見出し画像

助手席に乗って

9月6日(水)のこと。
朝起きてウーちゃんとルーちゃんにエサをあげて水を換える。そのあと お水をコップ 1杯飲んで庭仕事。カカオがついてきた。枯れた草を取っているとカカオが ベッタリとくっついてくる。移動するとついてきて、また ベッタリ。

お隣の きゅうりさんが通りかかる。

「みるちゃん、朝からがんばりよんね。ぼつぼつね。」と声をかけてくれた。

「は〜い。」と私。

「クローバーって枯れるんやろか?」と、きゅうりさんが言った。

「う〜ん。どうかな、枯れては新しい芽がでる。の繰り返しじゃないかな。」と私。

花火を買いに行く。あった。でも、なんか「ロケット」とか、「手で持たない」とか書いている。ちょっとコワイ。私は線香花火みたいなのがよかった。ぐるぐる回って探すと「なごみの線香花火」と書かれている花火セットをみつけた。

「こ、これだ!」と、トキメキながらその花火を手に取った。その横に、小さなブリキの入れ物に入ったピンク色のキャンドルをみつけた。「虫除けキャンドル」と書いてある。可愛いキャンドルで虫除けもできるなんて素敵だ。カゴに入れる。

家に帰り、絵本のラフを描いていると電話が鳴った。ぷりんさんからだ。電話に出ると、

「みるさん、時間ありますか?」と、ぷりんさんの声。

「どうしたの?」と私。

話を聞くと、チャイさんが県外に出張しているということ。3週間後に帰ってくるらしい。買い物に行きたいけれど免許を取ったばかりで一人では不安。いっしょに行ってほしい。ということだった。「もちろんいいよ。」と返事をした。

ぷりんさんのお家に てくてく歩いていく。ふたりでチャイさんの大きな車に乗り込む。私は助手席。ぷりんさんがシートベルトを閉めてフーッと大きく息を吐く。そして、こちらを向いて

「みるさん、音楽好き?」と言った。

「うん、好きだよ。」と答えると、ぷりんさんが笑顔になって、

「最近、日本の曲が好き。」と言ってスマホを操作した。

♪Your are always gonna be my love ♪♪

と流れてきた。

「宇多田ヒカルさん好きなの?」と聞くと、

「一番好き。チャイも。」と笑顔になった。そして、

「しゅっぱーつ!!」と、ふたりで大きな声で言った。

慎重に運転する ぷりんさん。

「パーキング苦手。でも、誰かが横に乗ってくれてたら大丈夫って思える。」と、ぷりんさんが言った。その気持ち、ものすごく分かる。

東京で暮らしていた頃、車の免許を取った。でも東京で運転することはなかった。福岡に引っ越してくると、ここは車が必要な地域だった。修一郎は免許を持っていない。修一郎の両親は高齢だ。私だけ車を運転することができる。でも、実際に乗ったことは無かった。なので、引っ越してきてすぐ実家に帰り、1週間 父に助手席に乗ってもらって運転の練習をした。そして、福岡に戻った。

無事に大型スーパーマーケットに到着した。あとは駐車場に車を入れるだけだ。入り口から遠い はじっこに停めることにした。何度も挑戦して無事に駐車できた。「やったー!」とふたりで抱きあった。

ぷりんさんが果物や野菜をカゴに入れてゆく。ジュースもたくさん入れた。私にソルティライチを買ってくれた。

10月のバーベキューの話をする。

「チャイといっしょに参加する!」と、とても喜んでくれた。よかった。

家に帰りつき、ラフの続きに戻る。

夕方、お花たちに水をあげようと庭に出ると、ごはんさんが帰っていた。バーベキューの話をする。花火と虫除けキャンドルも見せた。

「これ、花火に火をつける種火にもなりますよ。」と ごはんさんが言った。

なんて素敵なんだろうと思った。可愛くて、虫除けになって、種火にもなる…。きゅん。

そして、ごはんさんのバーベキューコンロも「もちろん。」と言って出してくれることになった。

9月になったので、以前もらった でんでんむしの植木鉢に、多肉植物を植え替えることができるようになった。どの桃美人をもらうか吟味していると、レモンさんがワンちゃんのお散歩で通りかかった。

「雨が降ったからクローバーの緑色が濃くなったね。」と言ってくれた。そして、

「冬になったら枯れるやろか?」と言った。朝のデジャヴのようだ。

あれこれ迷いながら、小さめの桃美人ふたつを選んだ。植え替えの仕方を教えてもらう。近いうちに植え替えよう。

水をあげたあと、シャワーホースを元に戻していると、バナナさんのお兄さんパジャマさんが通りかかった。

「パジャマさん、私、ホース買ったんです。」と自慢した。

家に戻ると、修一郎が起きてきた。夕食の仕上げをする。私は あまりおなかが空いていなかったので焼き芋とミルクにした。

後片付けをして絵本のラフに戻る。

夜、庭に出る。涼しくてきもちがいい。少し星が見える。家の灯りに ほっとする。

明日、また ごはんさんが木を運んでくれることになっている。毎日お世話になっている。木が思っていたより たくさんあったなぁと思う。

今日もいい一日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?