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第7期叡王戦第3局柏 大盤解説会

藤井聡太叡王 vs 出口若武六段
柏の葉カンファレンスセンター
解説 高見泰地七段、佐々木勇気七段、門倉啓太六段、三枚堂達也七段(ほぼ石田門下)、岡崎洋七段(柏将棋センター出身)
聞き手 加藤結李愛女流初段
進行 勝又清和七段

●到着

柏の葉カンファレンスセンターに到着。
整理番号で決まった席への着席でした。

ロビーで座っていると高見泰地七段が控え室から登場されました。わっと人だかりが出来て、記念撮影会が始まりました。
長谷川浩平四段と三枚堂竜也七段もこられ、ロビーは大賑わいです。

(ひぇぇぇ、石田一門、おつよい)

ファンサービスの嵐です。
長谷川浩平四段はABEMA対応でしたので短時間でしたが、どの先生方もファンのツーショット依頼に快く、応じてくださいます。わたしたちファンも笑顔になりますが、先生方もめちゃくちゃ笑顔でした。前夜祭や祝勝会の終わりで写真撮影会をして下さることは過去ありましたが、大盤解説会前に始まるのは初めての手筋です。

大興奮、そして大盤解説会はその熱気のままに始まりました。

●ご挨拶

大盤解説会の冒頭、石田和雄九段が壇上でご挨拶。
ここまでの1年半の準備をこの日に向けてまっすぐな思いをお聞ききました。

●高見泰地七段と加藤結李愛女流初段

全体進行と電子大盤解説の操作は勝又教授が担当。初手から解説です。
加藤結李愛女流初段が初めての聞き手ということで緊張されていましたが、高見泰地七段のリードはさすがでした。

何が凄かったといいますと、勝又教授の大盤操作はめちゃくちゃわかりやすかったです!午前中のオヤツの写真、両対局者のプロフィールや対戦成績PDFのご準備まで、対局者の手が止まったようの対策まで万全のご準備でした。

(マジで教授でした。大学でゼミがあったら第一志望出すわ!! こんなん)

●佐々木勇気七段と三枚堂達也七段

□出口若武六段の印象
三枚堂達也七段。優しい先生。三段リーグで関西将棋会館に遠征した、対局。対局後でも関西将棋会館を案内してくれた。
佐々木勇気七段。結婚してる人。幸せそうですね。

□藤井聡太叡王の印象
三枚堂達也七段。棋士になってからはそれほど話したことはないが、杉本先生の研究会でご一緒したというお話。
佐々木勇気七段。電車の話であれば話ができると思い話しかける。新幹線で一番どこが揺れないか、聞いた。でも忘れてしまった。

三枚堂達也七段のNHK相掛かり講座のお話。
解説はほぼ一発取り、最後慌てて、取り直して貰った。
ABEMAトーナメントのお話も少しされていました。今週、対局とのこと。

佐々木勇気七段
「ネタバレしないよう、何局目でるんですか?!」

三枚堂達也七段
「エエ?! 恐ろしいねぇ、誘導尋問!」


会場、大爆笑。

三枚堂達也七段
「チーム動画みましたよ。棒投げて、棒倒してイエーイってやつ」


佐々木勇気七段
「本戦用のチーム動画も撮るんですけれど、何やるか、チャレンジ系だとチーム糸谷……」

三枚堂達也七段
「ああ、ご挑戦?」


滝行の事かと、会場が笑みに包まれます。
アベトナはお互いにネタバレが怖いからと、途中で話題を変えられました。柏の話をしましょうよ、ということで柏トークへ。

三枚堂達也七段
「道場の屋上から紙飛行機飛ばしたことですね!」


三枚堂達也七段が嬉しそうに答えられます。当時は将棋連盟の認定より、柏の方が強かった。15戦の対戦カードのお話。

佐々木勇気七段
「ボコボコにされて黒しかないんです。それを石田師匠にみられるのがイヤで、駒台の下に隠したんですよ。平気で取るんですよ、師匠!」

会場、笑い。

佐々木勇気七段
「ついに15連敗ぐらいすると、盤の下に隠しました」


佐々木勇気七段と三枚堂達也七段の初手合いは香落ち。十手ぐらいではめられたとのこと。三枚堂達也七段のエレクトーンと習字の火曜日以外はお二人はほぼ通われていたとのこと。幼少期から、柏将棋センターで切磋琢磨されてきたエピソードをたくさん聞かせて頂きました。将棋だけで無く、柏将棋センターの屋上でペットボトル丸めて野球をしたお話も。

軽快なトークのふとした瞬間に、お二人が幼少期から一緒に過ごされてきたと思う一言が飛び交います。それはお互いの呼び方でした。

三枚堂達也七段
「ゆーきも、だよね」

佐々木勇気七段
「そうだっけ。たつ」


(なんという、自然体の大盤解説会! これが一門総出の大盤解説会ですか!?)

