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産地を訪ねて

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ものづくりの産地で見て来たことをまとめました。
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#雑貨

旅する漆〜天然塗料「漆」の精製現場②〜

天然の塗料「漆」の精製方法の続きです。水分を蒸発させ、攪拌さたあと、、 ②漆をきれいにする 余分な水分を取り除いたあとは、漆に混ざったホコリやゴミを取り除きます。 使用するのはなんと、、、綿でした!「綿の細かい繊維が漆に入ったゴミを絡め取ってくれます」(竹内さん) 機械に綿と漆を入れて綿に漆をなじませます 使い捨てマスクのような特殊な化学繊維が溢れるくらいある中で、綿を使うことに驚きました。 自然を上手に利用してつくられる漆。まるで漆の血をうるしが生きていた自然以外

木曽漆器とつくり手〜蒔絵体験2〜

先日、蒔絵体験をしました。 蒔絵(まきえ)は漆器の上に漆で絵を描きその上に金粉などをまいて絵を描く技法です。始まりは平安時代と言われています。 洗ったりしたら金粉がすぐに取れたりしないの?と心配になる方もいるかもしれませんが、 漆は金継など接着剤としても非常に優れた性質を持っているので、ちょっとやそっとでは取れません! プリンターも化学物質もなかった時代に人と自然の知恵から生まれたすばらしい技術です。 初心者なのでカーボン紙を使って絵を写した後、漆に触れてかぶれないよう注

木曽漆器とつくり手〜蒔絵体験1〜

蒔絵(まきえ)は漆器の上に漆で絵を描きその上に金粉などをまいて絵を描く技法です。始まりは平安時代と言われています。 洗ったりしたら金粉がすぐに取れたりしないの?と心配になる方もいるかもしれませんが、漆は金継など接着剤としても非常に優れた性質を持っているので、ちょっとやそっとでは取れません!プリンターも化学物質もなかった時代に人と自然の知恵から生まれたすばらしい技術です。 名古屋城の本丸御殿修復に関わった小川さんに蒔絵に使う漆を見せていただきました。 下絵は漆黒の上に描い

木曽漆器とつくり手

長野県塩尻市の木曽漆器産地で つくり手の方たちにお話を伺いました。 【漆とオリンピック】 漆器(しっき)といえば英語でjapanとも表現される日本を代表する伝統的工芸品です。長野オリンピックではメダルに木曽漆器の技術が用いられました。 当時はまだ小学生だったので、大人になって塩尻市の「木曽くらしの工芸品館」を旅行で訪れたときに初めて長野オリンピックのメダルを見ました。 そのときあらゆる光を吸い込み呼吸をしているような漆黒の美しさにすぐに心をひきつけられ、世界一かっこいい

台湾 藺草と生きる人々を訪ねて(後編)

【藺草編みの伝統をいまに伝える「藺子」】 お店の扉を開けると店員さんの挨拶よりも先に藺草(いぐさ)のいい香りが出迎えてくれました。 思わず「いい匂い!」と口々に話していると、店員さんもにっこり。 ・ 苑裡駅から歩いてすぐのところにある藺子。 伝統的な藺草編みを現代的にアレンジした帽子やカバンを始め、藺草を使った様々な小物を取り揃えているブランドです。 若手デザイナーと60~90代までの地元のつくり手の方が中心となって製品をつくる一方、若手の育成も行なっています。 店員さ