おじの質問(2024年1月5日)

 0時半には寝たのに朝は9時まで、我ながらよく眠る。在宅勤務の連れあいに「今日も優雅なお目覚めですね」と皮肉を言われてあまのじゃくになり、ベッドのなかで9時半近くまですごした。

 起きてからもわたしは動きがゆったりとしている。朝をぜいたくに味わうことがすきなのは、多くのひとがそうであろう。夕方からぎゅうぎゅうになってでも、朝はぽかんとしていたい。時間的にはもう朝と昼のあわいにさしかかっているが、季節のおかげで空はまだ朝の余韻を強く残していた。連れあいに用意してもらったカフェラテとパンをいただいてから、“優雅な”所作で洗濯機をまわし、洗顔とスキンケア、日焼け止めをていねいに塗り終える。

 ひとたび座って仕事をはじめてしまえば集中力があり、どかどかと書き、送り、かたづける! 仕事中のわたしは誰よりも頼りになりますな。

 洗濯物を干すため窓を開けた。このたびの冬は1月になってもまだ寒さが手を抜いており、このまま春が来てしまいそうだ。もうあの、ほんとうの冬が永遠に来なかったらどうしよう。

 昼に地震の件で石川県に義援金を送り、インターネットバンキングの手軽さに胸を打たれた。何回やってもこのスムーズさには心が拍手、や、スタンディングオベーションくらいまでいっちゃうわ……。クレジットカードで決済するときよりも、バーチャルで金が動いていることの実感がある。こちらの口座からあちらの口座へ、出発地から到着地までなにもはさまず直行している感じがいいし、なにしろ速い。送金して着金するまでの速さがきもちいい。

 速い動きへのあこがれというのは、人間の根本に備わったものらしい。利益の有無にかかわらず速く動けることに魅了されてしまうために、小学校では足の速い子がもてるのだろうか。朝からゆったりと動いてきたこのわたしですらこうして速さにきもちよさを感じるのだから、人間の、動物としての速さへのあこがれはどうやら真実である。

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さ島(さとう)

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