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とっぴんからり

 この時期の自転車通勤が楽しくなるかどうかは、とっぴんからりと吹く風次第、夕べ見た予報よりも風がない。今日は顕徳町のぐっどらいふ大分の新しい事務所からスタートしてみた。
 もう数年前から、この時間帯に通ると必ず走っている気になって仕方ないランナーがいる。雨の日も風の日もぐるぐると腕を回しながら夢タウンあたりから両郡橋あたりまでを走っている。間違いなく私よりずっと年上のお婆ちゃんランナーで、いつも同じウエアで走っている。かつては名のあるランナーだったかも知れない。行違う時には敬意を込めて挨拶をするようにしている。
 上人の砂湯の海沿いの道、今日は海岸に降りて海水に手を付けて舐めたら、やっぱりしょっぱかった。石を裏返すとカニがいた。眺めている景色の中に、飛び込んだような感覚と言ったらいいのかな。子供の頃は、いつも景色の中に居て、冬枯れの野山を飛び回る人だったじゃないか。ほんの少しの寄り道で錆びついた感性が洗われる。
 帰りは少しだけ小雨を受けながら、ペダルを踏んでやった。信号待ちにイルミネーションでパチリ。
20211203

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