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 大阪の夜に黒猫のタンゴと和歌山での涙

 ゴールデンウイークは皆様旅行が多いみたいで予約は寂しい感じですが、掃除や頭の整理、色々見直す時間にしたいと思ってます。☜忙しくなる事を願いつつ。

 さて前回の続きで大阪編です。 
 初日の夜は
 『フレンチバー シャノワール』
 ちょっとつまむワインのあてもビストロチックなメインもある気の利いた、黒猫と言う名の岡城君のお店。
 二人ともシニアソムリエの資格を持ってるだけあって。グラスワインはバライタルでボトルも興味をそそるアイテムも揃ってます。なんならカクテルも様々作れる。コニャックやカルバドスなどの食後酒も多いのでお酒好きにはたまらないお店です。
 パテやステックフリットをモグモグ頬張って食べながら
 『Dom Bruno clair  Vosne-Romanee 2016』
 難しい事は置いといて、友達との会話、美味しい料理、ただただ楽しい時間。
 かけがえがない。又こんな時間を過ごせるようになって本当に良かった。
 さて明日に備えてるよー。

 2日目和歌山

 今や僕たち40代のフランス料理人はしらなきゃモグリみたいな位置に立っている手島純也シェフ。

 今回はランチです。

ワイン エルミタージュ ジャンルイシャビュー 2016
 アミューズ
  ●3種 グジェール タルトレット パテ
 オードブル
  ●甲殻類のジュレ アボガドのムース
 オードブル
  ●ジビエのコンソメ
 オードブル
  ●鰆のフュメ グリル
 お魚料理
  ●和歌山のヒラメ
 お肉料理
  ●ランド産鳩のトゥルト
 デセール
  ●和歌山産まりひめのクレームダンジュ

 前回は冬のディナーでした内容以下です。
  ●ジビエのコンソメ
  ●甲殻類のジュレとキャビア カリフラワーのムース
  ●鯖のマリネと木苺のヴィネグレット
  ●べキャスのビスク
  ●和歌山県産 舌平目のブレゼ アルベールソース
  ●ジビエのトゥルト
  ●お口直し
  ●クレームダンジュとパスティスのグラニテ

 前回も遠い背中だなぁと思いました。今回は愕然としました。
 香り、温度、食感。参りました。僕は評論家では無いし、そもそも自分が美味しいを追うのに評論家の方の意見必要と思うタイプでは無いのですが簡単な表現をすると
 『とても好みのフランス料理だった』
一皿目のアボガドのムースは今一生懸命再現する為にやっています。
ニ皿目は香りですよね。味の奥行きも含めて自分の仕事を見直しをしています。
三皿目温度。香り。食感。ワインが進みます。本当にこの一皿は温度に支配されました
四皿目ソースだろ!でした。(是非皆様食べに行ってください。)
五皿目コレを食べて今の自分を確認しにきたと言っても過言ではありません。答え合わせは出来ました。自分はまだまだでした。ソースもファルスも、色々と。

 感想は悔しいですね。美味しいより先に年も変わらぬシェフが作った料理にKO
負け。判定じゃなくてハッキリと結果が出るKOという感じです。
 気持ちも引き締まりました。又頑張ろう。そう思いながら線路沿いの桜道を下唇を噛みながら歩いたのでした。チャンチャン

 次回は最終日 戦友のお店アラルーシュです。
 以下は僕のストーリー番外編なので飛ばして下さい。 


ちょうど一年前の4月26日僕は救急車に乗って隊員の方に
 『今から意識が無くなります。10分位で麻酔をかけるので大切な方に連絡して下さい。』
 と言われました。
 『死んでしまうと言う事ですか?』
 『分かりません』

 あーこんな所で僕の人生のスイッチが切れるのか。

 涙も出ませんでしたし。思った事は2つ
 死んでしまうのは仕方ないから、家族に迷惑はかけたくない。妻が一番苦手な書類やお店の事を残すと死んでまで迷惑をかける。山根君にお願いしよう。彼なら会社規模もそこそこだし、彼女が一番緊張しない友達だ。後は少ないけれど僕の遺産の事はハッキリさせなくては。

 『山根君ごめん死んでしまうかもしれないから、もし死んだらワインを買い取ってくれませんか?後は店じまいも妻の助けをして欲しい。よろしくお願いします』

 指を動かすだけでも息が切れる。苦しい。
 負けちゃダメだ。今迄気合いで超えてきた。後もう一言だけ妻に伝えなきゃ。

 『ごめんなさい。死ぬかもしれないので僕のお金は妻である藤井千夏に相続します。パスワードは全て○○にわかりやすく書いてあるのでよろしくお願いします。子供達にはダメなパパでごめんと謝って下さい。お店の事は山根君に聞いて下さい。ワインは彼に買い取って下さいと伝えています。いくらになるか分からないけど少しはお金にしてくれると思います。店じまいもお願いしています。わかりませんが気合いで頑張ります。』

 『苦しいよね。藤井さんちょっと痛いですよ。』
 そのまま意識は無くなりました。

 まあ結局目が覚めて、死んでないので全てOKですが、まともに話せるようになった時
 『あなたは死ぬと言われてもお店、仕事、友達で家族の事は何も言わなかった』
 と言われます。
 そうかな?一番僕が死んで家族に迷惑をかけない方法と、お金で揉め事がおこらないための最善だと思ったんだけど。僕の思う『家族の事を考える』と言うのは彼女にとっては違うみたい。仕方無いケド言葉も思いもイマイチ上手く伝えれないな。友達にもこの事話したけど
 『何言っての?生きるか死ぬかでお金とか言って。』
 と呆れられました。
 どうせ死ぬなら『犬死は嫌じゃん。かけがえの無いものの未来の邪魔をしないと言う為に何が出来るか考える事』は大切だと思います。そもそも生きていてもそんなに稼げない思想の人間なんだし、最後位は家族を豊かにする事を考えるのはいい事だと思うけどね。
 誰もこんな事参考にしないでしょうが。死のファーストテイクはミステイクだったけど、テイク2は65才位で行われて、孫とかいたらいいかな?笑
 皆様人生楽しみましょう。僕みたいにテイク2無い人もいると思うので、サボってる自分も汗かいてる自分も全部認めてそれぞれの楽しみ方で!

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