月もあなたを見ているよ
10月27日(金)
ピンポーン。
今日もチャイムの音で目が覚める。
ピンポーン。
むくっと起きてエプロンをかぶり、よろよろっと玄関へ。
翌日の服を着て寝ると、こういうときにも ばっちりだ。
「は〜い!」
ガラッと引き戸を開けると、宅配便のKさんが大きな荷物を持って立っている。
「おはよう〜。」と、私。
「わっ、めっちゃ寝起きや。」と、Kさん。
「えへへ、お仕事してるときに寝ててごめんね。」と、私。
「起こしてすんません。」と、Kさんも笑った。
大きな箱なので玄関の中に入れてもらう。これはルーちゃんの水槽だ。箱を置いて、
「またなんか飼うんすか?」とKさん。
ルーちゃんのこと言ってなかったな。と思いながら、
「ウーパーの2匹目が大きくなってきたから。」と、私。
「増えとう…。」と、Kさん。
カカオにご飯をあげる。
修一郎の食事を用意する。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。
今夜、浄水をたくさん汲み置きしておいて、明日ルーちゃんの水槽を大きなものに変えよう。と思う。またルーちゃんが、慣れるまで ぎこちなくなるんだろうな。
コープさんが来る。先週注文しておいた りんごのトキが箱入りで届く。うふふ。
次はグリーンコープさんの元気カーが来る。
買い物かごを持って外に出る。ぽかぽかだ。
ごはんさんが車の中のお掃除をしていた。少しおしゃべりして元気カーに向かう。
グリーンコープの はなおさんの額に汗がきらめいている。
「極暖、着てないですよね?」と私。
去年、暖かい冬の始まりの日に はなおさんは極暖を着てきて、汗をぽたぽた流していたのだ。
「それが着てきちゃったんですよ〜、極暖。」と言って、ひゃひゃひゃと笑った。
家に戻り庭仕事。
水を撒く。何度も何度もシャワーに小さな虹がかかる。美しくてうっとり。枯れた草をとってゆく。りんごの木の様子を見る。すくすく育っている。よし。
今日届いていた契約書に目を通す。書くのは明日にしよう。
夕食の支度をしてお散歩に行く。
水色の空に、ふわふわに泡立てた生クリームみたいな大きな雲が、オレンジ色とピンク色に輝いている。その隣に白くて まるい月が ぽっかり浮かんでいた。
なんてきれいなんだろう。
ネパールで、高くて広い空に まるくてきれいな月を見たとき、流れ星が何個も流れていった。
日本でもネパールでも同じ月を見ている。ということがとても不思議に感じられた。そのことを話すと、友人のキャロルが
「月もあなたを見ているよ。みる。」と言ったことを思いだした。
ロマンティックなこと言うな〜と感心したものだ。そして、とても素敵なこと言うなぁと思った。
帰り道、石屋のTさんに会った。おしゃべり。
新しい仕事の話になる。Tさんが胸に手を当てて喜んでくれた。何度も何度も「うれしい。」と、自分のことのように喜んでくれる。そして、
「私、お母さんみたいになってるね。」と言って笑った。
歳は私と同じくらいなんだけど。
みんな優しいなぁと感動した。じーん。
ごはんさんもKUさんも友人たちも家族もみんなとても喜んでくれた。
ごはんさんが
「みるさん、ほんと忙しくなったら、オレ買い物行くときに りんごとか焼き芋とか買ってきますよ。」と言ってくれたことを思いだした。
こういうとき、本当に、何も自分ひとりでしていないんだっていうことが分かる。
家に帰ると修一郎が起きていた。
夕食後、「今年の絵本の印刷完成が遅れます。」というお知らせの葉書を作る。お知らせの葉書だけれど、とても可愛くできた。
印刷会社さんに入稿する前に、文字のまちがいなどを校正してもらうために、まりこりんにメールで送る。
片付けをしてから明日のルーちゃんのお引越しのために浄水をたっぷり汲み置きする。
夜、庭に出る。
風が強い。雲が流れるのが速い。夕方白かった月がカナリア色になっている。
雲のないところが、夜空に空いた穴のように見える。すいこまれそうだ。風に揺れる木の葉のザザザっという音が聞こえる。
空に両手をあげて「おやすみ。」と言う。
カカオは遊びに出かけた。
今日もいい一日だった。
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