マガジンのカバー画像

遺骸片

206
頭が良いフリをしたくなる程度の知能があるせいで、生きづらくなってしまい、頭の中がぐちゃぐちゃになる。それをくみ取ったもの。抒情詩。
運営しているクリエイター

#詩

188_誰もが自分が一番かわいい

人を傷つけるのが大好き 人を傷つけるのが大嫌い 誰かを傷つける度胸もないから 今日も僕は僕を傷つける 痛いと感じて血が出て しばらくしたら治ってて この一サイクルが終わるとき 僕は生きていると実感する いつのまにか心がボロボロ 傷つけた覚えなんてないのにさ ずっと胸が痛む ずっと頭が痛む 人には健康そうに見えてる たいして僕には興味がないから ため息が出る また心が痛む 人を傷つけるのが大好き 人を傷つけるのが大嫌い だから僕は僕を傷つけて あわよくばいなくなりたいと

187_僕と彼は友達だ

僕は今日も自殺をする 彼は今日も僕を止める みんなは彼を聖人かのように騒ぐ みんなは僕を悪人かのように騒ぐ 一通り騒げばみんなは帰っていく そして僕は彼からお恵みを貰う これでまた生きていける でもこれで死ななくちゃ この生死の繰り返しで生きてる 君は賢いからね だから君を選んだんだよ 君とならずっと友達になれる だから明日また死んでくれよ またみんな見てくれる場所で もちろん君は大切な友達 だから僕は絶対に止める

186_バランス

生きたい気持ちが生まれました どうでもいい気持ちが生まれました 死にたい気持ちが生まれました 誰が勝つだろうか 誰が負けるだろうか 誰かだけいて欲しい 誰かだけいなくなって欲しい そんな3人の戦いを僕はずっと見ている たまに休んだり すぐに戦ったり ずっとずっとその繰り返し きっと誰が勝ってもダメなんだろうな きっと誰が負けてもダメなんだろうな きっと誰かだけいてもダメなんだろうな きっと誰かだけいなくなってもダメなんだろうな

184_ひねくれ平成人

なんでみんなお金を貯めないんだろう なんでみんな子供を作らないんだろう そうかみんなは指を刺されてないんだ 自分が弱者だって周りから言われれば きっと這い上がってくれるだろうから もっともっと社会的弱者を増やそうか やる気に熱意にハングリー精神 未来が明るく見えた頃に育った彼ら どんな目標でも立てられたんだろうか やる気に元気にハングリー精神 未来が暗く見えた頃を育ってる僕ら どんな目標を立てればいいんだろうか とりあえず僕は安定して食えればいい とりあえず僕は安定し

183_ホッとする瞬間が欲しくて

悲しい表情 そんなものはいらない だって何も解決しないから 苦しい表情 そんなものいらない だって助けてくれないから ただその時に紛れるだけ ほんのひと時紛れるだけ そんなホッとする瞬間が欲しくて この悲しい世界を この苦しい世界を 生きているのかもしれない いっそ死んでしまえばいい そんな突っぱねる気持ちが 急にどこからか湧いてくるけど いつのまにか乾いてたりしてる なんで生まれてきたんだろう 頼んでもないのに なんで死にたくないんだろう 頼まれてもないのに ま

182_研ぎ澄まされてしまった

耳を叩く雨の音 目が覚める 普段は気にしないのに カーテン閉めてもう寝よう 耳を叩く時計の音 目が覚める 普段は気にしないのに 電池を抜いてもう寝よう 耳を叩く鼓動の音 目が覚める 普段は気にしないのに 耳栓をしてもう寝よう 明日は早く起きなきゃいけないのに まだ音が鳴りやまないのはなんでだろう これが生きてる音なんだろうか なら今だけでも死んでしまいたい なんて贅沢な言葉なんだろうか 生きてるとか死んでるとか そんなことは思わないのに なんで今日は考えてしまうのだ

