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何もない日曜日のはず

 ギックリ腰の養生も最終段階、参院選投票以外には何もない日曜日のはずだ。アラームもセットせずに眠りについた土曜日の夜。会社携帯がなる。時計を見るとまだ3時半、利用者さんからお巡りさんを巻き込んでの緊急連絡に対応、6時過ぎにも利用者さんからの連絡が入る。日曜日の朝寝は諦めて一日を始めることにした。

 朝飯を食べて、3日続けて通っている整骨院に行く。復調の兆しと思ったら、整骨院の駐車場でバックする時に身体を捻ったら、また少しピキっとなる箇所が残っていることを確認、まだもう少しか。

 続いて昼前にかみさんと一緒に投票に向かう。2日前の出来事のこと、18歳くらいの若者の姿が見当たらないこと、そんなことと車椅子のかみさんへの対応の様子を気にしながら小学校の体育館と校庭を歩く。

 午後からは極めて集中力を欠く中で、2か月遅れの難病患者会の総会資料づくりと格闘するも、やはり遅々として進まず。気分転換に炎天下の裏庭に出ては伸びすぎた木々の選定などしてみる。資料づくりに戻り、再び気分転換に飼い犬うみの散歩に出てみる。

 夕方の幾分涼しい風を受けながら、あっちでクンクンこっちでクンクン、弱った脚でゆっくりヨロヨロと歩いて行く。リードに惹かれるままに用水路に沿って、早い水の流れを眺めて歩いていると、雑草に紛れて何かが壁に張り付いている。近づいてみると、一匹の亀が水に身体を持って行かれまいと、壁にしがみついているように見える。さてどうしたものか、うみちゃんは何の興味もなく帰り道を歩く。私は捕獲方法と飼育方法を考えながら歩く。

 家に帰るなり、うみを玄関に放り込んで、倉庫からタモを取り出して、水路まで、人目に触れないことを祈りながら急ぎ足で向かう。現場に着くと、そのままの格好で居てくれた。躊躇うことなくタモを伸ばして捕獲に成功に成功。速やかに人目に付かないように麟家に向かう。実はこの麟家は夜店で購入して15年になるデカいミシシッピーアカミミガメを飼っている。捕獲したカメはどうもドロガメの類、貰ってくれるか聞けば、このミシシッピーアカミミガメを持て余しているとのこと、逆に貰ってくれないかと聞かれる始末、結局、我が家で飼うことにした。放置しておくことでも十分良かったと思うが、生き物好きはそうはならないんだな。

 その後も利用者さんのパソコンレスキューに行ったり、資料づくりを再開したり、開票速報を見たりで、何もないはずの日曜日が賑やかな日曜日になってしまった。とは言え、これまでもこれからも予定通りにならない毎日が続くことは想像に難くないから、やっぱりそれを楽しむことにする。
20220710

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