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デリカシーのない人がデリカシーのない人向けにデリカシーについて実例を交えて解説してみた

「デリカシーがない」は「空気が読めない」や「自分勝手、わがまま」などの表現をされることもありますが、人間関係においてもっとも嫌われる特徴のひとつです。

下ネタを言ったりや他人の家庭事情、経済事情を詮索したりすることはわかりやすいデリカシーがない行為であり、常識的に考えてわかりやすく指摘もしてもらいやすいので、問題ないのですが、

問題は、話題としては普通だし、内容もポジティブで自分が言われても気にもしないけれど、相手からしたらデリカシーがなく不快と思われるものがあるということです。

しかし、そんなことで不快に感じた自分の内面をひっそりと恥じているのともあるし、

また、そもそもデリカシーがある人はデリカシーがあるゆえに不快に感じたことも、その理由も絶対に言いません。

そのため、デリカシーがない人にとって学ぶ機会がとても少なく、何が問題だったのか反省しようにもヒントが少なすぎるので、いつまでたっても改善することができません。これがデリカシーの難しいところです。

私はデリカシーはないですが、相手の反応でまずいことを言ったということ自体には(時すでに遅しではありますが)気がつけるので、その後反省会を重ねたり、気の置けないひとに意見を聞いたりして改善をしてきました。

以下実例をあげてデリカシーとは何か、どのように気をつけたらいいかを解説していきたいと思います。

なお、実例は私が実際に人が言ってるのを聞いてこれはやばいと判断したものや、私が人に言って人間関係にトラブルを発生させたものになりますので、ぜひ、相手の心情や対応方法を考えながら読んでみてください。

レベル1
歓迎ムードの舅が新婚の嫁に笑顔で言った発言(かっこがきは嫁から見た関係性)
「ぼくは毎日仏壇に座って先祖によろしくと祈っているよ。まずはぼく(舅)とお母さん(姑)、それから自分の子ども(夫)、そしてあなた(自分)の順番なんだよ。」

【解説】
舅の方は嫁を歓迎する気持ちで言っているのですが、これを言われたお嫁さんはどう思うでしょうか。自分の順番が最後なのは関係性として当然だけど、それを嫁に直接言うのはどういう意図なんだろうと思い、「お前のことは数には入れてはいるが優先しないぞ」というメッセージだと受け取ってしまう可能性があります。

ちなみにこれは嫁が私なんですが、デリカシーのない私でもこれは相当だぞと思ったものの、なけなしのデリカシーが発動して、舅に指摘することができなかったというハイレベルなでものでした。

【対応策】
順番という事実ではあるかもしれないけれどもわざわざ伝える必要のないことは言わない。「もちろん家族であるあなたのことも含めて先祖にお願いしているんだ」だけで良かったと思います。

これは簡単でしたね。舅の発言を聞いて、え!そんなこと言って大丈夫なの?!とヒヤッとしたはずです。その感覚を大事にしていきたいです。

レベル2
会社の同僚女性3人でランチを食べながらした会話
女性A: 肥満体型、女性B:ふくよか、女性C:普通

女性B:(からあげ定食を食べながら)「最近太ってきたからやせたーい。」

女性A:(同じメニュー食べながら)「わたしもー!もうすぐ夏だしね。ごはん少なめにしなきゃ。」

女性C: (焼き魚定食を食べながら)「ごはん少なめにするのもいいけど、やっぱり運動だと思う!私ジムに行き出したら6キロ痩せたんだ!プロテインとかで栄養とりつつ、摂取カロリーを消費カロリーが上まわるように運動することを心がけて、筋肉つけて代謝をあげるといいみたい。一緒にがんばろう!」

【解説】
デリカシーのない発言は当然女性Cの発言です。ちなみにこれは私の発言で、この後女性AとBから一方的に嫌われました。当時は原因不明でしたが、後からいろいろ振り返ってみてこの問題発言に思い当たりました。

女性AとBは、からあげ定食を食べているのですから、痩せる気なんて微塵もないのです。例えるなら宝くじ当たらないかなーと同じような感じで痩せたいと言っているのです。

この会話で女性Bが求めていることは、もちろん痩せるための実践的な方法ではありません。最近太ってきてダイエットした方がいいかなという危機感で心が乱れたので、お互い痩せる努力をしないことを確認して、このままの体型と生活を維持していいんだと安心したいということだったのです。

それに対する女性Cの発言は全くニーズに合っていないどころか、ダイエットした方がいいのかなという危機感を煽って余計に不安な気持ちにさせています。最低ですね。

ちなみにどういう意図で私がこのような発言をしたかというと、本当に痩せる方法がわからないんだと素直に思って、100%善意でお役立ち情報を伝えつつ、励ましたのです。
(ほんとバカ。。当時の自分を殴りたい。)

