見出し画像

代表作じゃない偏愛作

しんどいな。今年はしんどいこと多いし、SNSは特になんだかしんどいや。赤毛のアンの逆が簡単にできちゃうよね。「悪いこと探し」したくなくても見つかっちゃう。
芦原妃名子先生は『セクシー田中さん』は未読だけど『Piece』が好きだったと思い出して、ふと気づいた。話題作の前のちょっと地味な作品が好きなケースが多いことに。敢えてマイナー作を選んでる訳じゃないのに、なぜ私は代表作以外が好きなケースが多いんだ…。という訳で、それらを思いつく順に列挙してみる。代表作より後の発表の作品もあるかも。

芦原妃名子は『セクシー田中さん』は未読。『Piece』が好き(繊細かつスリリングで胸が軋む)


西炯子は『娚の一生』より『STAY』シリーズ(人間模様オムニバスっていいよね)


海野つなみは『逃げるは恥だが役に立つ』より『回転銀河』(人間模様オムニバスっていいよね Part2)


真鍋昌平は『闇金ウシジマくん』より『SMUGGLER』(と思うけど特に推しではない)


羽生生純は『恋の門』より『ワガランナァー』(大好き!偏愛!読んで!)


三宅乱丈は『イムリ』より『Pet』(これも偏愛。読むのしんどいけど)


山田芳裕は『へうげもの』より『しわあせ』(異論は認める。でも私はこれが好きすぎる。装丁は下段の昔のがカッコイイです。次点は『度胸星』)


大島弓子は『綿の国星』より『ダリアの帯』(『ロストハウス』『ロングロングケーキ』『金髪の草原』とかの時期の短編が好きです。装丁は大島弓子選集の羽良多平吉さんバージョンが神!)


楳図かずおは『漂流教室』より『わたしは真悟』(絶対に異論は認めない!文庫版などもあるけれど、祖父江慎さん装丁のシリーズが素晴らしい。次点は『14歳』)


つげ義春は『ねじ式』より『海辺の叙景』(これは悩むけどギリ海辺派)


藤子・F・不二雄は『ドラえもん』より『モジャ公』(SF短編集もいいけれど)


手塚治虫は『火の鳥』が最高傑作と思うけど、一番衝撃的で特別な想い入れがあるのは『きりひと讃歌』(『奇子』は偏愛で、ベタに『ばるぼら』も好きだけど)


上村一夫は『同棲時代』より『関東平野』(とてつもない傑作なので未読の方はぜひ)


榎本俊二は『えの素』より『GOLDEN LUCKY』(デビュー作なのではじめは読みづらいけどヒシヒシすごいし面白いし脱構築ポストモダンっすよ…最終回はとんでもない境地に辿り着いててひれ伏す)



とよ田みのるは『これ描いて死ね』より『金剛寺さんは面倒臭い』(愛!形式の解体しつつこんなに面白くできるって!最終回がまた良い!)


というとこまで思いつきました。まだまだありそうだな…
しりあがり寿は代表作どれだ?弥次喜多?ひげ?『方舟』と『ゲロゲロプースカ』と『そこはいきどまりだよ。』で悩む。
山本直樹は『BLUE』or『レッド』?『ありがとう』と『世界最後の日々』が好きだ。
山口貴由は『シグルイ』より『覚悟のススメ』のが好き。『劇光仮面』は受け入れ難い点(2巻)もあるけどスゴいから、シグルイ以降の作品では一番好きかも。
黄島点心は黄色いシリーズが素晴らしい(特に『黄色い悪夢』収録の「血に落ちる」が最高)なんだけど、『甘露に肩想い』の魅力もたまらん…
と、主旨変わってきたのでこの辺にします。

「好き」を語ってたら心が軽くなりました。でもなんだろね、なんだかな…
私はメディア展開は必ずしも原作に忠実である必要はないと思う。ただ、作品には「ここを外してはならない」という核があって、決してそこを蔑ろにしてはならないんだと思う。今後もし原作遵守が徹底されてしまったらつまらないと思う。他者にリビルドされることで原作とはまた違った魅力溢れる面白い作品になった例、今までもたくさんあるから。

トップ画像は写真家・植田正治の代表作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?