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小さな子どものすることを、許せなかった日々。

それはわたしが
まだまだ未熟だった頃。

2歳の子ども達を
朝から夕方まで追い回し
ああしてこうして
これはいけない、と
慌ただしく過ごす日々だった。

頼るべき人はいたけれど
頼れる人はいなかった。

わたしがなんとかせねばと
全てを肩に背負い込み
毎日ギリギリのところで
生きていた。



それまでのわたしは
自他共に認める
温厚な人間だった。

仕事仲間からも
「よくいつも笑顔でいられるね」
なんて言われたものである。

それが環境によって一変し
よくまあこんなに毎日毎日
怒り続けていられるなぁと
自分で自分に驚いたものだ。



わたしは時々
悲しくもなった。

泣き疲れて膝の横で眠る
小さな背中が不規則に揺れる。

何もそんなに
怒らなくても良かったなぁ
ごめんね、と

届いているかもわからない
懺悔をする。


それなのに
自分を見失いそうになる位
腹立たしくて仕方ない瞬間が
毎日のようにやってくるのだ。

限界寸前で
踏み留まっている身には
子どもの真っ直ぐな我が儘を
受け止めきれる余裕などない。

泣かれるだけだとわかっていても
大きな声で制してしまう。

そんな、繰り返しの日々。




あれから何年も経つのに
思い出すとつい
涙がこぼれそうになる。

決して褒められた話ではないけれど
あの時はそれが精一杯だった。



今まさに
同じような思いをしている人が
いるかもしれない。

それが
この文章を読んでいる
あなたであるなら


怒ってもいい、泣いたっていいよ
自分の心を守ってね。
そうしたら
子どもの心も一緒に守ることになるよ。



そんなふうに
伝えたい。




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