マッチングアプリにおけるコロナ禍の思わぬ皺寄せ

「コロナだなあ」とコロナのせいにしてはや3年目。もはやコロナと経済や生活への打撃の因果は薄れてきてるのでは?と体感で感じる一方で、コロナ禍は点ではなく線なのだと思わせられたエピソードを紹介。

まず、簡単な私のスペック紹介から

郊外住みアラサー事務職
女性喫煙者
ということで、おそらく一般的な婚活女性の中ではステ値が低いながらも真剣交際ベースの某マッチングアプリを再登録。

すると、いくつものメッセージが届く中にとある男性ユーザーが一際優良物件に映った。

外資コンサル内定済超有名大学院生を名乗る年下の男の子。
まだ院生ということは…この優良物件くんが社会に出て高収入エリートとして芽を出す前に青田買いをするという選択もアリだろう。何より年下は可愛い気がする。という本当にありきたりすぎる動機で即刻エンカウントの予定を立てたものの。

わたしの想像する「外資コンサル男性」とだいぶかけ離れたイメージの男性が待ち合わせ場所に立っていた。
温和、気弱という印象で、会話中に目が合うこと、移動や席に座るタイミングでの一切のリードがないことなど、およそ外資コンサルに勤める人のイメージとして抱きがちな自信や自尊心、女性への扱いのうまさなどあるどころか真逆。
緊張しているのかと思いこちらからいくつか会話を広げると返事はくるだけで、終始面接をしているかの気分。
ふと、天気の話をするようにコロナに話題を移したところ、彼は嘆いたのだった。
「ええ、そうです。僕は、コロナ直撃世代ではあります。サークルなんかも滅多に対面での活動はありませんでしたし。就活のOBOG訪問なんていうのもオンライン。それどころか面接だって、オンラインで進みましたからね。想像していたような大学生活は送れませんでしたよ」と。

ああ、彼は被害者なのだと納得した。
きっと本来であれば、サークル活動で扱かれ、女子の扱いを心得たり、人と目を見て話す機会も多く与えられていたはずなのだ。そういった処世術を、彼は学ぶ機会をコロナに奪われたのだ、と。

そして、逆説的に年下のハイスペ男性にほぼ共通してそれは当てはまるのではないか?と考えた。
もちろん、こっそりと経営する飲食店で集まりを開くサークルなんかもあるのかもしれない。けれどもそれは全部が全部そうではないのだから、一般的に想像する2018年ごろまでの大学生のサークル活動とはとは程多い活動を行なっていた学生も少なくはないはず。そして、オンライン授業であれば、キャンパスライフで恋が芽生えるような偶然もほぼないに等しいだろう。あったとして、デートを重ねることも難しく、通話でやりくりしたりすることがスタンダードだったのかもしれない。2019年度前後に大学生になった世代は、対面/リアルでの異性関係の構築の機会に恵まれなかったのではないだろうか?

真剣交際/奥手が好みのユーザーは2019年度前後に大学生になった世代にアプローチをかけてみるのも手かもしれないなぁ…この子に、女性の扱い方を教えてあげたいなぁ…などと考えていたらエンカウントの時間はあっという間に過ぎ去っていき、説教をしたい老婆心だけが私の心の中に残った。

年下の男の子に「君はコロナの影響で女性の扱いを磨く機会に恵まれなかったのだろうけれど〜」と説教を垂れても仕方がないので、彼とはその後連絡を絶っていたところ「練絡がないことがつらいので、さようなら」と最後にメッセージが送られてきた。最後にこんなメッセージを残す意地らしさも、withコロナの大学生活を送った子ならではなのだろうか?

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