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記念日について

 この時期は二十四節気では白露、七十二候だと鶺鴒鳴く今日この頃にあたるらしい。朝も少し冷え始めた。介護ベッドから起き上がるなり、かみさんが何かつぶやいてる。えーなに、明日が何だって。結婚記念日。そうか、また結婚記念日か、去年もだったろう。もういいだろう。今年はそっとしとこう、なっ。静かに静かに、明日はそれで行こう。いいか、もう言うなよ。
 さて、数ある記念日に一喜一憂して来た我が家。1月1日の鉄腕アトムの日と私の誕生日に始まって、2月にはバレンタインデー、3月がホワイトデーで、4月はエイプリルフールくらいで、5月が母の日、6月父の日、7月がかみさんの誕生日、8月は終戦記念日と長男の誕生日、そして9月が結婚記念日と防災の日、ついでに10月は次男の誕生日、11月にはいい夫婦の日なんてのがあって、12月はクリスマスまで、記念日多過ぎだわ。昨今は、コロナ感染者で一喜一憂、静かに花鳥風月を泰然自若に楽しみたいものだけど、無理か。
 書き出しの時候の挨拶だけど、かつては日本の一年は爺ちゃん婆ちゃん、さらにその前の人、さらに前の人から送り伝えられた折々に彩られた七十二もの季節の言葉があったんだよ。結婚記念日は忘れても、こんな日本の情緒風情は忘れたくないと思うのですよ。

20210914

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