【対応策】
正解は沈黙 です。

ここで注目してほしいのは3人の女性の体型です。女性Cだけが普通体型ですね。ここでBはこの会話によって、Aよりは細いという現状が維持され、Aが自分を出し抜いて一定以上細くなるおそれがないことを確認することで心の安定を図ろうとしています。

普通体型のCがいくら何を言ったところで、全てがBの心を乱す原因となるので、静かにしていなければならないのです。

いかがでしたか?女性Cの発言に対して、うわー!そうじゃないよ!ダメだよ!という気持ちでいっぱいになりましたか?それでは、次にいきましょう。

レベル3
高校の休み時間に好きな芸能人について女子2人が話をしている場面

女子1: わたしジャニーズのXくんがすき!ほんとかっこいい!(インタビューが載ってる雑誌を買い集めている)

女子2: そうなんだ!Xくんのどういうところが好きなの?雑誌ってけっこう高いのに買い集めるなんて本当に好きなんだね!いいね!

女子1: え、、どこって全部だよ!だってかっこいいじゃん!雑誌は他にも読むとこあるし。2はだれがすきなの?

女子2:私はB'zの稲葉さんがすきだよ。

女子1: えーなんかB'zって歌詞とか変じゃない?あと短パンのイメージ。

女子2:そうそう!歌詞がさーだっさいんだよ笑 でもあんな歌詞で短パンなのにすごいかっこいいから稲葉さんはほんとにかっこいいと思うんだよね。Xくんは歌とかダンスうまいの?

女子1: あ、いや、べつにそんなでもないけど。

【解説】
女子1はすっかりテンションが下がってしまいましたね。もちろん、女子2のデリカシーのない発言のせいです。

基本的に人間は、自分の好きなものについて肯定的な反応がもらえないと自分自身が否定されたように感じるいきものです。

特に女性だとその傾向が顕著で、思春期の女子の場合は好きなものに対するテンションや熱量が相手も同じ程度でないと傷つき、拒絶されていると感じることもあるようです。

女子1はXくんの魅力について売り込みたいわけではなく、単純に自分がXくんのかっこよさにテンションがあがっており、だいすきという気持ちが溢れていることを友達に共感してもらいたかったのです。

それに対する女子2の回答は最初の発言で三段攻撃のように女子1を追い詰め、それに対する女子2の反撃をきれいなカウンターで叩きのめしています。ほんと最低です。

まず、Xくんがかっこいいということについて共感を示していない(攻撃1)、次に特に根拠や理由がなく感覚的に感じているXくんのかっこよさを言語化することを要求している(攻撃2)、さらにわざわざ雑誌を購入していることに対する無理解を示している(攻撃3)

女子1の脳内での女子2の発言の解釈を見てみましょう。

女子2: そうなんだ!Xくんのどういうところが好きなの?雑誌ってけっこう高いのに買い集めるなんて本当に好きなんだね!いいね!

(どこがかっこいいのかわからない。そんなのにわざわざたくさんお金使ってバカじゃないの?理解に苦しむ)

そのあと、怒った女子1は女子2が好きなものに共感しないことで女子2を傷付けようとしますが、気にもされないどころか、Xくんの具体的な魅力や特技(しかも大御所のB'zの話をされた後に)を深掘りされるという形で返り討ちにあってしまったのです。

攻撃1だけでもかなりのダメージを与えているのにも関わらず、この連続攻撃はエグい。

ちなみにこれは女子2が私なんですが、女子1には口を聞いてもらえなくなり、グループからハブられてしまいました。さすがにこの会話のあとに女子1のテンションが下がってしまったので、まずいことを言ったとは思いましたが、当時の私には何がダメだったのかもわからず、かなり悩みました。

私は、Xくんの魅力が理解できてなかったので、大切な友達の好きなものをちゃんと理解したいと思うあまり、自分もXくんが好きになりたくて魅力を教えて欲しくて、どこがいいのかわからないという疑問を素直にぶつけてしまったのでした。

私のことを友達だと思っていたのに酷いことを言われて当時の女子1は本当に傷ついたと思います。あの頃に戻れるならデリカシーのない自分を殴って謝りたいです。許してはもらえないかもしれないけれど。

【対応策】
友達として、ほんとだ!かっこいい!とテンションをあげ、共感を示す。

女子1も友達にファンになることを押し付けたいわけではありません。ただ、かっこいい!と舞い上がった自分の気持ちを友達に受け止めてほしかっただけなのです。

そこを理解して、Xくんはこの子自身だという認識でやさしく受け止めることがマナーだと思います。

なんでも言語化して議論することがコミュニケーションだと思っている男性も陥りがちなミスではないでしょうか。

レベル4
同僚女性DとEのランチの会話
女性D「T課長がまた今日もひどかったの。この前もこういう感じで仕事がすすまなくて、私がこうやってフォローしてたいへんだった。ほんとストレス。T課長ってそういうところあるから。私がいつもフォローしてるの。」

