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ミッフィーはおともだち(耳男とは何者なのか?)②
大学受験もあって、高校での創作はそこそこになってしまったが、本はたくさん読んでいた。その本の世界が面白くなってしまい、受験勉強もロクにしなかったので、今考えるとよく受かったなあと思う。
それ以上に、今考えると、なんという親不孝だったのだろうと反省しかない。過去問も一問も解かず、数だけたくさん受けさせてもらった上に、すべり止めの1つの大学しか合格しなかったのだから。
何よりも受験について、あまりにも無知だった。さらに高校の先生も受験指導らしいことは何もしてくれなかった。
もっとはっきりここら辺は無理だと言ってくれれば、もう少し安全な受け方が出来たのに。
それで相当、親に無駄なお金を使わせてしまった。本当に申し訳ない。
その後、大学生の時も詩はちょこちょこと書いていた気がする。
それで激動の大学時代を終え、就職へ。
就職は大手予備校の教務職員になったのだが、その頃は結構詩を書いていたと思う。それでペンネームについて、僕は考えに考えていたが、どうしても思いつかなかった。
本もかなりの量を読んでいた。そして、手塚治虫先生のマンガもかなり読んでいて、初期の作品も読んでいたのだが、そこで運命的な出会いがあった。
その前に僕は大学生の時から自分を動物に例えたら「うさぎ」だという自覚があった。
どうして動物に例えたかと言えば、自分を犬のマルチーズだという女の子が身近にいたからだ。
その影響もあって、僕は自分のことをうさぎだと思うようになった。
僕は絵を描くのがおそろしく下手ではあったが、うさぎの絵だけは描けるようになった。それで月に向かって跳ねるような、簡単なうさぎの絵を描くようになった。
そんな中で、手塚治虫先生の初期の作品を読んでいたら、主人公がうさぎ型の人間みたいなロボットのようなキャラクターが出てきて、名前を「耳男」といった。
その「耳男」は地球にぶつかろうとする隕石?か何かに自ら体当たりして地球を守った。自分を犠牲にして、地球の人々を守ろうとする姿に僕はとても感動した。
それで僕もそのようでありたいと思い、「これしかない」と思った。
機会があれば是非読んでほしい。
あとは表記を漢字にするか、ひらがなにするか、カタカナにするか、ローマ字にするかについて迷い、当時予備校にバイトに来ていた子にどれがいいか聞いた覚えがある。
それでその後、詩集を出版することになるのだが、これは結局漢字の表記で出すことになった。
それがこの本である。タイトルと筆者名だけは漢字で、中身は基本ひらがなの詩集。たまにカタカナは混じっているけれども。
この本はたしか3分の2は自費で出版したので、大変お金がかかっている。これを出した時点でも、まだ表記については確定ではなかったのだが、その後、この出版社はなくなってしまった。
しかし、今でも検索すれば、いくつかのサイトで中古で購入することは出来る。
しかし、名前の表記が勝手に「沢田」と簡単な漢字の表記になっている。また、値段は本来1,100円ぐらいだったと思うが、627円といかにも中途半端な値段になっている。
この流れで、僕はその後、3冊の本を出版するが、それも漢字で「澤田耳男」という表記になっている。
このように幸いなことにいまだにすべての本は購入することが出来る。
ここで一つ言っておかなければならないことは、僕の「耳男」は手塚先生のキャラクターからいただいた名前であり、決して坂口安吾先生の『夜長姫と耳男』から取ったものではないということである。
それについて、過去にも何人かの人に訊ねられたことがあるが、実は最初にペンネームを付けた時点では『夜長姫と耳男』のことは、恥ずかしながら全然知らなかった。また、いまだにまともに読んでいないのである。
もしそれを読んだならば、僕はペンネームを変えたいと思うかもしれないし、そうするとまた、最初から考えなければならないし、それでこれだと思うペンネームを考えられる自信がないからだ。
こうして僕はとりあえずいまだに耳男のままである。
そして、表記については、やはりひらがなやカタカナ、ローマ字の表記のほうがよいのではないかとも思う。
今後、それは変わってゆくかもしれない。
もう一つ、「うさぎ男」について、語らなければならない。
つづく
読んでいただきまして、心から感謝いたします。また、次回お会いできたらうれしいです。ではまた。
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