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ハキム・ベイ『T.A.Z.』読書会

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ハキム・ベイ『T.A.Z. 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』の読書会議事録です。
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ハキム・ベイ『T.A.Z. 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』読書会(4/4)

p.187(TAZ/一時的自律ゾーン)〜終わりまで

レ(ガスピ):この章はそれまでと比べるといかんせん読みやすいですね。ハキム・ベイの思想の核がわかりやすい部分だと思いました。
キュ(アロランバルト):今までのビラと違ってこれまで回避してきたTAZの定義をしていますね。これまでの体系づけられることへの反感がないというか、わりと理路整然と語っている感じがあります。
虚(ペン):アナキズム、ドゥルー

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ハキム・ベイ『T.A.Z. 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』読書会(3/4)

p.114〜p.185(ハロウィーン特別コミュニケ〜一九九〇年代に向けた分析)

(承前)

レ(ガスピ):とりあえず読まれた感想から言っていただければ。
虚(ペン):前回参加しなかったのでバーっと読んできたんですけど、実際の運動なんかで言及される印象があったので、「一時的自律ゾーン」がオキュパイ運動やアラブの春などの実践的な運動の流れにあるのかと思ったらめちゃめちゃスピってて。推薦文書いてるのも

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ハキム・ベイ『T.A.Z. 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』読書会(2/4)

※本記事は「進撃の巨人」に関するネタバレがあります※p.61〜114 (第一コミュニケ〜第一一コミュニケ)

(承前)

キュ:間に合わなくて、今p.112までしか読めてないです…(本来はp.185までやる予定)
レ:僕もやっぱり三回でやるのは厳しいかなと思いました。
キュ:「一時的自律ゾーン」に比べてここと前の章がハイコンテクストなんですよね。
レ:そうなんですよね、文脈が…
キュ:かなりわから

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ハキム・ベイ『T.A.Z. 一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』読書会(1/4)

〜p.57 (第二版への前書き〜カオス:存在論的アナーキズムの宣伝ビラ)

レガスピ(以下レ):僕がこの本を選んだいきさつから話しましょうか。僕が大学で勉強しているアフリカにソマリアという国があるんですが、そこにソマリランドという国際承認されてない独立国家があるんです。ソマリア自体は中央政府が崩壊していて、「ディアスポラ」と呼ばれる海外に移り住んだ人たちがソマリランドに対して送金するカネで経済が回

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