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やるっきゃないけど安請け合い

※現在進行中の出来事につき、多少のフェイクが入っています。

 

 やっちまった。企画書を受け取って頭を抱えた。

 数日前、上司が珍しく、すごく低姿勢で私に仕事を依頼してきた。録画に使う原稿を読んで欲しいという。大した内容も聞かずに読むだけなら問題ないだろうとOKの返事をした。

 妙にホッとしている上司が印象的だった。

 今日、実務担当者から企画書を受け取った。軽い感じで原稿を読むだけかと思っていたら、なんとも荘厳な原稿だったのだ。想定視聴者も私の想像と桁が違った。このレベルなら、本来ならばプロにナレーションを外注するレベルの仕事だったと思うが、予算やらなんやらの関係と、プロフィール的に条件に合う人間が部署に私しかいなかったという理由で私に役目が回ってきたらしい。

 実は私は滑舌が悪い。特にサ行が苦手で、昔「調査書」を淀みなくいうことができずに1時間失笑をかい続けた記憶がある。また、「学生」という単語で中国語や韓国語がネイティブの方のような妙な突っかかりができてしまうのだ。

 そういえば、母から聞いた話によると、私は3歳でひらがなカタカナの読み書きができたが、4歳後半になっても赤ちゃん言葉が抜けなかったらしい。35年前にひょんなことをきっかけに当時まだ珍しかったビデオカメラを父が購入したので運悪く(?)私の当時のVTRが現存してしまっている。そして、「チンデレラは、ガラチュのクチュを〜」と朗読している映像はデジタル化され、永久保存版にされてしまった。こんな昔の話を聞く限り、もう舌の長さなどから滑舌が悪いと思っている。

 練習期間は2ヶ月。なんとか形になればと思っているがどうだろうか。

しばらくは文章を書く練習より、文章を読む練習が必要そうだ。

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