女性E「それはひどいね!ほんとにひどい!ストレス溜めすぎる前に異動したりとかして身を守ってね。」

女性D「ありがとう。T課長ってこの前も勝手におすすめの本とかメールしてきて、読んだか私に確認してきたりしてほんとうっとうしいの。」

女性E「そうなんだ。私もこの前その本紹介されたよ。一応読んで感想いったけど。業務時間中に読んだか確認されるのは迷惑だね。それもストレスになるようだったら人事にいってもいいかもね。」

女性D「うん。この前もね、いらないって言ってるのに野菜買ってきてそれを食べた方がいいとかいわれたの。」

女性E「あー!それ私ももらった。なんか畑をやってる親戚から大量にもらったらしいよね。」

女性D「えーEさんて部署違うのにT課長に気に入られてるね。」

女性E「いやー気に入られてないと思うよ。みんなに配ってるみたいだったし。世間話程度しかしないもん。」

女性D「でもT課長といい、Mさんといい、うちの会社って変な人多いよね。」

女性E「そうだね。Mさんも変だよね。この前唐突にどうでもいいことでからまれてびっくりしたよ。」

女性D「Eさんてほんと変な人ばっかりにモテるよね!!私もう行くね!」

【解説】
いかがでしたでしょうか。女性Eに愚痴を聞いてもらっていたはずの女性Dはなぜ怒ってしまったのでしょうか?

ここで女性Eの受け答えに対する女性Dの発言を注意深く見てみてください。そうです。話が噛み合っていませんね。

女性Eは単純な仕事上の愚痴としてとらえて何らかのアクションを促しているのに対して、女性Dはそれには応じず、T課長との業務外に近い関わりの話に変えています。これがヒントでした。

つまり、女性DはT課長が気になっており、自分が女房のつもりでダンナのグチ(という名のノロケ)を女性Eに話していたんですね。

さらにそのノロケを女性Eに話すことで、女性Eを牽制し、T課長との距離を取らせたかったものと思われます。

ところが、女性EはダンナであるT課長のことを本気で悪く言い、T課長との関わりが一定あることを認め、女性Dが自分がT課長にとって特別だと思ったエピソードを台無しにしたわけです。

ちなみにこれも女性Eは私ですが、このあと女性Dには激しく嫌われてしまいましたが、まるで意味がわからず、このやりとりがなぜだめだったのか分析するのにかなり時間がかかりました。

この案件については、女性DもT課長も既婚者であり、T課長の問題行動が本当に問題であったことなどの理由で気づかなかったのは仕方なかったと思います。

が、オツボネキャラの独身女性がこのようなグチを吐くことはわりと一般的で注意が必要なことと。世の女性のダンナのグチをきくときの心構えとしては大変参考になったので取り上げました。

【対応策】
余計なコメントはせずにひたすら話を聞く。

いくらグチを言っていても家族の悪口は他人に言われると腹が立つものです。例えるなら、親の悪口がいくらその通りでも「私が言うのはいいけど他人に言われたくない」と思うのと似ています。

でも、されたこと自体はひどいことで怒っているのも事実なのでその気持ちは共感してほしいと思っているという非常に繊細な状態なのです。

そのため、なんだかんだ好きなんでしょとか、優しいところもあるじゃんとか、そういうコメントもデリカシーがなくうつります。

また、話が落ち着く前に自分のダンナの話をするのもダメです。話をふられても話してはダメです。

特に女性にありがちですが、自分ばっかり話していると居心地が悪く感じるため、相手の話を聞く気がなくても、そっちはどう?と話を振ってくることがあります。

この場合は、当たり障りない話をしてすぐに話を戻すのが正解ですが、ここで気をつけなければならないのは、相手のダンナより自分のダンナが優れている話も相手の旦那より自分のダンナがひどいという話もしてはいけないのです。

優れている話をされると自分が惨めに感じ、自分よりひどい話をされると大したことないことで騒いでいる自分が恥ずかしくなり、それ以上話ができなくなるためです。特に怒っている女心はとても繊細なのです。

当たり障りない話の戻し方の実例もあげてみます。

例えば、ありがちな話として、ダンナがぜんぜん家事をしてくれない。自分が寝込んだら食器洗いを放置されたというグチを聞いていた場合は、

A えーひどい。その時くらい洗ってくれてもいいのにね。

B そっちのだんなさんは?

A うちも家事はほとんどやってくれないなぁ。それで寝込んだ時はごはんはどうしたの?

B そうそう。それがひどくてさー、、

というような感じです。

長くなりましたが、実例は終わりにしようと思います。

私自身、理由がわからず嫌われてしまった経験でそれなりに傷ついてきましたのが、私のデリカシーのなさで傷つけてしまった人たちには本当に申し訳ないと思っています。

こういう繊細な心の動きを細かく言語化すること自体がデリカシーがないことであるというのはわかっていますが、私の失敗が少しでも多くのみなさまの悩みの解決の一助となればと思って書きました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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