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あれとの戦い

 格闘技でも劣勢になると、普段は貰うはずのない突きや蹴りが、避けた方に吸い寄せられるように決まる場面がある。顔面に喰らう、続け様に蹴り、しかも運悪く急所に見事に決まるような場面が、入れ歯の次はこれか。
 今朝起きてトイレから洗顔、毎日の朝のルーチンをこなし始めた矢先、またオシッコに行きたくなる。さっき行ってなかったかなと思い、再びトイレに立つ。出るはずもない。首を傾げながら、ルーチンに戻る。わんちゃんにもかみさんにもご飯の準備をして、金魚にもジャービル達にも餌をやって、可燃物も出して、わんちゃんも庭でオシッコさせてたら、また私の下半身の違和感、そうだこの残尿感は、10年くらい前にも感じたのと同じ奴だ。あの時も速攻で泌尿器に行って診察、あーやばいお尻に指を突っ込まれたあの屈辱の記憶が甦って来るではないか。
 今回も速攻で受診、「はい待ってる間、オシッコしないで下さいね。」マジか。予約なしでの飛び込みは待ち時間が長い。泣きそうなほど長い。やっと呼ばれてエコー検査、そんなにピンポイントで押さないで、仕方ないけど。はいとカップを渡されて、これにオシッコ取って下さい。全部出して下さいね。ズボンのベルトもしないで、カップ片手に検査室からトイレまでダッシュ、やばいくらいのもたつきの挙句、ほーっと斜め60度を仰ぐ。トイレ内にあるカップ窓口から両手を伸ばして検査の人が待ち構えていた。そして再びエコー、その後、恐怖に震えながら待つこと15分、診察開始、先生がエコー画像を見ながら解説、そこに横になってと言われたらアウトだ。先生曰く、尿道にバイ菌が入っただけでしょう。膀胱も他も異常はありません。抗生剤と漢方薬を出しときます。来週、また見せに来て下さいと。おー良かった。例の検査はなしだ。先生、ありがとうございました。
 うんっ、ちょっと先生、このバイ菌は中からの侵入ですか、それとも外からのですか。ニコニコ笑顔で先生、外からですねと、軽く回答を診察室のドアを跨いだあたりで出して来た。見事なカウンターが背後から飛んで来た感じだ。いやいや外からって、私は潔白ですから、いやいや心当たりなんてありませんと自問自答、残る回答は、はいはい汚い手で触ってます。アルコール消毒なんて、トイレ前にはしてませんなどなど、自作自演の釈目会見をやってたら会計に呼ばれて、調剤薬局に回って、ほっとして車に乗ったら、またまたオシッコに行きたい。
 そんなこんなで今日は一日中、あちこちのコンビニや行った先毎に飼い犬の散歩のようにオシッコしてます。参りました。このまま眠れるかな。寝しょんべんとかしそうで怖いわ。

20210826

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