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放っておくと歯を失う原因に!歯周病について知り、口腔ケアや食事で予防しよう。

歯周病①

歯周病は加齢とともにかかりやすくなり、歯を失う原因としても知られている病気を指し、高齢者のお口のケアでむし歯以上に注意が必要です。
歯が痛くなってしまっては毎日の食事も苦痛になり、低栄養に繋がってしまう可能性があります。そうならないために、今回は歯周病とはどんな病気なのか?歯周病になった時の食事の注意点、予防法についてお伝えしていきます。


1)歯周病とは

歯周病は歯垢の中の細菌によって歯茎に炎症を引き起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく病気の事で、結果的に歯を失う原因となります
歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌がたまり、歯茎が赤くなったり腫れたりします。そして進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台が溶けて歯が動くようになり、最後は歯を抜かなければいけなくなってしまいます

人の口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいるといわれています。
これらは普段あまり悪い事をしませんが、歯磨きが十分でない・砂糖を過剰に摂取すると細菌がねばねばした物質を作りだし、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)といい、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢1㎎の中には10億個の細菌が住み着いていると言われ、その中でも歯周病を引き起こす細菌が存在する事が解明されています。
歯周病は痛みがほとんどないため気づくことが難しいので日頃のケアと健診が大切ですね。

2)歯周病になった時の食事の注意点

歯周病②

食べる事は健康な体を維持していくための源であり、大きな楽しみでもあります。歯周病や歯の痛みによってよく噛めない・飲み込みがうまくいかないなどさまざまな理由から食事がうまく食べられなくなることがあります。
そんな時は状態に合わせて食事の形を変え、自分の口で食べられるように工夫をする必要があります。

例えば、普段は常食を食べている方が「(歯周病やむし歯などで)今日は歯が痛いから食べられない」といった場合、あなたならどうしますか?

まず思いつくのは歯が痛くても噛みやすいようにご飯をおかゆに変更する、おかずを小さく刻んでもらう、飲み込みやすいようにとろみ剤をかけてもらうという手段ではないでしょうか。これらの方法は間違いではありませんが、もう一つ選択肢として知っておいてもらいたいのは「やわらか食」というものです。
見た目は常食と変わらないのですが、箸でも切れるほど柔らかく加工されているものや、口内でばらけにくく張り付きにくいという特徴を持っています。

何より見た目が常食と変わらないため、食欲の低下を防ぐことができます。
食事を安全に楽しんでもらうためにも食べる人に適した介護食を選ぶことを考えてみてくださいね。


3)予防に効果のある栄養素・食品

歯周病を予防するためにはもちろん毎日の口腔ケアが基本ですが、食べる物を工夫することでも予防効果は期待できます。

まずは食物繊維が多い野菜類。歯周病菌を減らすためにはよく噛んで唾液をたくさん出し、口内の浄化作用・殺菌作用を高める事が大切です。その中でも細菌に感染しないよう免疫力を高めるビタミンAやビタミンCが含まれるものが良いでしょう。食材で言うと、緑黄色野菜や果物がおすすめです。

歯を丈夫にするためには歯の材料であるカルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDが有効とされています。
特に高齢の方はカルシウムが不足しやすいので毎日の食事で魚介類や大豆製品、乳製品などを摂るようにできると良いですね。


4)まとめ

年齢を重ねてもおいしく食事を楽しむためには歯の健康が欠かせません。特に歯周病は高齢の方にとっては命に関わる病気に繋がる事も少なくありません。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防する事に繋がります。
高齢者の食事は健康の増進に欠かせないものです。食べる人の体調や食べる能力に合わせて選んでいきましょう。

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野口久美子(のぐちくみこ)
兵庫県生まれ神奈川県在住。
管理栄養士を取得した後、デイサービスと保育園の複合施設で献立作成や調理、食品メーカーでデザート開発を経験し独立。
現在はフリーランスとしてダイエットサポートやコラム執筆などで活動中です。趣味はスポーツで最近はキックボクシングにはまっています。

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