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メロンの日
6月25日(火)
朝、とても早く目が覚める。私にしては。少しだけ ごろごろして、むくりと起きあがる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
雨が降っている。雨の粒が小さくて音が優しい。クローバー畑が潤っている。
カカオにご飯をあげる。ミルクとちゅ〜るもあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。大きくなったなぁ。
修一郎の食事を用意しておく。
メールを開くと絵本の発注書が届いていた。100冊の注文。
机の上に絵本とポストカードを積んで、ポストカードといっしょに 1冊ずつOPP袋に入れてゆく。もくもく。
別の小包も作る。今日はずっと荷物の梱包をしている。
夕食の支度をする。
夕方、ごはんさんとお買い物に行く。まずクロネコヤマトさんで小包を出す。
そして、大きなスーパーマーケットに行く。
「うわっあのメロン見て!みるさん。」と、ごはんさんが言った。
キョロキョロする。メロンが並んでいた。そのメロンの茎が30cmくらい真上にスッと伸びていた。すごい。こんなの初めて見た。アンテナが立っているのか、オバケのQ太郎みたいだ。3本じゃなくて1本だけど。毛じゃないけど。
「すごいね!おもしろい!なんかいいね!」
「あんなの初めて見たね!」と、ふたりで興奮する。
吸い寄せられるようにメロン売り場に行く。何個も一列にお行儀よく並んでいる。ぜんぶ茎が長い。じっと見て笑う。何かと交信しているみたいだ。愛嬌がある。
隣に並んでいるメロンはスイカみたいな模様が入っていた。「珍しいね〜。」と話す。下には半分にカットされたメロンがあった。「半分だとお得だね。」と、話す。
私はアレルギーでメロンも食べれない。ごはんさんは元々あまりメロンを食べない。眺めて楽しんで野菜売り場へ行く。
今日のテーマソングはオバケのQ太郎になった。
♪あのね、Q太郎はね〜♪ と、ごはんさん。
♪オバケのQ太郎はねっ♪ と、合いの手を入れる私。
野菜売り場に行くと、ホワイトコーンがあった。見本として少し皮を剥いてあるコーンの白い実が輝いている。なんか歯みたいだ。カゴに入れる。ごはんさんもカゴに入れた。
店内を ぐるっと回る。
おいしそうなタルトがあった。クリームの上に まるく美しいシャインマスカットが乗っていた。ブルーベリーが乗っているタルトもあった。
「どっちがいいと思う?」と、ごはんさんが聞いた。
「シャインマスカット。」と、私。ブルーベリーは食べれないけれどシャインマスカットは少しだと食べれる。あとで 2粒くらい分けてもらおうと思ったのだ。
ごはんさんがシャインマスカットの方をカゴに入れてくれた。やった。
家に帰り着く。車から降りて、
「さっきのタルトのシャインマスカットを2粒ちょうだい。」と、言う。
「お。みるさん、うれしいこと言うね〜。10粒でも ぜんぶでもいいよ。」と、ごはんさんが笑顔で言ってくれた。
フタを開けようとして(人のを先に)ふと貼ってあるシールを見た。はっとした。そこには ”メロンタルト” と書いてあったのだ。メロン…。手がふるえた。
「ごはんさん!これシャインマスカットじゃない!メロンだ!」と、私。
「メロンを…メロンを まるく くり抜いているんだよ!」と、続けた。
「あー。みるさん食べれんね。」と、落ち着いている ごはんさん。
「きっと今日はメロンの日だったんだね。あの素敵なメロンの茎で楽しんだし、メロン食べるといいってことだったんだね。」
自分のうっかりを正当化しているような気もするが、そういうこともあるし物事はいいふうに取ったほうが きぶんがいい。
「プラス思考。いいね。」と、ごはんさんが にこっとした。
家に入る。
カカオが待っていた。夕方のご飯とミルクをあげる。
ウーちゃんとルーちゃんの水槽の水を換える。
荷物の梱包の続き。
夜、庭に出る。
雨が降っている。ナメクジが這った跡が何本も玄関灯に照らされてキラキラ輝いている。手を伸ばして雨に触れる。きもちがいい。クローバーたちは ごっくんごっくん雨水を飲んでいることだろう。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
カカオは遊びに出かけた。
今日もいい一日だった。
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