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第7期叡王戦京都「藤井聡太叡王祝賀会」

ホテルオークラ京都
参加棋士:藤井聡太叡王、井上慶太九段

●入場

藤井聡太叡王が入場されました。後方の扉が開くと深く一礼されて、ぐるっと会場の外周を回って歩かれます。会場の皆様に喜んで頂くための素敵な演出でした。壇上に上がられてまた深く一礼されました。

会場は着席スタイル。各テーブルに5名。客席の間にはアクリル板が設置されています。

壇上には主催者と藤井聡太叡王も着席されて始まりました。

●関係者のご挨拶

はじめに不二家の代表の方のご挨拶。社長がご欠席ということでお手紙を代読されました。
続いて日本将棋連盟理事 井上慶太九段がマイクの前に立たれます。

井上慶太九段
「藤井叡王おめでとうございます!! 私が言うと含みがあるかと……いや、おめでとうございます!! 1局目、2局目は出口君も堅さがあったかなと思ったのですが、第3局は熱戦だったと思います。叡王戦は今まで連覇が難しいと言われていたのですが、おめでとうございます!!」

弟子への優しさが溢れると素敵なご挨拶でした。

特別協賛のレオス・キャピタルワークス株式会社の方のご挨拶へと続きます。そして第五局に協賛された月桂冠株式会社の方のご挨拶が続きました。

(月桂冠、いつもお世話になっております)

花束の贈呈は一般のお客様から抽選で選ばれた方が贈呈されていました。
素敵な演出ですね。

●藤井聡太叡王のご挨拶


藤井聡太叡王
「みなまさ、こんばんは。今期の叡王戦は振り返りますと厳しい戦いが多かったと思います。今回の五番勝負の内容をしっかりと反省して、来期に生かして行ければと思います。今日は北野天満宮様に参拝させて頂きました。学問の神様、芸能の神様ということで将棋と通じるものがあると思います。次回は是非対局で伺う機会があればと思います。今日は皆様と楽しい時間を過ごせればと思っております。どうぞよろしくお願い致します」

素敵なご挨拶でした。
写真撮影会が始まります。
マスクオフショットも撮らせて頂きありがとうございました。
ここで藤井聡太叡王をはじめ、壇上の方々が会場のお席に移動されます。

●上七軒

(なになに、どうして?)

ホテルのスタッフが、壇上の床をとても丁寧に拭かれています。コロナ禍の消毒とは違いました。清掃が終わると赤の布と共に、三味線、鼓や太鼓が壇上に運ばれてきました。

地方さんが登壇されます。続いて芸妓さんが壇上に上がられました。
芸妓さんとの舞。舞妓さんの舞が披露されます。

(ああ、お着物を汚さないように、丁寧に床を拭かれていたんだ!!)
とても雅な時間でした。

●乾杯とお食事タイム

スタッフの方が、藤井聡太叡王のお席にウーロン茶を運ばれました。
わたしたちのテーブルには月桂冠の日本酒が用意されています。
「乾杯!」と皆でグラスを持ちます。

(う、日本酒美味しい……!)

ホテルオークラ京都のお料理が運ばれてきます。豪華で華やかで繊細です。
藤井聡太叡王も参加者と同じメニューをお召し上がりになっていました。とてもニコニコと歓談されながら、楽しそうにお食事されています。そして……とても大事なことを。

(アルコール飲み放題でした!!)

コロナ禍ではノンアルコールのイベントが多かったため、少しずつですが日常が戻ってきているのを感じました。

会場を舞妓さんと芸妓さんも回ってくださり、ビールを注いでくださいます。飲めばビールを注いでくださいます。

(アクリル板が早くなくなる日常がくるといいな)

と思いながらにビールを一口飲みました。そのあと、ずっとずっとビール飲んでいました!!

●自戦解説

祝賀会、祝う会ではお楽しみの――自戦解説が始まります。
藤井聡太叡王の解説はユーモアもありつつ、テンポの良い、そして何より笑いが溢れる自戦解説でした。
※さすがに符号は記憶できていないので「符号」と書かせてくださいませ。

叡王戦第三局の自戦解説です。

井上慶太九段
「この手なんですの?!」

会場に笑いが起こります。
さすが井上慶太九段、掴みは最高です。

藤井聡太叡王
「これは――符号。この手自体は詰めろではないんですけれど――次に符号――だと即詰みで――、符号――だと必至です」

変わらず藤井聡太叡王。ああああ、符号たくさんも凄いです。最高です。

藤井聡太叡王
「なので本譜は受けました」

井上慶太九段
「ここで1分将棋でしたな」

藤井聡太叡王
「ここは二択で考えていたのですが――符号……符号――」

井上慶太九段
「ちょっと、盤面を動かさせてくださいね。何を言っているのかわからないから」

と、井上慶太九段が会場をほぐしながら盛り上げてくださいます。

藤井聡太叡王
「符号――。これで凌げるかどうかでした」

いよいよ藤井聡太叡王が身を乗り出して、盤面を動かされます。

井上慶太九段
「このあたりで相互一分将棋でしたが、藤井さんの心境は?」

藤井聡太叡王
「終盤から、苦しい手が続いていたのですが、目が出てきたのかなと――ただ。どうなっているか分からなかった。時間が合っても読み切るのが難しい局面でした」

