見出し画像

自戒を込めて

 3か月前のこと主治医に、こんだけ運動しているのに血圧も体重も変わらない、どうしてだろうという答えの分かった質問をしたら案の定、それでは栄養指導をしましょうと言うことで、迎えた栄養指導の日が先週の木曜日、再び主治医との受診で、追加情報として先週のサイクリングで臼杵から帰る時に胸に圧迫感があった話、そう言えば7年前のウォーキングの際にも胸の圧迫感が3回くらいあったこと、父親が心筋梗塞でステントを入れている話などしたら、急きょ負荷心電図にレントゲンを撮りましょうということになって、血液検査と合わせてすることになった。
 いやいや、この負荷心電図が楽しすぎて笑った。若い係の女性が凸の形の2段の階段を引っ張り出して、こうするんですよと丁寧に実演を交えながら説明、40回の上り下りです。途中、苦しい時は言って下さいと言われて、では、いっちにっちで、リズムに合わせて始めましょう。「はい」といきなり手を取られて、「はい」とターンして、また手を取られて、「はい」とターンして、いやいや、一人でできるもんと余程、言いたかったけど、手を添えられる気恥ずかしさに、私はこう見えても自転車でロングライドもするし、時々山登りもするのよ、だから体幹はばっちりなどと思うだけで、お姉さんには言えず、ただただニヤついた顔で、「はい、後20回ですよ。頑張りましょう。」と励まされて、あーそうか、私の外見はお爺ちゃんばんだから、こういう対応なのかと何とか自分を納得させながら、「はい、最後10回ですよ。」と言われて、最後まで手を添えられたまま目の前に張られたテープに向けてラストスパートを切ると、完走した達成感も味わう間もなく、「はい、直ぐに横になって下さい。」で横になって、吸盤をぺたぺた貼り付けられながら、少したくさん吸い込みたい呼吸も、こんくらいじゃ息も上がらんと言わんばかりに抑えて呼吸して、少し計測して2、3分休んで、再び計測を繰り返す、とまあ、そんな密室での二人だけの甘美な時間を過ごしたのでありますよ。
 その後、このうきうきした気分で不機嫌ぽい主治医の診察、どこにも異常はない、きっと水分不足が血液の中の水分を奪ったことが原因、水はどのくらい飲んだかと聞かれて、往復約80キロで500のミリのペットボトル1本半ですと言うと、2リットルは飲まんといかんと叱られる。いやいや先生、2リットルなんてリョックさ詰めたら重くて却ってダメだわと言うと、コンビニも自販機もいっぱいあるやろと言うことで論破されて尻尾を巻いて、栄養指導に移動。
 この時の指導をしてくれるきっと看護師さんなのか管路栄養士さんなのか知らないけど、若い女性が、さてさてと質問の数々を投げかけてくれるわけだけど、聞けばお父さんが私と同じ自転車乗りだと言うので意気投合、まあ、楽しい栄養指導になったのですよ。ポイントは3点、朝食に菓子パンは止める。昼食のコンビニおにぎりは2つを1つにして、その替りチキンサラダなどに変更、夕食後の甘いオヤツは禁止、分かるのよ、この3つで3か月で結果が出るのは、ただ私がやれるかそうかにかかっているだけのよ。ここでも「頑張って下さい。」とニコニコ笑顔で言われてしまうと、もうお爺さんは言うこと聞くのですよ。3か月後の変化したお爺さんを乞うご期待みたいになってしまって、負荷心電図と言い、栄養指導と言い、若い女性には瞬殺されてしまう。ほんとに情けないジジイだわ。
 さて、これが若い男性だったら、こんな嬉々とした作文にならないことは言うまでもない。どうか他意はないので笑って読み飛ばして下さい。

ここで頂く幾ばくかの支援が、アマチュア雑文家になる為のモチベーションになります。