的女性議員が多い方ではあります。
パリテなどで女性比率を増やすのも手法の一つであるとは思うが、議員として何ができるか、政策を提案できる資質があるかの方が重要だと思う。
当選すれば、誰でも市議会議員になれるが、能力や経験は人によって異なるので、性別や年齢などの属性だけでなく、議員の活動の中身を市民がチェックしていくことも大切です。


8)アンケートの回答には「学生、主婦、シニアといった方々の新規の生産力を活かす」とありますが、外国の人や障害のある方についてはどのようなお考えがありますか?

先に述べた活動でも障害者施設の設置に取り組んだりしている。外国の人や障害のある方との自身の接点に気付けるか、まちづくりや労働など、それらの人々によっても自分たちの暮らしが支えられているという意識があるかどうかによっても、彼らへの視点が変わってくるのではないかと思います。


9)投票率が低迷している。それについての考えを聞かせてほしい。

政治に興味を持たせられないのは我々、政治家の責任なのだとは思うが、街頭でチラシを配ったり、政策を訴えても、聞いてもらえないことが多いので、歯がゆい思いもある。
投票率の低さは、みんないま現在困っていないから政治に興味がないのではないか。
ただ、現在は自身の生活に市政との関りが薄かったとしても、結婚や出産、子育て、介護など、自身や家族の生活に変化が生じた際に、現在の仕組みに気付き、違和感を覚え、困ってしまうということは多くある。
その時に不満を抱いたとしても仕組みはすぐに変わらないので、自分の将来を想像すると思って、政治にも興味を持ってほしい。


10)市のホームページが使いにくいけれど、なんとかなりませんか?

八王子市は規模が大きすぎて、現在のホームページに掲載されているページ数も膨大。そのホームページの仕組みを変えるとなると移管作業が膨大になるのが課題。


11)八王子市政の現状について

子育てや福祉などソフト面に積極的に予算をつけており、人口も増えているので、現状の市政は成果が出ていると思う。ただ、今後の財政状況が厳しいという見通しも出ているので、今後は、歳入の増加と予算の効率化に向けたより一層の取り組みが必要になる。


ミモザプロジェクトメンバーの感想

お忙しい中、会ったこともない私たちのために時間を作っていただいたことの感謝を伝えると、市議なんだから市民に会って話すのは当然のことと、さらりと言っていたのが印象的でした。選挙活動も、選挙カー無し、今回はマイクも無し(それはさすがにやりすぎたかなとご本人の弁)、という及川さんに、私たちの「政治家」「政治活動」像ががらがらと崩されていくのを感じました。政治はもっと自由でいいんだな…!いわゆる「政治」への不信感、停滞感がある方には、ぜひ及川さんのことを知って、出会って、お話ししてみてほしいなと思います。政治がぐっと身近になると思いますよ。

初めてのインタビューとしては反省点だらけ…聞きたいことが十分に聞けていないなと、この記事を書いていて痛感しました。次に行なう際にはもっとしっかりつっこんで聞きたいです。アンケート活動も試行錯誤で一歩一歩進んできました。インタビュー活動も、学びながら進めていきたいと思いました。

政治家になると、ちょっとエラそうな先生になっちゃったり、議員で居続けるために票をかき集めようする人もいる気がしますが、及川さんはそういう脂ぎったオヤジ感のない人(あくまで個人的な感想!)でした。今は3人のお子さんの育児に追われているとか。子どもの園や学校行事に参加できない仕事はいやだなとつぶやいていたのが印象的。仕事と家事や育児、介護など、ケア労働との両立に苦しむ日々を体感してくれているとしたら、ずいぶん信用度アップだなぁ。


◆議会での及川賢一さんのこれまでの発言はこちらでチェック!


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