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いよいよネーレーイスからギリシア神話にアプローチしてみる


ギリシア神話には 神 怪物 英雄 人がでてきますが、神は大きく分けると、最初の神、ティターン族、オリンポスの神、その他の神、妖精にわけられるなかで、ネーレーイスは妖精のひとつです。妖精は住んでいる所によってわけられていて、ネーレーイスは海に住んでいる妖精です。

海の妖精ネーレーイスNereis

ネーレーイスは「海の老人」ネーレウスとティーターンの一族であり海神オーケアノスの娘ドーリスの間に生まれた娘たち。エーゲ海の海底銀の洞窟で父ネーレウスとともに暮らし、イルカなどの海獣の背に乗って海を移動します。

ネーレーイスは妖精の中でも一際美しいことで知られています。

ペルセウスの伝説では、カッシオペイアが自分の娘であるアンドロメダーのほうがネーレーイスよりも美しいと言ったことでポセイドンを怒らせます。 英雄アキレウスの母テティス、アイアコスの妻プサマテーがネーレーイスです。

まずは、この4つの文章から始めましょう。

ネーレーイスの出自


1、ネーレーイスはネーレウスとドーリスの間に生まれた娘たち。

ネーレウスは先に述べたように、ガイアとポントスの子です。
ドーリスは下記のようにオーケアニデス(海の精霊)の一神です。

まずはネーレイスの母親ドーリスからみてみましょう。
 父は、オーケアノスは海神である。ティーターン12神の一神で、特に外洋の海流を神格化したものである。
 母は、テーテュース(女神)ティーターン12神の一神でオーケアノスを父とする3,000人の河神の息子と、オーケアニデスと総称される3,000人の海や泉、地下水の女神(水のニンフたち)の母である
 ドーリスはガイアの孫ということになります。

ドーリスはオーケアニデスなので、ネーレイス(海精)はオーケアニデス(海の精霊)の子供ということになりますね。
ちなみにネーレイスにもドーリスという名前の精霊がいます。

次は、父親
ヘーシオドスによれば人々はネーレウスのことを「老人」と呼んだ。
ホメーロスも『イーリアス』でネーレウスを「海の老人」と呼んでいる。
ただし『オデュッセイア』(ホメーロス作)では同じく海の神であるプローテウスのことも「海の老人」と呼んでいる。古代の美術でも老人の姿で表される。そのためプローテウスとも混同された。
穏和かつ聡明な神であり、予言の力を持っていた

というわけで

プローテウスについて


ナイル川河口の三角州沖合に浮かぶパロス島でアザラシの世話をしている。

ポントスとガイアの子とされることもあるが、アポロドーロスではプローテウスは外されており、ポセイドーンの子とする説が紹介されている。
古い甕絵には魚の尾を持つ身体から、獅子や鹿、蝮が顔をのぞかせている姿で描かれている。

ポルキュース(ネーレウスの弟)、ネーレウスとともに「海の老人」と呼ばれ、
カール・ケレーニイによれば、彼ら「海の老人」はポセイドーン以前のギリシアの海の支配者であった。

イルカに乗った

2、エーゲ海の海底銀の洞窟で父ネーレウスとともに暮らし、イルカなどの海獣の背に乗って海を移動します。

イルカに乗ったといえばトリトンです。

トリトーンは、オリュンポス12神の一神の海神ポセイドーンとアムピトリーテー(ネーレーイデス)の息子。
アムピトリーテーの名前の意味は「大地を取り巻く第三のもの」、即ち海をあらわす。聖獣はイルカで、象徴は冠、ヴェール、王笏。

海中の黄金宮殿で父母とともに暮らす、深海を司る神である。
父親と同じく、彼もまた三叉の矛(トライデント)を持っている。しかし、彼の最たる特徴は、波を立てたり鎮めたりするためにラッパのように吹く法螺貝である。
深淵よりの使者とされ、人間の上半身と魚の尾を持つ人魚のような姿で描かれるのが典型である。

リトルマーメイドに三叉の矛をもったおじいさんがでてきますが、たぶんポセイドンなんでしょうね

海の神々


ネーレイスを調べてみると、海にかかわるものがいろいろ出てきました。
ポントスは、ガイアが生み出した「海」そのものでした。ティターン族が世界を支配しだすと、オーケアノスが管理するようになりました。その次の時代オリンポスの神々が支配するようになるとポセイドーンが支配するようになります。
海の精霊は、オーケアノスによってオーケアニス3000神、ガイアとポントスの子ネーレウスとオーケアニスによって50-100のネーレイス、ポセイドーンとネーレイスからトリトーンがというように、海にかかわる神様がたくさん生み出されています。

海は、海産物が獲れたり、交易のために品物を運ぶということで、とても有益な領域ですが、地上で生きる人間にとっては生きていくことができない領域で、深い海や、海の嵐で多くの命が奪われたことでしょう。
そういう関わりを背景に多くの海にかかわる神様が生み出されたのだとおもいました。

日本とネーレーイス

イルカに乗ったトリトンは、海のトリトンなのですが、
「海のトリトン」は、1969年9月1日から1971年12月31日まで新聞漫画『青いトリトン』として連載された手塚治虫の漫画。1972年4月から9月末まで放送されたテレビアニメのタイトルは『海のトリトン』。

海棲人類トリトン族のトリトンが陸の人間として成長し、知識と武術を習得して海に出て、海の怪物にも等しいポセイドン族と互角に戦う話。
海に出たときにトリトンは白いイルカに乗って海を移動します。

一般にイルカに乗っているのは女神でなく少年です。
「イルカに乗った少年」は、1973年に城みちるのデビュー曲として企画・制作された楽曲。タイトルは事務所代表が、映画『島の女』(ソフィア・ローレン主演)のテーマ曲「Boy on a Dolphin」から着想を得たもの。
『島の女』は、ギリシャのハイドラ島で海綿採取で生計を立てるフェードラが、イルカに乗った少年のブロンズ像を見つける。いろいろあって彫像がギリシャの国宝に指定され、コールダーとフェードラは結ばれる話。
ギリシアなので基礎にははネーレイスの話があるんでしょうけど、イルカに乗った少年の(ブロンズ)像は完全にフィクションかどうか気になりますね。

神戸市市街地の中心部には「いるかに乗った少女」ブロンズ像があるようで、これはネーレイスをモチーフにしたものであることがわかるようになりました。

また、ポセイドンといえば『バビル2世』ですが、これは『週刊少年チャンピオン』に1971年7月5日号から1973年11月12日号まで連載されアニメ化された漫画。これは、聖書やギリシア神話と関係ありそうですが、話の内容自体は全く関係ありませんでした。

海のトリトン、イルカに乗った少年、バビル二世、リトルマーメイド
ギリシア神話に関わっているような名前のものがでてきますが、名前を借りただけのものが多いことがわかりました。

3、ペルセウスの伝説では、カッシオペイアが自分の娘であるアンドロメダーのほうがネーレーイスよりも美しいと言ったことでポセイドンを怒らせます。

4、英雄アキレウスの母テティス、アイアコスの妻プサマテーがネーレーイスです。

については次回以降別枠で報告しましょう。

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