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パンダのおにぎりと母とワタシ

今でも覚えている。

幼稚園生の頃のこと。

母に頼んで作ってもらった弁当。

パンダの形を模したおにぎりが入った、
カワイイお弁当。

夏の暑い日、私の子供時代は幼稚園に冷蔵庫なんてなく、普通に室内に置いていた。もちろん、エアコンなんて無くて、窓を全開にして換気したりしてた。扇風機はあったかなぁ?覚えてない。

私は、パンダさんのおにぎりが可愛らしくて早く食べたくて、お昼が待ち遠しかった。早くお昼にならないかなと胸を弾ませていた。

お昼になって、ようやく食べられる!

カワイイなぁ、お母さん頑張って作ってくれたんだもん。

パクリ、と一口。


口に入れた瞬間、不味かった。

いや、そんなハズは…ないよ、気のせいだ!


もう一口。


舌が痺れるような感覚と、
ツンとした香りがした。


…だめだ、食べられないよ…


ぺ、と吐き出してしまった。


ごめんなさい……おかあさん、ごめんなさい。


お弁当の蓋を閉じた。泣きながら。


家に帰ってから母に、今日のお弁当のパンダさんおにぎりが美味しくなかった、食べられなかったよごめんなさい、と言った。


母は、一瞬悲しそうな顔をしたけど
「今日暑かったからね、悪くなっちゃったかなー」と笑っていた。


笑っていた母の顔より、悲しそうな表情だった母の顔が印象に残っているのは何故だろう?


それがきっかけなのかは不明なのだが

我が家では、おにぎりは必ず素手で作らずラップ越しで作る、というルールが出来た…


暑い時期、おにぎりを見るとふと思い出す。


私のごはんヒストリー

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