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0.1BTCぐらい買ってみたくなる_『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』(大塚雄介 著、ディスカヴァートゥエンティワン)

必要に迫られ、仮想通貨について学んでいる。入門書として手に取ったのが『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』(大塚雄介 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。

昨年から、Facebookのタイムライン上で話題になっていた本だった。ざっと一読したところだが、良い本だと思う。ためになった個所、面白く感じたポイントを3つ挙げたいと思う。

①ビットコイン、ブロックチェーン、フィンテックの関係をわかりやすく示してあったこと

仮想通貨まわりの話になると、とかく初めて耳にする横文字が頻出する。そのため、不案内な人はそれだけで拒絶反応を示すのではないだろうか。私がそうだった。この本は、「はじめに」で仮想通貨を語るときに避けて通れないビットコイン、ブロックチェーン、フィンテックという3つの関係を図にしてある。この図を頭に入れて先を読むとわかりやすい。章立ても、この図の中心から外側に広がっていく流れで組み立ててあるため、先を読めば読むほど全体像が明らかになっていく気持ちよさがある。

②「ブロックチェーン」「マイニング」の仕組みがわかりやすく説明されていること

ビットコインを支えるのは、ブロックチェーンと呼ばれる技術である。ブロックチェーンは、世界中の全ての取引の一つひとつを、枝分かれのない一本の鎖状に繋いでいったデータのことだ。そのチェーンを世界中で承認するため、10分ごとにマイニング(採掘)と呼ばれる「レース」が行われている。レースに勝った人には12.5BTCが与えられる。レースの勝敗が決することで新しい取引が長大なチェーンの最後尾に追加される。なんておもしろい仕組みなの、と驚いた。「私はお金のことは詳しくないから」と今まで仮想通貨のことを知ろうとしなかったのがもったいない。マイニングを含む、このブロックチェーンの仕組みがあるからこそ、数年前までは怪しいものと思われていたビットコインが信用度を増し、国際通貨として浸透しつつあるのだと感じた。

③ビットコインが信用度を増した理由に「安全性」があったこと

知らないものに対しては、つい「怪しい」と思ってしまう。しかし、ビットコインはその世界を知らない人が抱くイメージとは裏腹に、ビットコインはその「安全性」によって信用度を高めてきたことが第3章でよくわかる。コピーや改ざんの可能性はないのか、盗まれる心配はないのか、送金中に抜き取られる心配はないのか、マネーロンダリングに利用される心配はないのかなど、多くの観点からの疑問に根拠をもって答えており、わかりやすい。

全体を通して、ですます調で書かれており、肝心なところだけグラフやイメージ図が掲載されている。そのため専門書というより、仮想通貨がテーマのビジネス書といったおもむきの本だ。入門書にぴったりの一冊だと思う。

まだ取引所のサイトを覗いただけだが、仕組みを理解するためにも、1BTCは無理でも0.1BTCぐらい買ってみようかと思うほどだ。