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自動車メーカー5社による認証試験不正処理について

✅自動車の「型式指定」を巡って5社38車種に不正行為

各社について確認していきましょう。

✅トヨタ自動車

・現行生産車3車種について、歩行者保護試験における虚偽データの提出など
・過去生産車4車種について、衝突試験における試験車両の不正加工など

✅本田技研工業

・過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載など

✅マツダ

・現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換え
・過去生産車3車種について、衝突試験における試験車両の不正加工

✅ヤマハ発動機

・現行生産車1車種について、騒音試験における不適正試験条件での実施
・過去生産車2車種について、警音器試験における試験成績書の虚偽記載

✅スズキ

。過去生産車1車種について、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載

エアバッグの放出は、本来衝突によるものですが
試験では、タイマーで放出するようにしていた、などですね。

次に、型式指定についてみていきます。

✅不正のあった型式指定ってなに?

型式不正について説明していきます。
生産から使用されるまでの流れをみてみましょう。

型式指定ではない車種のながれ。

これらのフローを経て、車の使用者へ渡っていきます。
しかし、大量生産していくにあたって、1台ごとに検査していくのって大変ですよね。
そこで型式指定というものが生まれました。

型式指定の車の生産から使用されるまでの流れ


生産前に国土交通大臣に型式指定をもらう。
・基準適合性検査・・・サンプル車両や書類による審査
・品質管理体制の審査・・均一な自動車生産体制の審査

これを通過することによりメーカーによる完成検査だけで1台ごとの新規検査が省略されるのです。

このなかの、基準適合性検査で不正行為が行われたのです!

直近では、豊田自動織機やダイハツ工業でも型式指定申請において不正行為があって問題化しましたよね。

✅トヨタ自動車に関する影響

今回不正のあったなかで現行生産のあるトヨタ自動車に関する影響を調べてみました。

トヨタの現行不正のあった工場と車種・台数

トヨタにおける不正の現行生産対象車種は3車種
・ヤリスクロス
・カローラフィールダー
・カローラアクシオ

ともに生産しているのは
トヨタ東日本の宮城大衡(おおひら)工場
ヤリスクロスは岩手工場もかかわっていますね。

4月時点での月間生産台数は
ヤリスクロス・・・約7,700台
カローラ(カローラ全体で)・・約14,000台

トヨタの対応や各社の報道

トヨタ自動車からの動き
・トヨタ自動車は6/4にTier1企業へ恩来説明会を実施し生産停止を説明。
・6/10時点で公式発表無し
・現状では上記3車種について、国内向け生産は6/28まで暫定停止の見通し

報道発表
・トヨタ東日本の宮城大衡工場や岩手工場は6/6から製造ライン停止。
・不正調査は6月末までかかる見通しで、その間の出荷再開は難しい
・対象3車種の生産台数は当初予定から月1万台下振れ見通し
・7月以降どうなるかは、6月下旬に判断される
・輸出用のヤリスクロスは6/23までは生産継続方針
・今回の車両生産停止によって仕入れ先に損害が生じた場合、2次以降の仕入れ先も含めて補償する方針


✅トヨタ自動車の株価はどうか?

7203トヨタ自動車の株価を見ていきましょう。

不正の発覚から株価は下落基調となっています。
しかし、株価は5月末から見て4%程度の下落にとどまっています。

現状では、年1,000万台を超す生産をしているトヨタ自動車なので影響は軽微に収まるという楽観もありそうですね。
しかし、ガバナンスへの不信による影響は免れません。

会見では豊田会長が認証に対する仕組みの煩雑さなどの問題提起をしていましたが、現時点では不正は不正。

テスラなどのEVが世界的に軟調でHVなどに再び注目が集まるなか
ガバナンスを強化し、市場の信認を得られるかが大きなポイントになりそうです。


あくまで6/10のモノです。情報が更新されたら追記していく予定です。

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