177_凡人の挙動

自分を磨かなくなったのはいつからだろう 自分を伝えるようになったのはいつからだろう 自分が凡人だと気づいたのはいつからだろう 自分を保とうとして 正当化と言い訳して 存在意義が欲しくて しかもこれらがうまい具合に 自分を助ける生きる糧になってる その実感がまた自分が 凡人であるという事を認識させる 何かを追う前の自分はもういない 後ろを向いてチンケな経験とかを 前を向いてる誰かに話しかけてる 僕の先を行った人には当然届かない これからの人の邪魔ばかりしている 役に立

001_生まれたがために

我々は海の中で生まれた。 しかし、海の中には全員が満足するだけのものが存在しない。 だから無い者は有る者にお願いするもタダじゃ渡さない。 しかし、元々は誰のものでもない...やがて不満が生まれる。 ある者は対抗して、 ある者は海を出た。 我々は無人島に漂着した。 しかし、無人島には全員が満足するだけのものが存在しない。 だから無い者は有る者にお願いするもタダじゃ渡さない。 しかし、元々は誰のものでもない...やがて不満が生まれる。 ある者は対抗して、 あ

002_じぶんはいま、どこにいる

自分らしく生きていこうと思っているのに 誰かの生き方を見てしまう 自分らしく歩いていこうと思っているのに どこか寄り道をしてしまう 自分を探せば探すほど 自分から目を背け 誰かに目を向ける 自分を探せば探すほど 自分から離れて 誰かに近づいて じぶんはいま どこにいる

003_鼓動

鼓動の変化は感情を表している。 喜び、悲しみ、驚き、恐怖、様々だ。 もし、この変化を理解できたならば。 僕は彼女を理解できるかもしれない。 実験の度、彼女の鼓動は変化する。 速くなったり、遅くなったり。 心臓の収縮機能。 トクトクと微弱な音が聞こえる。 僕はひたすら耳を傾ける。 彼女は今日も生きている。

004_祈り

祈りを捧げましょう 大丈夫、きっと大丈夫ですよ 祈りを捧げましょう 大丈夫、きっときっと大丈夫ですよ 祈りを捧げましょう 大丈夫、きっときっときっと大丈夫ですよ 祈りを捧げましょう 大丈夫、きっときっときっときっと大丈夫ですよ 祈りを捧げましょう 大丈夫、きっときっときっときっときっと大丈夫ですよ 祈りが足りなかったようですね でも安心してください 神は決して私たちを見捨てたりはしません さあ 祈りを捧げましょう 大丈夫、きっと大丈夫ですよ

005_電車

いつからだろう。 電車に乗っている時間がつまらなくなったのは。 移動時間が勿体ないから参考書や新聞を読んだり、最近ではスマートフォン。 情報を詰め込む作業ばかりしている気がする。 小さい頃は電車に乗る、ということだけでご機嫌になっていた。 親が買っている券売機の画面を眺めること。 改札自動ドアに挟まれないかドキドキしたこと。 背伸びをして、つり革に捕まろうとしたこと。 何といっても一番の楽しみは座席に立って流れる景色を見ることだった。 各駅の意味も急行の意味

006_餓鬼がひとり、駅のホームで通過を待つ

駅のホームで電車を待つとき、僕は必ず一番前に立つ。 一番、電車が通過した時の風を感じられるからだ。 一瞬ではあるが、電車に轢かれるかのような、そんな感覚を味わえる。 僕は日常で"死"を経験したいのだ。 もちろん、心の底から死にたいとは思っていないが。 初めに死を連想したのは、小学生の頃。 工事現場で2メートル強の高さから落ちた時、なんとも言えない"死"の感覚を味わった。 ただその時は打撲が痛くてそれどころではなかったが。 ともかく、僕はその"死"というものを探

007_交渉

「こちらが銃を捨てれば、犯人もきっと理解してくれる」 違う、そうじゃない。 銃を捨てた僕は、犯人、そして味方から銃を向けられている。 犯人は一人じゃない。 一人だけが理解しても意味がない。 味方は一人じゃない。 恨んでいる奴がいるかもしれない。 銃を捨てた僕は、犯人、そして味方から銃を向けられている。