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体調不良の飼い犬

 我が家の癒し犬、齢15歳のうみちゃん、火曜日から体調不良なのだ。日ごろ、鬱陶しいほど元気なだけに、静かで苦しそうな表情は見ていて辛い。翌日に見かねて、次男と一緒にかかりつけの動物病院へ連れて行く。普段、飛び跳ねるように昇り降りする玄関も、はしゃいで飛び乗る車にも抱え込んで乗せる。
 診察が始まる。体重は変わらず15.7キロ、エコーにレントゲンに血液検査、それで判ったことは、引きずっていた左足は一時的な神経のマヒで、既に回復に向かっているし、血液検査も取り立てて問題はない。ただ、エコーとレントゲンに映った腹部の肥大した臓器、恐らく脾臓が問題、これが他の臓器を圧迫している。開腹手術か経過観測かの二者択一、考える余地も差ほどないないけど、沈黙する私らの表情を察して先生曰く、急に腫れたものではないので、暫く経過観測して様子をみましょうという提案、うみには申し訳ないけど、開腹手術で開けてみてどうこうとか、セカンドオピニオンという手もあるかも知れないけど、宵越しの金は持たない派の我が家に飼われた運命と思って諦めてくれと目で詫びて、先生の方針に同意、注射2本と処方箋を出して貰う。なかなかの出費で痛いけど、こいつのためなら仕方ない、ある程度は、うみちゃん暫く自宅療養だよ。いつもと変わらんけどな。

 考えたら、こいつが赤ん坊で我が家に来た時には、子供たちが中学生に入りたての頃か、外犬に育てようと連れて帰ったその日に外に出したら鳴き止まず、根負けして室内犬になってしまったこと。さらに一度、親戚の冠婚葬祭でペットホテルに預けたら、声が涸れて帰って来た時の私たち家族に向けた身体全体で喜びの表情で飛び掛かって喜ぶ切ない経験もあって、以来いつも一緒に過ごして来た。

 ここ数年はほぼ毎日、家族の誰かがうみちゃんの柴毛に顔を埋めてスーハ―スーハ―と息をしている。瞬時にストレスを解消してくれる、この癒し機能が絶大だ。夫婦喧嘩をすれば仲裁に入る、終わらない喧嘩と思えば2階に退避もする。普段、何気なく床に寝転がって、上目遣いに私たち家族の顔色を来る日も来る日も見上げてくれて、目が合うと尻尾を振って気持ちを返してくれる。こんないい犬は他には居ない。我が家的にはだ。とにかく、うみちゃん、早く元気になってくれ。20220324

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