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白日夢(写真と詩歌物語)

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気になる詩歌・小説・随筆・言の葉に写真を添えて。
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#日記

ノイズ

古いAMラジオで聞く歌は、どこか哀しい。 雑音のまじる、ざらついた音。 途切れる、メロディ。 不確かな、コトバ。 明日を唄った歌にも、恋の歓びを唄った歌にも、 ノイズのような哀しみが、 ちりちりとまばらに混ざってる。 青い空の下に持ち出して、 AMラジオで歌を聴く。 高く明るい空までもが哀しく見えて、 ふいに、密やかに決意する。 生きなくちゃ。 明日も生きていかなくちゃ。 決意は、哀しみの中から生まれるのだ。 ノイズのような哀しみの中から。

いつからか

かくれんぼは、 見つけてもらうために 隠れる遊び。 息をひそめ、身をかたくして。 見つかるもんか、と隠れるのは、 見つけてくれると、信じているから。 鬼ごっこは、 つかまるために、逃げまわる。 息をはずませ、身をひるがえし。 必死になって逃げるのは、 かならずつかまると、知っているから。 大声あげて泣きさけぶのは、 よしよしと抱きしめてもらうため。 あたたかな胸に引き寄せて、 誰かがきっと、守ってくれる。 疑いもせずに、そう思うから。 いつのまにか、しなくなった。 か

フライパンで

フライパンで釘を打つのは難しい。 という今朝の夢を思い出したところで、思い出した。 ずっと前の「こどもの詩」(読売新聞 2019/10/16) 『2歳の弟』 弟はフライパンが好き お母さんが取れないように 高い所にかけておいても 台にのぼって取ってしまう そして 私たちの頭をたたきに来る!   茨城県ひたちなか市・高野小5年 諏訪萊叶(らいか) 夢より現実のほうが、よっぽどシュール!