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うみ散歩

曇り時々雨の夕方、うみちゃんを連れ立って散歩に出た。
「うみ、もうここらも田植えが始まったよ」
「あれ、ここの家、取り壊されたぞ」
「この家のアジサイ、ちょっと貧弱やないか」
「あらっ、ここの抜け道、アスファルトになってるわ」
「ほらっ、うみ、そこの田んぼに綺麗なカモが遊んでるよ」
「この家の玄関、ラベンダーがいっぱいやで」
「小さな公園やな、ここでウンコするか」
「お前、ウンコせんで、こんなびしょびしょの公園で背中、こすりつけたらダメやろ」
「ひとんちの玄関先でウンコするのか、あらーしたのか」
「さっと取るから、待てよ。よし、クリア、退却!」
「さあ、帰りはどの道を通るかな」
「ここらの水路は、生活排水が流れ込むから、生き物はおらんなぁ」
とかなんとか、べらべらと二人で喋りながらの散歩を楽しむのです。

帰ってから、今日はうみ、汚れたから風呂だわと言うと、
今日は私の風呂の日、うみも一緒に入るかと、うみに問いかけている。
冗談も休み休みにしなさい。二人一緒は私が無理だから、まずは重たい方からな。
ここのところ、そう私が肋間神経痛になった時から、かみさんがデイサービスで週2回は入浴してくれるようになったから、それ以外の日ほぼ毎日、私が入浴介助をする。時々、疲れ果ててくれて、風呂にも入らずに寝てくれる日もあるのが救い。まあ,お蔭で肋間神経痛は完治。それで、かみさんを風呂に入れて、いや、一緒に入ってと言った方が聞こえがいいか。扇風機の前で一息入れたところで、うみちゃんと目が合う。次はお前だけど、ちょっとよだきいなぁ。呼び寄せて、背中に鼻を埋めて、おっ、なかなか香ばしいけど、まだ風呂は明日でもいいわ。すると、次男から今日は二階にあげんでなと言われてしまった。仕方ないわな。今日は私と寝ような、うみ。


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