演奏者の視点と観客の視点
こんにちは。久しぶりの投稿になります。ショパンコンクールも最初は律儀に追っていましたが、もう途中から仕事に忙殺されてライブを聴けるときが限られ、録画も聴きたいと思った人しか聴けなくなってしまいました(汗)その結果、追ってなかった人が一位となる結末にさらに汗(笑)
唯一ヨーロッパ時間内の国にいたので、深夜に起きて…ということが無かったのが救い。聴かれていたアジア諸国や日本の皆さんは本当に凄いなと思ってました。でも今回はそれだけ聞く価値のある白熱した演奏でしたよね!!生徒のお母さまからも、「先生がポーランドへ夏に聴きに行かれたことを聞いて興味もって追っていたら意外とハマってしまい、今コンクールが終わっちゃって寂しいです」なんて嬉しいコメントを頂き、この何ヶ月かはずっとショパン漬けで周りも巻き込み楽しかったです。ショパンによってそうしたクラシック畑じゃない方々も自然とその世界に入ってきてくれるのは心から嬉しいです。
さてショパンコンクールの件はもう沢山の方々が書かれているのであえて書きませんが、このコンクールを通して演奏する側からと観客側から見た舞台マナーを少し書こうかなと思いました。
私もピアニストのはしくれで、舞台には数え切れないほど立って来ましたが未だに緊張からは慣れません。ショパンコンクールに出場される方々とは比べ物になりませんが(笑)でも緊張するのは当たり前ですが、観客側として演奏者にしてもらって嬉しいのはやはり笑顔を少しでも見せてくれること、そしてどんなに自分にとって満足しない演奏したとしてもお辞儀は丁寧にすること。緊張やパニックなどあるのは自分でも演奏側としてよく分かることですが、それを舞台上で抑えてそれでも聴いて応援してくださったお客さんにありがとうという感謝の気持ちを込めてお辞儀と笑顔で返すのが、みんな気持ちが良くなる終わり方だと思います。
今回2位に輝いた反田氏も言ってましたね。
印象付けを狙った
この印象というのは反田氏のような髪型とか見かけもありますが、3位についたどんな時でも笑顔で観客を魅了したマルティン・ガルシア・ガルシアさんもその人柄を印象付けました。
演奏家という職業に求められることは、もはやただ上手く弾くだけではなく、舞台マナーや観客とのコンタクトがどれだけ取れているかが問われて来ています。2世紀ほど前に戻るとフランツ・リストなどその腕前だけでなくファンサービスがとても良かったのもあったから長く演奏家として続いていたと思います。
これがもしいつも仏頂面で演奏は神がかりなのに終わったらお辞儀も早々に早足で舞台袖に消えていったらお金を払って聞きに来たお客さんはどう思うでしょうか。
演奏家は昔からエンターテイメントの一つ。舞台にあがったら自分の演奏する時間以外にもどうしたら舞台で綺麗に、丁寧に、美しく見えるか、くらいは少し配慮して振る舞うことが大切だなと思いました。まぁ、もちろんコンクールと自分の演奏会とは違う環境ですが、私はガルシアさんはどっちも同じ気がするのでこれがいつもの彼なんだろうなとなぜか安心できます。
プロがどんなに素晴らしい演奏をしてもその前後と表情が晴れ晴れしくない限り、次の演奏会にはもう行きたくないね、となるのが観客。
演奏者だって人間。
観客だって人間。
じゃあお互い楽しく気持ちよくするにはどうしたらいいかな、が与える側受け取る側の原点な気がします。
自分への戒めと忘備録として書きましたが、これから舞台に立たれる方(プロ・アマ問わず)の参考にもなったらとても嬉しいです。
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