完全にABEMA解説などではみられない、リラックスしたお二人のトークでした。柏すごい。

●休憩

休憩ではありませんでした!!
恐らく、見届け人対応でこられていた中村太地先生がロビーに来られていました。写真撮影会が始まりました。すぐに行列が出来ます。そしてその横をにこにこされて歩かれる鈴木大介先生。

(心拍数やばい!!)

これ以上、心拍数があがるとまたApple Watchに咎められます。トイレに行って、戻ってくると違う行列が。

(ゆーき先生とたつ先生!!)

大変失礼しました。取り乱しました。。。
佐々木勇気七段と三枚堂達也七段とファンとの、スリーショット撮影会です。どれだけのファンサービスがこの会場で起こったのでしょうか。柏すごい。

●岡崎洋七段と門倉五段と加藤結李愛女流初段

ディープな柏トークでした。
柏将棋センターに私は行ったことはないのですが、その柏将棋センターが移転するまえの道場に通われていたのが、岡崎先生。
関東の将棋道場のお話は初めてお聞きするばっかりでした。

●抽選会

何も当たりませんでしたが、勝俣教授のPCのメモ帳の使い方が素敵でした。
三枚堂が二つで六枚堂など、高見泰地七段が三枚堂達也七段と楽しそうに合間を繋がれているのも凄かった、

●高見泰地七段と三枚堂達也七段と加藤結李愛女流初段

中盤から、終盤の入り口。
だんだんと対局者の指し手も早くなってきます。

高見泰地七段
「凄い手を思いついたんですけれど――で、どうですか? こんな手考えるので、嫌われるんですよ」

三枚堂達也七段
「これ嫌われますね!」

会場、爆笑。

●佐々木勇気七段と門倉啓太六段

緊迫した局面でした。
この当たりから、盤面に入り込んで行きました。
出口若武六段の秒読みが始まります。

佐々木勇気七段の読み筋は藤井聡太叡王の筋をかなり当てられていたと思います。

佐々木勇気七段
「ここで藤井さんは何分あるんですか?」

勝又清和七段
「7分ある」

佐々木勇気七段
「7分も、ある。ここで棋風でますよね。私だったら秒単位でチェスクロックでも粘るんですが、藤井さんはどっしりされる気がする」

門倉啓太六段
「私も刻みますね。そうしないところが藤井さんの凄いところ」


その通りでした。
そして最後のたたき合いが始まります。

●高見泰地七段と加藤結李愛女流初段

終局が近い――
勝又清和七段が、最後はメインのお二人を呼び込まれます。

一分将棋と一分将棋。

ここまでほぼ評価値を見ずに豪華な大盤解説会に導いて頂いてきました。後で見たのですが、とても緊迫した評価値が出ていたところ場面でした。

タイトル戦の思考のぶつかり合いを大型スクリーンの将棋盤で見ていました。読み筋と読み筋のぶつかり合い。緊張した手つきが続きます。藤井聡太叡王が残り一秒で指されたりと……苛烈な応酬が最終盤で繰り広げられます。

受けきって、攻めるのか、
攻めきって、決めるのか。

激しい将棋でした。
ざわつく会場が静かになります。

前のスクリーンで対局者を見ると、そこには大勝負の終わりが来たという感じさせる映像が流れていました。

藤井聡太叡王は、すっと盤面を静かに見つめられています。
出口若武六段は、髪を掻き上げて顔を瞑られます。
109手での終局。

●大盤解説会へ

両対局者が大盤解説会にお越しになりました。
大熱戦、大応酬の余韻で頭が回ってなかったのですが、出口若武六段が言葉を詰まらせたところで、ガツンと視界が戻ってきました。

出口若武六段
「また……頑張りたいと思います……」

そう声を絞って言われ、涙を拭われた姿に心を打たれました。

数十分前まで、均衡が取られていた将棋に劇的な結末がくる。
タイトル戦の番勝負。
14時から18時すぎまでの濃厚な時間。タイトル戦の密度の濃い、濃すぎるぶつかり合いを、大盤解説会で石田一門の先生方に解説頂いた時間は観る将にとって特別な時間になりました。

(藤井聡太叡王、防衛おめでとうございます! 出口若武六段、お疲れ様でした! 将棋って凄い凄い、そして怖い……! でも面白い!)

帰りのつくばエキスプレスでは符号がずっとずっと、頭に入ったままで、金が、銀が、あの角が!と思いながら乗っていました。
符号は、東京駅で白ワイン飲んだら全部忘れました。

●最後に

大盤解説会を開催して頂きましたこと、関係者の皆様に御礼申し上げます。とても、とても幸せで楽しい時間でした。柏、凄かったです。
将棋界、大。スキ!!

(了)

※誤字脱字など随時直していきます。ご参加されていた皆様。会話の順番、記憶違いなどあったら、申し訳ございません! 修正します! ドン!とご指摘くださいませ。
※レポート公開が遅くなって申し訳ございません。ここまでお読み頂きありがとうございました!!


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