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カラオケに行けないのでレパートリー紹介をする。

 私は声が低い。息子が赤ん坊の頃、中島みゆきの「麦の唄」を聴くと泣き止んだのは私の声の音域に近い歌だったからだと思う。それくらい声が低い。仕事で電話応対などするときの「よそ行き声」はほぼほぼ裏声である。声が低いのはコンプレックスだった。
 
 一方で私は歌うのが好きだ。うまい下手はともかくよく歌う。最初の職場は社内をエレベーター移動することが多かったのだが、エレベーター内で歌っていて何度も気まずい思いをしたこともある。また、華原朋美の「あきらめましょう」を歌っていてスポコン上司に怒られたこともある。
 
 声の低い女性は少し高め(とはいってもここ数年の男性ヴォーカルの流行りは異常にキーが高いので00年代位をイメージしてほしい)の男性ヴォーカル曲を歌えばちょうどよいキーになるのだが、私はもともとアイドル好きだし、今は情勢的にも職場的にもないのだが、新卒で就職した当時の職場は2次会はいつもカラオケだったので、上司受けを考えて女性ヴォーカル曲を準備していた。(接待やジェンダーに関する議論はここでは避ける)
 
 そんな私のカラオケ履歴からおすすめ10曲を紹介する。音域が低め、または裏声でごまかしやすい女性ヴォーカル曲を挙げるので、声低いけど女性ヴォーカル曲を歌いたい女子の参考になればうれしい。というか、私がこれを書きながら鼻歌を歌ってカラオケに行きたい欲を収めようという企画である。 

 私の音域は調子が良い時でmidA~hiB、素直に歌いやすい音域はmidE~hiAくらい。奇跡的にhiCが一瞬だけ出る。

◆白いカイト/MY LITTLE LOVER
 最高音はhiCで物理的に出ないのだけど、裏声でごまかせる位置にあるので問題ないどころか、テンポも早くなく、序盤が低いところから始まるので歌いやすい。私は声出し用の1曲目に選曲することが多いし、年齢相応の選曲で悪目立ちしないので職場でのカラオケなどでもよく歌っていた。Aメロの「気づかぬふりをして」の「し」を歌って厳しいと思ったらサビは裏声で行くべし。

 
◆マリーゴールド/あいみょん
 「ミドルテンポで選曲的にもTPO関係ない、声出し用の曲」として長らく私の心の中に君臨していた白いカイトから完全にマリーゴールドに取って変わったと思っている。AメロBメロの高音は裏声処理可能なところまで一緒。サビの「帽子の君が」の「き」が喉閉めやすく、聞き苦しくなりがち。この「き」が出ていないと思ったら「あの日の恋」は裏声で行くのが無難。
 
◆炎/Lisa
 昨年の曲でキーを下げずに歌うなら炎一択かなと思う。バラードで1音1音しっかり出していくタイプの曲なので地声で出せるかどうかより、音程取ってロングトーンきっちりしていく方が魅力的に歌えるかと思った。私は「未来のために」と「君を思うだろう強くなり」まで全部裏声で行ってしまう。特に、「このまま続くと思っていた」の「た」がスカスカになるよりは裏声連打の方がかっこいいと信じている。

◆サイレントマジョリティー/欅坂46
 最高音はhiC#で全く太刀打ちできない音だが、サビが1段ずつ階段を上がるような構成になっているので、裏声に切替安いのと、スピード感があるため勢いでごまかせる。そもそもこの曲はAメロの低音とサビの前半の畳みかけるような部分に魅力があると思うのできっちりリズムを抑えれば問題ないと思っている。

◆君のことが好きだから/AKB48
 AKBならこれ。カップリング曲でアンダーガールズ(選抜以下のメンバー)が歌っているけれど、曲自体は織田哲郎作曲でいい曲だし、ブレイク前の指原莉乃がいるのでPVも楽しく、AKBをあまり知らない人の前で歌っても大丈夫ではないかと思う。出だしはかなり低く、最高音付近は勢いで乗り切れる(?)はず。ひとつだけ、サビ直前に声が重なる部分があるので、事前にどう歌うか練習が必要。

◆イミテーション・ゴールド/山口百恵(1977年)
◆DESIRE/中森明菜(1986年)
 上司ウケする音域の合う曲として、この2曲を押さえていた。テンポや曲のノリからも懐メロ特有のまったりした空気感にならず、サッと歌ってサッと次の人にマイクを渡せてありがたかった。職場のカラオケは10年毎くらいのヒット曲を押さえておけば何とかなると思っている。

◆There will be love there~愛のある場所~/the brilliant green
 サビの冒頭がhiCのロングトーンなので、これをあきらめて裏声にしてしまえば全く問題なく歌える曲。あと空気が重たくなっても構わない間柄の人やヒトカラの場合は「冷たい花」の方が歌いやすいし個人的に好き。

◆恋心/相川七瀬
 高そうに感じるのに調べてみたら案外高くない最高音hiA#。おそらく「切ない予感」で1音ずつ上がっていくのがサビで音を当てやすいうえに灰トーンを出している気分になれるんでしょう。カラオケのMVはイントロまでが長いので早送り推奨。
 
◆心を開いて/ZARD
 ZARD歌いたい、でも「負けないで」は某テレビの色が付きすぎていて歌いたくない時にはこれ。ZARDというとキーが高い印象だが、この曲はそれほど高くない。更に、小さい子供が「あのね!えーっとね!それでね!」と話すようにメロディーの語尾がちょっと跳ねるラインなので歌いやすく裏声処理もしやすいと思う。最後転調したときには若干絶望感はあるが気合と愛嬌で乗り切る。

 
(番外編)音域的に行けそうな気がするけど苦手な曲

◆Man&Woman/MY LITTLE LOVER
 白いカイトはサビに向けての声出し曲になるけれど、この曲は冒頭からサビ。しかもMidG~hiBの音域でずーっとサビが続くので辛い。男性で「サウダージ」のサビがずっと高音でつらいといわれる方の気持ちがよくわかる。
同様の状態になる曲としてLOVE PSYCHEDELICOのLast Smileもキツイ。

◆にじいろ/絢香
 歌いやすいという話も聞くけれど、すくなくとも私にはきつかった。地声と裏声の行き来が多すぎて破綻してしまうのだ。hiBをいつでもどこでも軽い力で出せるのであれば問題ないと思うが、力を入れないと出ないので軽い調子の子の曲と合わない。
 
◆アジアの純真/PUFFY
 キー高くないイメージのPUFFYだが、曲調的に裏声一切使用不可縛りだと思うと声低い系女子には難易度が格段にアップすると思う。特にアジアの純真はサビの頭にhiBをきっちり合わせなければいけない、というか曲全体が下り階段の連続(ブレスの後の最初の音がそのフレーズの最高音になりがち)なのでしゃくり上げるように歌うタイプは厳しいのではないか。
 
◆secret base 〜君がくれたもの〜/ZONE
 hiB♭から下がりそうでなかなか下がってくれず、延々とhiB♭付近をうろうろしているサビは、10年後まで生きていられるか不安になるくらいブレス位置がなくて酸欠になる。


以上、ただひたすら歌いたい曲を列挙してみた。早くカラオケ行きたい。

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