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4/8:「回復に目覚める」期

虐待や性被害のトラウマで依存症・PTSD・複雑性PTSDと、名前からして明らかにややこしい精神疾患を患っていた三森みさです。

▲8話まで無料公開中です。

▲先行公開の有料noteもあります。

今回は依存症・トラウマからの回復プロセスとともに、心境の変化をまとめてみました。全4回です。(※長くなりすぎて見づらいので8回分割しました)

▲他の回はこちらからどうぞ。

全て自分の経験で、エビデンスとか心理療法的にどうとかは存じませんが、回復を目指される同じ仲間の皆さんの参考になれば幸いです。




4:「回復に目覚める」期

さて、ここからは自助グループでよく観測される現象です。何かのきっかけで「回復したい…!」に目覚める時が来ます。
自助グループでの観察上、この3から4にいくには、何かしらきっかけがあることが多いようです。(以下は私の観測)

①底付き体験

依存症界隈だと「離婚を突きつけられた」「離婚をした」「借金を2000万してしまった」といういわゆる「底付き」の人が多いです。辛い経験は、人を動かす原動力になるという…。

観測上ですが、
「家族も仕事も何もかも全てを失った
タイプの人より、
「家族も仕事も失う手前にいる
タイプの方が、
「やばいやばいやばいやばい!!!もう本当に次はない!!!!!回復ゥ〜〜〜!!!うおおおおおお!!!」みたいなエンジンが入りやすい気がします。
「ヤバすぎる状況だけど、もしかしたら復帰のワンチャンあるかも?!?!?」って方が、目標も希望もある分、つかみ取りにいこうと動けるからかもしれません。ギャンブルも当たる前が一番ドーパミン出るらしいしね?

本当に家族も仕事も全てを根っこから失って、しかも社会が偏見・誤解・差別で精神的に追い詰められて、希望も目標もなくなると、頑張る理由ってなくなっちゃうんですよ。冗談抜きで死ぬしかなくなります。
何が言いたいかというと、回復は確かに自己責任だけれども、どこまでも追い詰める社会の在り方が変わる意味はちゃんとあるよねっていう(一人啓発論)


②ゆるく参加してるうちに目覚める

上記の「底つき」ではなく緩いパターン。
昔は「底つきしないとダメだ…」が定説だったようですが、最近は「底までつかなくてもいい。その前に支援に入ってダメージを減らすのが一番だろ。社会復帰どんだけ大変やと思ってんねん。」説が増えてるらしいですね。

このパターンは自助グループに参加して、仲間の棚卸しや自分の話をし続けたり、同じ経験の話を聞いて「わかるンゴ…」ってやってるうちに、どんどん「自分にも問題あるかも…」「自分も頑張ってみようかな…」とゆる〜〜〜く目覚めていきます。やってるうちにどんどんスイッチが入ってきたりします。もちろん目覚めない人もいます。


③ロールモデルとの出会い

また、自助グループに参加するなどで「この状況からそこまでいけたの?」と思わせるような、ロールモデルに出会ったパターン。
ポイントはあくまで「同じ経験をしてる」という出発点です。

例えば、芸能人や有名人…あるいは健康的な人が立派な発信をしていても、ACは「そもそも育ちが違うし…」「親に愛されたやつには言われたくねえ…」「親の経済力がすごいだけじゃん…」で一蹴してしまうので、話になりません。

自己啓発本を読んでみても「いや、そもそもまず前向きになれないんだが…?」とピンとこなかったりしませんか?私はめちゃくちゃしました。
それもそのはず、我々が読むべきは自己啓発ではなく、もっと根深い精神疾患に関する本だからです。右腕を骨折してる人が「バスケの上達法」の本を読んでも意味がないのと同じです。

ところがどっこい、同じ経験してる人が回復して状態が良くなってるのを見ると、「同じ立ち位置から…!?わ、私でもワンチャンいけるかもしれねえ…!!!」が出てきやすいです。そういう意味で自助グループに行くことはメリットがあると思います。


出会いは自分の人生を変える扉

私の場合、全部が該当しました。

①「底付き」体験は、ヤバさフルスロットルのやべ〜男性とズルズル付き合い、色んな角度からボコボコにされ「自分が共依存したい欲求を持ち続けてるとひどい目に会うんだな。もう二度と共依存なんかしたくない」とトラウマと学びを与えてくれました(白目)

その後、カフェインの漫画から依存症の啓発漫画を描き、そこから自助グループへこんにちは。
とはいえ、自助グループにいっても「親のことなんて10年も前の話だしィ〜親が憎いとかそんな時期もあったけどォ〜もう経済的自立もしてて離れてるし??私は大丈夫かな〜」と、ダラダラ参加していました。

ただ周りの人が回復の話とかしてたので、興味も持ち始めつつ…。(②)

この時期に新しく付き合った恋人関係が、自分に追い討ちをかけてきます。
DVやモラハラがあったのではなく、自分自身の病的な共依存的態度が全く治ってなかったことにショックを受けたのです。

相手にも死ぬほど問題があったけど、自分の方にもかなり問題があったのでは?この病的な行動を続ける限り、私は変な男を引き寄せ続け、私はそのうちDVで殺されるんじゃないか…??と、真剣に背筋が冷えたのを覚えています。

また自助グループの外で、③ロールモデルにしたい人に出会いました。
その人には「なんか…なんか…人間として"格"が違う…」と思わせる何かがありました。今思えば、精神成熟度がかなり高かったんでしょうね。
ところがあっさりと「私もACだからね」と言われて「は!?これがお、同じAC……!?」とひっくり返りそうになりました。

話を聞くと、自助グループ、ACのワーク、12ステップ、心理療法を過去に色々受けた結果だと聞いて「同じことをやれば、私もワンチャンここまでいけるのでは…!?」と目標ができたのです。とりあえずその人がやってそうなことは片っ端からやることになりました。(まだあそこまで辿り着いてないですが…)

ACもとい複雑性PTSDの回復は、道のりがマジのガチで長いです。
うまくいかなくて落ち込んだり、やめようと思う時期も何度も来ます。
しかしそんな中、自助グループと、先の先の先を進んでる人の存在は、私の回復の支えになってくれたことは間違い無いでしょう。

次回に続く!


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