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眠れぬ、夜が怖い〜アトピーと過ごす夜〜




夜が怖い



寝る時間が近づいてくる
眠たいけど、寝るのが怖い。
今日は、どのくらい眠れるのかな
また寝られない時間があるのだろうか。


1度目の入眠はわりとあっさり眠れる
だけど、何時に寝ても必ずと言っていいほど
2時に目が覚める
一度目が覚めてしまうとそこからが地獄




痒みがとまらない

アトピーは夜になると悪化する
自律神経の副交感神経が夜に優位になるから
痒みは悪化する

痒いから掻くのだけど、
掻くからまた痒くなる

痒いから眠れないんだけど、
眠れないからまた痒くなる





真っ暗な部屋は
視覚も聴覚も弱くなり、触覚が冴え渡る

起きている時
視覚からの刺激が多いので肌の感覚は誤魔化せる
子どもたちの賑やかな声が誤魔化してくれる



夜の真っ暗な静まりかえった寝室では
誤魔化しが効かず、
昼間は逃してしまう
些細な刺激も敏感に拾ってしまうのだ。




チクチク
ピリピリ
ピリピリ
チクチク


肌を刺す感覚
治まるまで、ただ待つ。
待ちきれなくて、掻き壊し、後悔が襲ってくる
チクチク ピリピリ 増大する



布団に入り、電気を消して眠りにつく
そんな当たり前だと思っていたことが
どれだけしあわせなことかと痛感する



家族の寝息
1人眠れないことでイラつきが生まれる
また痒くなる、辛くなる






ある夜のこと、
痒くて、痒くてどうしようもなく
発狂したくなったのとき、
自分に問うてみた『これは本当に痒いのか?』と







あとから読んだ本にこんなことが書いてあった
『掻くことは、快感
痒いところをかくことで
人間は大きな快楽を得る
この快感を脳が覚えてしまうから、
掻くことをやめられなくなってしまう』


蚊に喰われたとき、
掻くと気持ちいいもんね。
アトピーの痒みもそれと同じ。
掻くと気持ちがいいんだ、だからやめられない
はじめは首が痒かったのに
関係なかった足や背中まで手が伸びる
どんどん自分で掻く範囲を広げる



眠れないから掻いておこう。
眠れないストレスを緩和するために掻いていた

はじめは本当に痒かったけど
寝れなくて暇だったから掻いていたな
掻くことがいつのまにかクセになっていた





掻く手を止めることは一苦労だが、
手を止めるとウトウトし出す自分がいる

ほんとに痒いのかを見つめてみる
ほんとに痒いならかけばいい。
でも、ただのクセならチカラを抜いてみる
痒みがとまらないとき、
身体にはとてもチカラが入っている
そこを緩めてあげる



眠ることをいっそ諦めてみるのもいい。

わたしは、眠れないことにストレスを感じる
一旦寝ることを諦めてみる

諦めるって時には大切だった
わたしの場合、だいたい4時ごろには寝ている
2時から4時のこの2時間だけを耐えてみる

4時になったら寝れるから、眠れなくても大丈夫。
この安心感がわたしを緩めてくれる


アトピーの夜はこんな感じで更けていく



6:30目覚ましのアラームが鳴る
もうちょっと寝たい。
そんな気持ちもあるけど
寝不足でも朝が来ると嬉しくなる
痒みを少しでも忘れられる昼間が来ることが嬉しいんだ



あと何日、この眠れぬ夜を過ごすのだろう
眠るのが怖くなくなる夜はいつ来るのかな。



そんな風に思うけど
この身体の素晴らしさを信じて
わたしは今日も薬を使わず、
アトピーを過ごすと決める
















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