🇫🇷フランス留学記〜ジェンダーレストイレについて考える〜

なんかずっとぼやいてばっかりだったのに急に社会的なトピック出すじゃん！と思った？わら

大学構内のジェンダーレストイレ

私が今留学で来ている大学には、ジェンダーレストイレが数箇所ある。全部グラウンドフロアにあって、amphithéâtreと呼ばれる大教室とかがあるエリアの近くにある。（全部の建物のトイレを確認したわけではないからもっと数があるかもわからないけど。）

大教室の隣にあるだけあって人通りも多いし、利用者の数もかなり多いと思う。入り口はドア二つ分くらい大きく空いていて、手洗い場が外からがっつり見える。手洗い場の奥に個室が6−7個くらい並んでいるという構造。
そのうちの一つは多目的トイレで、個室内に手を洗うシンクや手すり・便座がついていたり（普通のトイレは便座なし）、便座が少し高かったりしている。

個室の中は至って普通で、トイレットペーパーとゴミ箱が置いてある。日本の女子トイレだと、あのピンクのリボンのシールが蓋に貼ってあって手をかざすと自動で蓋が開くゴミ箱がよく置いてあると思うんだけど、そこは流石に外国なので女性用トイレにも普通の蓋なしゴミ箱しかありません。ジェンダーレストイレも一緒。でも結構サイズがデカくていいなと思う。パンパンになってるゴミ箱に捨てなきゃいけない時が生きてて一番嫌かもしれないから。

男性は個室内にゴミ箱があるのって違和感覚えるのかな？まあそれはともかく、男性も使う前提だからか気のせいなのかわからないけど、ゴミ箱に捨てられているものに明らかに血がついていたりとか中身がめっちゃ見えてたりとかっていうのはないな。意識的にたくさんトイレットペーパー使って包んでるのかな。

フランスはそもそも便座が付いてないからなんとも言えないんだけど、男女共用だからといって女性用と比べてめちゃくちゃ汚いということは全くない。いや女性用がそもそもあまり綺麗じゃないのかもしれない。でも男女共用と女性用で差があまりないっていうのは個人的に大きな発見だなと思う。よくジェンダーレストイレに関する議論で、男性が使うことで汚くなるから嫌だという意見を見かけるし私もそれに賛成していたけど、実際差がほぼないから成立しないことがわかった。ただあくまでフランスの、私の大学ではという話になるけど。

ただ、男女共用は汚くなるから嫌だという意見を完全に否定できないなとも思う。マックでバイトする中でトイレ掃除も何度もやったけど、やっぱり男性用トイレの方が特に便器周りの汚れがひどいなと常々思っていた。ちなみに、女性用トイレは手を洗うシンクに髪の毛がついていることが多いのが嫌でした。

あと、フランスでは女性用トイレには必ず無料の生理用品が置いてあるんだけど、ジェンダーレストイレにもちゃんとついていました。タンポンとナプキンが確かそれぞれ2種類置いてあった気がする。いつもナプキンは品切れしているけど。私の住んでいるCROUSのランドリールームにもついていたので、トイレだけではないのかも。初めて見た時めっちゃ先進国だな！？と思ってインスタの公開ストーリーにまで載せた笑。

噂のストーリー。
2種類ずつあるというのは、嘘だったかもしれない。

高校生の頃に思っていたこと

まだ私が高校生だった頃、と言っても2年前とかだけど、ICUでジェンダーレストイレを導入してみたという記事を読んだのをよく覚えている。
確かあれは試験的に導入したという内容だったような気がするけど、今調べてみたら本館のトイレをジェンダーレスに改修したという内容の記事しか出てこなかったので記憶違いかも。

記憶によれば実際に使ってみた学生からの意見がいくつか取り上げられていたと思うんだけど、男性も使うということを意識してしまって居心地が悪い、安心できないと思ったという女子学生の声とか、思っていたよりそんなに悪くなかったという声とかがあったそう。これを読んだ高校生の私は、ジェンダーレストイレは確かに安心できないだろうなと思った。なんでかはあまり覚えていないけど、トイレに入って個室が並んでいるところに男性がいるのを想像したらなんだか変な気分だなと思ったような気がする。

この記事からもう一つ記憶に強く残っていることがある。記事の中で学生の声が取り上げられていたけど、それに対する教授だか大学関係者だか記者だかの意見で、「口先だけで批判したり反対するのではなく学生自身が実際に利用してみた上でそれぞれ賛成なり反対なりの意見を言っているのが良い」みたいなことが書いてあった。これ、他のトピックにも当てはまるよね。実際にその場に行っていないのに批判をしたり、安全な場所にいながら批判をしたり。全てのケースで可能とは言えないけど、実際に経験してみる・自分の目で見てみるっていう努力を怠ってる人の声に、説得力はない。

歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレ

日本でジェンダーレストイレと言えば、数ヶ月前に話題になった歌舞伎町タワーが挙げられるよね。歌舞伎町タワーの目と鼻の先にあるビルで毎週バイトしていたのにスタバ以外は一度も中に入ってないし、ジェンダーレストイレを見てすらいない。

いや、いつか行こうとは思っていたんだけど、その時はちょうど日本で一番ホットな話題だったし、野次馬的な人がそのトイレ周辺にいるという噂を聞いたりしていて自分の身の安全が保証されないなと思って行かなかった。

あれはなんでダメだったんだろうな。ジェンダーレストイレというコンセプトが悪いわけではないし、大学なんかだとむしろ溶け込んでるのにな。まあまず一つにはメディアが持ち上げすぎたのがあると思う。確かにジェンダーレストイレって日本ではほとんどないから新しい商業施設にジェンダーレストイレを作るってなったら話題になるけど、まあ時代の流れ的に妥当だし、ああそうかで終わらせればいいんじゃないかと思った。

まあデザインも良くなかったという話もあるし、お酒も提供するような飲食店がある階に設置したというのもあるんだけど、それより歌舞伎町っていう街にそぐわなかったんじゃないかとも思う。

歌舞伎町って、とにかく民度が低い。まあ渋谷だって民度低いし、人がたくさん集まるような場所はどうしても低い民度の人の数は多くなる。そういう人がたくさんいたら悪さする人だっているし、野次馬精神なのか興味本位なのかでトイレをうろつくような人も出てくるよねと思う。歌舞伎町っていう街にgender equalityなんていう考えを持ち込んでも、それに対応できる民度がなければ失敗するよね。

逆にいうと、大学でジェンダーレストイレが溶け込めてる理由はそこにある。大学だって厳密に言えば誰だって敷地内に入れるし誰だってトイレを使えるけど、大学構内にいる人のほとんどはそれなりに常識も教養も理性もある大学関係者だから、トイレ利用者の民度は結構高い。もちろん数例、性犯罪者みたいなのはいるだろうけど。

個人的には、歌舞伎町ではジェンダーレストイレ使いたくないけど、大学では別に使ってもいいなと思ってる。大学ですれ違う人のほとんどは全く知らない他人なんだけど、それでも同じ大学に通ってるっていう共通点があるし、同じ大学の人ってことはある程度は信用できるから。

ここで純粋な疑問なんだけど、こういう意識って大学の偏差値とかで変わるのかな。私の大学はまあ普通にいい大学だけど、ガチFランとかだったら周りの学生のこと信用してないとかあるのかな。流石にないかな。今は外国にいるから同じ大学の学生とはいえ置き引きとかされるかもって思ってちょびっと警戒してるけど、そういう面では日本だったら完全信用してるしな。

てかこれって「ジェンダーレス」っていう名前がダメなんじゃね

ぐだぐだ色々考えてたけど、これジェンダーレストイレって言うより男女共用トイレって言われたほうが受け入れやすくない？

なんかジェンダーレスってカタカナで言われた途端ジェンダー問題を意識させられるというか、一気に社会問題を扱っている感じになる。いや、ジェンダーレストイレを作る目的はそこなんだけど、男女共用トイレがありますって言われたら、ああそうですかって思うし、いや〜うち男女共用しかないんすよ！って居酒屋で言われたらああそうですかって思う。

いやジェンダー問題では男女共用っていう表現自体がダメなのか。ジェンダー論とか全然通ってこなかったからあまりわかっていないです。でも日本なんか私みたいにあんまりgender equalityに熱心ではない人の方が多いと思うし、それこそ保守的なジェンダー観を持っている人も多いんだから、別にとりあえず男女共用トイレとか名前つけとけばいいのに。適切な表現を使うことが大事だ！って言う人の気持ちもわからなくはないけど、言語統制するのと誰でも使えるトイレ作るのどっちが大事なのかって言ったら後者じゃん。

おわり

まあつまり私は大学ではジェンダーレストイレ使いますよという話です。

あと、トイレの写真持ってなくて（別にジェンダーレスだからって写真わざわざ撮る必要なくない？と思って撮っていなかった。日本人の友達は撮ってたけど）、数日後くらいに写真貼り付けるかもしれないけど今投稿したくなったので、投稿します。

カバー写真：実家の犬　本当はイタリア旅行とかで撮った綺麗な景色にしようと思っていたんだけど、iPhoneからエアドロしたらJPEGになってないとかでアップロードできず、イライラしてこれにした。