内田光子さんの譜めくりをした日

これは多分一生涯忘れない素晴らしい思い出の一つであることは間違いないです。
一本の留守電に入っていたボイスメッセージ。
「今週の土日に個人のお宅サロンコンサートがあって、ピアニストが内田光子さんなんだけど譜めくりできるかな？」
耳を疑いました😭
でも内田光子さんってお話ししたことないしちょっと怖い雰囲気。。。

もう当日会うまでかなり緊張しました。
本番でめくるよりも😂

いざ土曜日のリハーサルでお会いすると、想像していた感じとは全く違ってとてもフレンドリーでお話がお好きな方。でも音楽に関する話になると本当に知識が豊富で質問攻めにあいます。なんとか自分の知識を振り絞ってお答えしましたが、ただ演奏するだけでは人間的にも面白くなれないなと改めて実感。私もまだまだだなと。

いざリハーサルが始まり譜めくりを普段通りやっていたら、
「あなたとても上手いわね、私の知る中で上手いと思う1人に入るわ」
と思ってもみなかった賛辞を急に頂き、最初なんのことかちょっとわからないくらいびっくりしてしまいました😂
内田光子さんはとても自分に正直な方というのはお会いしてすぐわかったので、その方にそう言われたのはお世辞じゃないというのもすぐ感じられて心から嬉しくなりました。
実は前日の金曜日、ホールでまた譜めくりをしていたのですが、ピアニストの合図がいまいちわからない時が2回あってちょっとだけ早めにめくってしまい、そのためにピアニストがチェリストとどこを弾いてるから見失ったと言われ落ち込んでいたので、内田光子さんの言葉はより天からの言葉のように受け取りました🥹

内田光子さんから、「音楽で自立してやっていらっしゃるでしょう？何をやろうが自立しているのは素晴らしいこと。あなたが自立してやっているのは見てすぐわかるわ。譜めくりは本当に上手だったから連絡先教えて欲しい、今度のコンサートに招待したい」と言われ、もうあとで彼女が覚えていなくともこの言葉を言われただけで10年譜めくりをしてきたかいがあり、天にも昇る気持ちとはこういうことかと肌で実感しました。

実は今年の夏で私の人生をオランダ半分過ごしたことになります。
そんな年に内田光子さんとのこうした出会いがあったことがとても偶然で嬉しかった。オランダで沢山嫌なことも経験したけど楽しいこともそれをうわまるほど経験した。
音楽を諦めずにやってきて良かったと心から思え感謝した週末となりました。

内田光子さんはお写真嫌いですか？と聞いたら、「はい、嫌いです笑、でも一緒にお仕事した方とは撮りますよ」と笑顔で対応してくださりました😭神😭
日本でずーーーっと前に買って使ってなかった色紙にサインをして頂き、私の連絡先をお渡ししました。

今回のコンサートは、歌とピアノのデュオで完全プライベートコンサート。お金があるお宅って凄いお家なんですよね。。。音楽やってるとあるあるですが、たまにこういうお金持ちのパーティーとかで弾いたりするとそのおうちや取り巻く人々が垣間見れて社会を学びます。
こう言う人たちのサポートがあってこそ音楽も成り立つのですが、ちょっと色々考えますね笑
虚しくはなりません。
でもお金ってなんだろうとふと思ってしまったり😅正直音楽が本当にわかる方、そして内田光子さんを知っている人はどれほどいるのかという印象もありました。

内田光子さんは自分らしく生きていらっしゃる方で同じ女性、同じ日本人、同じピアニストとしてとても人間的に尊敬します。
生演奏を彼女の横で聴ける至福はお金よりも大事なものだと昨日改めて感じました。

音楽やっててよかった〜🌷