椎名林檎を聴くと見ず知らずのAくんについて考えてしまう話


最初の投稿に何を書こうかなと一瞬考えたけど、そんなことも考えなくていいようにnoteを始めようと思ったので、最近ふと思い出したことについて。言葉遣いも揃えるのめんどくさいので思ったままで失礼します。


最近は椎名林檎の新譜を聴いてまして。椎名林檎というワードを聞くとひとつ必ず思い出してしまうことがあるので、それについて書こうかなと。


たしか中学2年生ぐらいのとき、友達の勧めで椎名林檎の曲を聴くようになったの。当時の私はBUMP OF CHICKENだとかRADWIMPSとかを聴いてた気がする。かわいいですね。なので椎名林檎楽曲の歌詞の言葉遣いは、当時の私にとっては未知との遭遇だったんですよ。

だからGoogleでね、調べたんですよ。「椎名林檎 歌詞 難しい 何で」みたいな。かわいいですね。

そしたら知恵袋がでてきたの。

質問はね、「椎名林檎さんが書く歌詞はどうして難しい言葉遣いをしているんですか」みたいなかんじだったな。私が聞きたいこと聞いてる!と思ってそのURLをクリックしたの。


そしたらね、ベストアンサーは「難しくなくない?笑」みたいな、本当に一言だけの回答だったんだよね。


他にアンサーがなかったから自動的にベストアンサーに選ばれてた気がする。あんまり覚えてないけど。


今なら「くそ煽りごみくずアンサーやんけ」って思うだけなんだけど、当時10代前半の私はね、

「普通の人(椎名林檎を聴く一般人)にとっては難しくないんだ…私って頭悪いんだな。こんなこと調べるなんて恥ずかしいな…」って本気で思ったんですよ。


まあ椎名林檎の歌詞が難しいかどうかはおいといて。ここで私は痛烈な「恥」という感覚を体験して、8年ぐらい経った今でも忘れられないんですよね。


人間「恥」には弱いじゃないですか。

恥ずかしいって思いたくないからやること・やらないことってたくさんあるな、と。

何なら意志決定の源が「恥」に関する人とかたくさんいるんじゃないかな。もちろん「恥」っていうのは体裁だとかの一部で、「恥」だけが源っていうわけではない場合が多いんだろうけど。


んで話を戻すと、当時の私はけっこう衝撃だったんですよ。でも今では当時のことを思い出して胸が苦しくなったりだとかはしない。

じゃあなんで椎名林檎を聴くとあの時のことを思い出すのかというと、知恵袋に質問を投稿した人(Aくんとします)はどう思ってるんだろう、と考えるからなんですよ。


知恵袋にあんな口調でそんな投稿をするなんて中高生だと予想してて。

だって大学生にもなったら「椎名林檎は歌詞をこういう書き方で書く人」で認知して、疑問に思っても知恵袋には投稿しない気がしちゃうんですよね。

質問の仕方も丁寧だったし。まあ正直わからない。当時の私が勝手にAくんにシンパシーを感じて、思い出補正してる可能性の方が高いかも。


でもね、なんにせよ、Aくんにとっても「恥」を感じる瞬間だったと思うんですよ。

例えもし私と違ってAくんがベストアンサーに対して「何だこいつ」って思ったとしてもね。


そして「恥」という感覚は当時の記憶を忘れさせてくれないと思うんですよ。

人間、良い思い出は忘れやすくて悪い思い出は記憶に残りやすいと言うけれど、「恥」はやべえ。全然消えてくれない。笑い話にすることで気持ちを軽くすることはできるけど、忘れ去るということがめちゃくちゃ難しいと思う。

この私の感覚に「そうかなあ?」と思う人はたくさんいると思うけれど、私と同じような人もたくさんいるはず。


ヨルムンガンド(いいアニメです)でも言ってたじゃないですか「人間恥には弱い」って

女神のアルテミスさんも偶然自分の裸を見た男性すぐ殺しちゃってるし。


だからAくんは知恵袋で質問したことを今でも覚えてるんじゃないかな、と思ってしまう。


「失敗や悲しい経験をしたときに精神衛生上やっちゃいけないのは脳内反芻」という一般論があるけれど、やっちゃうじゃないですか。

私の場合、それが恥をかいたことだと反芻回数が増えるんですよ。

だからAくんも私と同じように、椎名林檎を見るたびに当時のことが脳裏にうかぶんじゃないかな、と思ってしまうんですよね。


誰なのか、どんな人なのか、生きてるのかも知らないAくんについてこんな長年考えてしまうというのは何とも不思議な感覚で。

(まじで一方的な君の名は。状態ですよ)


今日もシャッフルで流れてきた椎名林檎を聴いて、Aくんが少し苦い思いを脳内で何回も繰り返していないといいな、と思うのです。





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