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とくべつなねこのおはなし。

はじめまして、こんばんは。薫野みるく(カオルノ・ミルク)と申します。
今日からずっと気になっていたnoteを始めてみます。
というのも、私は長く二次創作の小説を書いて、同人誌を発行したりしていたのですが、一昨年からオリジナルのみでやっていこうと奮起した、つまり一次創作としては、素人同然なのです。
そんな素人が、多くのサイトに登録したところで、管理しきれない。そもそも読みたい人なんかいない。そう思っていました。
なぜ今回思い立ったかの説明は、まあ色々ありますし、長くなるので省くとします。今日はタイトルにある、とくべつなねこのはなしをします。

1/20は、私のとくべつなねこがお空に帰ってしまった日です。名前はカヲルちゃん。女の子です。
おととしの1/20でした。未明に急に具合が悪くなり、その日のうちに亡くなりました。13歳と、猫としては高齢だったので、それなりに肝機能が落ちたりと、検査の数値的には悪い箇所もありましたが、毎日子猫と一緒に走り回り、キャットタワーの最上段に一秒もかからずに昇ったりと、ずっと元気に過ごしていました。

病院に預けたあとに急変し、そのままだったこともあり、私と家族は、何が起こったのか、よくわかりませんでした。今でも、カヲルちゃんが亡くなったと、うまく実感出来ずにいます。ほとんど毎日、カヲルちゃんの話をするし、カヲルちゃんのしっぽや気配が自分の体に触れる時もあります。写真や動画を見ても、泣かなくなりました。ただただ、今でも、どんなに時間が経ってもいとおしい。かわいい。でも、会いたい。そんな気持ちで、いま一緒にいてくれる子たちを撫でています。

カヲルちゃんは、変わった猫でした。
気が強くて、正しくて、だからこそヒトにも厳しい。プライドが高く、甘え上手で、私たちはカヲルちゃんの支配下でした。抱っこは絶対にダメ。でも、カヲルちゃんが「抱っこしなさい」という時には、ヒトはどんなに忙しく働いていようと、それを中断しなければなりません。
私は昔から、自宅でパソコンを打つことが多いのですが、ふっと私のところまでやって来て、「いま、抱っこをしなさい」と、カヲルちゃんが膝の上に載るのです。ふわふわの毛並み、ふにゃふにゃの身体で、私の腕の方に、小さくかわいいお顔を持ってきます。左手でそのお身体を撫で、声を掛けながら作業を続けるのですが、カヲルさまは、しっかりお顔を見ていないと、下からパンチを繰り出してきます。
そんなことをされた日には、もう仕事などどうでもよくなります。私たちが「必ず、家で出来る仕事をする」と決めたのは、カヲルちゃんと、一緒にうまれたきょうだいの男の子と、離れたくないからなのでした。

こう書くと、カヲルちゃんは自己中のようですが、そんなことはありません。里子として迎えた生後二ヶ月、すぐの頃からヒトが大好きになり、「ここで撫でて」「一緒に寝てあげてもいいよ」と、いつもそばにいてくれました。私が泣いていると、必ずどこからかやって来て、顔を舐めたり、くっついたりと、やさしくしてくれました。
私は家族と猫たちのために、作家になりたいと思うようになりました。でも覚悟が足りなかったのです。カヲルちゃんともう一匹の男の子は、いつまでも私たちと一緒にいてくれる。失うことは、当然何度も想像しましたが、まるで現実味がなかったのでしょう。まだまだ時間はあるから、もうすこしかかってもいい。結果的に私は、そうして先延ばしにしてきました。悔しいです。自分の愚かさに、今でもうんざりしています。

私はカヲルちゃんに言いました。
「必ず作家の猫にするからね。待っててね」
カヲルちゃんは答えます。
「うん。早くしてね。みるくちゃん、がんばってね」
私は、カヲルちゃんが生きているうちに、作家になれませんでした。約束を果たせませんでした。それは、この先にどんな変化が起こっても、変わらない事実です。でも、どんなにときが経っても、カヲルちゃんがうちの子のように、カヲルちゃんを「作家の猫」にするのは、今からでも出来るのだと、そう思うようにしています。

ようこそ、薫野みるくの世界へ。
私がカヲルちゃんとずっと一緒にいるために、改めてつけたペンネームです。今度こそ、何があっても書き続ける。結果が出るまでやる。たくさんの人を楽しませる。自分の生活に無理がなくなったら、猫を助けることにお金を使う。億単位の寄付をする。
そんなこと出来るわけがない、と笑いますか?
あなたは、ごく簡単に手に入る快楽のために、小説を書きますか?
私は違う。私は「誰もしないこと」を現実にしたくて、もう動き出しています。いつかは応援してもらえたら、幸いです。

カヲルちゃん、大好きなカヲルちゃん。
もう一度さわりたいな。声がききたいな。
はじめての抱っこで帰った夜は、早朝の高原のように、しんとした寒さだったね。綺麗な満月に照らされて、わたしたちも天に導かれるようだった。
でもわたしたちはまだ、そっちへ行かれないから。守るべき命と、やるべきことがあるから。
また会いましょう。せかいいちかわいい女の子。

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