ごはんさんに またまた大活躍してもらった
9月24日(日)のこと。
朝、目が覚めると、カカオは足元でまだ すーすー眠っている。
しばらくベッドで ごろごろしてから起きる。カカオも起きてついてきた。ご飯をあげる。カカオが食べ終わるのを見届けてから、ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。そして、修一郎の朝食の用意をする。
修一郎のおやつの豆乳パンケーキを焼く。
今日は、ごはんさんが ”絵本deえがお美術館” に置いてある家具を運んでくれることになった。
絵本deえがお美術館を閉館した。
たくさんの人が来てくれて、絵を見てもらったり、ワークショップをしたり、お茶会をして楽しんだ。友人のこうちゃんがいつも大斜面の草を刈ってくれた。みんなに助けてもらって継続できていた。
でも、いろいろな理由で毎週通うのが難しくなった。
絵やこまごまとしたものは、もう自宅に運んでいる。大きなもの、重いものが残っていた。
大家さんで友人の あまんちゃんは「荷物片付けるのは、いつでもいいよ。ゆっくりでいいよ。手伝うよ。」と言ってくれている。彼女はものすごく親切な人なのだ。
閉館してから半年くらいそのままにしていたけれど、これ以上甘えることもできないので、今年中に荷物を全部出して きれいにしようと考えていた。大きなもの、重いものをどうしようかと思っていた。
ごはんさんに相談してみると、またまた快く運んでくれることになった。なんてお礼を言ったらいいのかわからない。
あれこれ用事をしているとお昼を過ぎた。また何も食べずに車に乗せてもらった。
しゅっぱーつ!
途中で鍵を忘れたことに気がつく。家に戻ってもらい、もういっかい
しゅっぱーつ!
何も食べていないことを言わなかったのだが、途中のコンビニで バナナとプリンを買ってくれた。車の中で食べる。ほっ。
日中は暑い。
元美術館に到着して、今日運んでもらいたいものを説明する。ごはんさんが てきぱきと、屋根裏部屋、2階から家具類を降ろしてくれて、1階にある いちばん重い まるいテーブルも運んでくれた。
いろいろな形の家具をパズルみたいにきっちりと車に詰めてくれる。素晴らしい。見ていてきもちがいい。
家に帰り着くころにはもう暗くなっていた。
懐中電灯を照らして、今度は車から荷物を降ろして仕事部屋に運んでもらう。
修一郎が起きていた。
「ごはんさん、すごいね。」とびっくりしている。
全部、運びこんでもらったあと、大きくなったウーちゃんとルーちゃんを見てもらう。
ウーちゃんは ごはんさんがプレゼントしてくれた。ルーちゃんは ごはんさんが見つけてウーパー救出大作戦を決行したご縁がある。
「わ〜、すごい!可愛い〜。大きくなってエラもフサフサで真っ赤ですね!」と、ごはんさん。
水槽の蓋を開けると、ルーちゃんが上ってきて水面に顔を近づけている。ごはんさんが ルーちゃんの頭を そっと ”よしよし” している。
しばらくウーちゃんとルーちゃんを眺めながら、エサのやり方とか、水草のこととかについて話す。
「やばい、ずっと見ててしまいますね〜。」と言って、ごはんさんが笑った。
「でしょ〜。」と、私。
そこへ、カカオが帰ってきた。
先日の日記にも書いているが、カカオは警戒心が強い。私と修一郎、カカオにおやつをくれるバナナさんと、クロちゃんといっしょにいるとカカオの分のご飯もくれるOさんご夫妻以外の人に触らせることはない。
修一郎だって、ときどき歯形がつくくらい噛まれるのだ。Oさんもカカオの頭をなでるのに1年くらいかかって、今でも たまに頭を触れるくらいだと言っていた。
わが家に何度も来てくれている友人にも触らせることはない。ちょっと離れたところから見ているだけ。
そのカカオが、ごはんさんのそばに じっと座っている。ごはんさんが動いても逃げない。ごはんさんが「カカオ。」と呼んで手を伸ばした。カカオはじっとしている。そして、ごはんさんがカカオのあごや首のまわりを撫ではじめた。カカオはきもちよさそうにしている。びっくりした。ゴロゴロ喉を鳴らしはじめた。ますますびっくりだ。
「噛むかもしれない。」と言うと、
「噛んでもいいよ。」と、ごはんさんが言った。
わずかな甘噛みを一回しただけで、そのあとは ずっときもちよさそうにゴロゴロ喉を鳴らしていた。完全にリラックスしている。
こんなことは初めてだったので本当にびっくりした。
仕事部屋に戻り、修一郎に話すと、修一郎もとてもびっくりしていた。
修一郎と ごはんさんがおしゃべり。正確には、修一郎の話に ごはんさんが耳を傾けている。といった感じ。
少し離れたところに座っていた私は、何度も聞いたことのある話だったので、ちょっと退屈して、電気の紐にぶらさげている小鳥のぬいぐるみを頭で揺らしたり、双眼鏡ごっこをしていた。
ごはんさんが「そろそろ帰ります。」と言った。9時半だった。
修一郎が「気をつけて。」と言った。
「隣ですから。」と言って、みんな笑った。
表まで見送る。
夜空に星がたくさん輝いていた。
「今日、星がたくさん出ててきれいだね。」と言うと、
「ふっくらした半月も大きくてきれいですよ。」と、ごはんさんが言った。
「おぼろ月だね。」と私。
ごはんさんが夜空を指さして、
「夜明け前に外に出ると、あの方向にオリオン座が見えますよ。」と言った。
そして、ちがう方向を指さして、
「あっちにカシオペア座も見えます。」と言った。
「それから、アンドロメダ銀河。」
アンドロメダ銀河は、去年、ごはんさんに目視できると聞いて、2回見たことがある。あまりの美しさに感動して、幸せすぎて泣きそうになった。ずっとずっと見ていたかった。
そのころ、
「星までの距離とか宇宙の広さとか想ったら、みんな小さくて、悩みとかほんとに小さく感じますよね。」
「うん、ふっとんじゃうね、ロマンがあるよね、神秘的で壮大だよね。」と話したことを思いだした。
夜空を見ているうちに、半月が輝いているにもかかわらず、どんどん星が増えていった。
「星が増えてきましたね。」と、ごはんさん。
「そうなのよね、見てるとどんどん増えてくるから不思議。」と、私。
夜の涼しく澄んだ空気がきもちいい。
「今日は本当にありがとう。」と言って手を合わせた。ありがたくて拝んでいる。
「いえ。じゃ、また。」と言って、ごはんさんが片手をあげた。
カカオは遊びに出かけたようだ。
仕事部屋に戻り、ごはんさんが ひとりで軽々と持っているように見えたテーブルを持ちあげようとしてみた。1mmも上がらなかった。すごい。こんなに重いテーブルを ひとりで持ちあげて、出しずらいドアから出し、車に乗せ、また降ろして運んでくれたんだ。
もう一回、拝んだ。
今日もいい一日だった。
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