会場を観て、ニコと藤井聡太叡王が微笑まれます。
とても楽しそうに解説を続けられました。

井上慶太九段
「問題はこの局面です。私ずっと、中継を観てました。ここで出口君の評価値が90ぐらいやったかな? しらんかったでしょ?」

藤井聡太叡王
「知っていたらまずいです」

くしゃっと、藤井聡太藤井聡太叡王が笑われます。
井上慶太九段との問いかけに、ユーモアも入れた切り返しをされます。最高です。トークが一番面白く楽しい時間でした。

井上慶太九段
「私、やったー!とおもったんやけれど、指し手が難しいと思いました」

藤井聡太叡王
「あ、はい……符号――ですね」

井上慶太九段が出口若武六段の勝ち筋を解説されます。
藤井聡太叡王も返されます。盤面がどんどん進みます。

藤井聡太叡王
「ここで王手からの手順が……――詰めろ逃れの詰めろで後手優勢だったと思います」

と、藤井聡太叡王が出口若武六段の勝ち筋の筋を解説してくださいました。また別の局面の解説が続きます。藤井聡太叡王の符号と大盤の駒さばきもどんどん加速します。

井上慶太九段
「この手は一分ではさせないですよね。藤井さんなら指せるかもしれへんけれど」

藤井聡太叡王が珍しく「あははは」と笑い声を上げられました。

藤井聡太叡王
「私自身も分かっていなかったので、対局者の感覚からすると、難しい局面だったと思います」

井上慶太九段
「コンピューターは出口君勝勢って言っていたけれど、これを一分でさせるのは……藤井さんだけかな」

と、にこっと井上慶太九段も笑われます。
いやいやと藤井聡太叡王も笑っていました。

井上慶太九段
「ここで藤井さんがシュンとなって、詰み見えてました?」

藤井聡太叡王
「……あ、はい。そうですね、詰みが見えていました」

井上慶太九段
「渡辺名人の奥さんの漫画で、藤井さん勝ちになったらシュンとなって姿勢が良くなるんですよ」

(井上慶太九段! スーン……です!!)
と、会場参加の読者の方は思われていたと思います。

井上慶太九段
「一局振り返ってどうでしたか?」

藤井聡太叡王
「中盤はしばらくこちらがペースを掴んでいたのですが、そこで良い手を指せなくて、出口六段から良い手を指されて、苦しくなっていました。終盤も苦しくなってしまいましたが、幸いしたという一局でした」

井上慶太九段
「師匠の私が言うのもなんですが、出口君も力一杯指したと思います。結果は残念やったんですが、藤井さん相手に負けて泣けるのはいいな、と思いました。また対戦したらよろしくお願いします」

と、笑いが会場を包みます。
しんみりとしない、師匠として弟子を思いつつ、藤井聡太叡王に敬意を込めて進行される井上慶太九段が素敵すぎました。ああ、将棋界スキ。

●抽選会

藤井聡太叡王が自らクジをひいて、番号を読み上げるというとてもレアな形式でした。引いた順では無く、札を並べて数字の低い順から読まれていました。几帳面さを感じる札裁きでした。
テキパキした仕草と読み上げるお声も凛としていました。
景品はぺこちゃん人形、ポスターや日本酒でした。

●一本締め

主催者のご挨拶があり、最後は会場の全員で「一本締め」を行い、藤井聡太叡王を拍手でお送りいたしました。

一時間半、藤井聡太叡王が最初から最後まで。
本当に会場にいてくださった祝賀会でした。

お土産に藤井聡太叡王の揮毫(印刷)「新」と月桂冠の日本酒、不二家のちょこまみれなどのおやつ!!など豪華なセットを頂きました。
ありがとうございました。

祝賀会を開催して頂きましたこと、関係者の皆様に御礼申し上げます。
とても、とても幸せで楽しい時間でした。

(了)

※誤字脱字など随時直していきます。ご参加されていた皆様。会話の順番、記憶違いなどあったら、申し訳ございません! 修正します! ドン!とご指摘くださいませ。
※レポート公開が遅くなって申し訳ございません。ここまでお読み頂きありがとうございました!! いつもスキを頂き、ありがとうございます!!
私も読んでくださる方にスキをお返ししたい!!将棋界、大スキ!!

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