学習塾を開業するも、赤字で倒産した話③やたらと待遇がいい。嬉しい。だけど…。
先生になるためには、筆記試験を受けなければいけない。
科目はたしか、英語、数学、国語だった。
(うろ覚え)
元々テストを受けるという行為が好きな私。
楽しい。
時間内に問題を解いていく。
こういうのが楽しいんだよね。
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学生時代も勉強が好きだったし、
テストが好きだった。
理由は、
①クイズみたいで面白い
②正解があるのが気持ちがいい
③自己肯定感があがる
こんなところだろうか。
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そう。
家事や育児って、
ハッキリとした正解がある訳ではない。
というか、正解があるとするなら、
それは1つではない。
あれも正解、これも正解。
時代によって変わってもくるし、
年齢や、各家庭によっても変わってくる。
つまり、白黒ハッキリつけられない。
ほとんどのことがグレーだ、と感じる。
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当時、完璧主義よりであった自分にとって、
グレーをよしとするのが苦手であった。
その点、テストというものは白黒ハッキリしている。
そこが、気持ちがいいのだ。
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そんなこんなで、
テストは無事終了。
結果は「合格」だった。
よかったー!
センセイになるための切符を手にしたよ。
よし、これでセンセイになってOKということだ。
ますます、ワクワク感が高まる。
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テストをクリアすると、今度は研修だ。
その研修というものが、それはまぁ、結構なボリュームで。
朝の9時から夕方5時くらいだっただろうか。
そんな長時間の研修が何度も行われる。
体力に自信のない自分にとって、まぁまぁしんどいことだった。
だけど。
ちょっとキレイめな服装で、
都会の立派なビルで、
センセイになるためにがんばっている自分。
「ステキ!」
と、嬉しい気持ちのほうが大きかった。
だから、疲れたといっても、
それは心地よい疲れだった。
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しかも、何かと待遇がいい。
まず、呼び方。
まだセンセイになった訳でもないのに、
「〇〇センセイ」
と呼んでくれるのだ。
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家事育児に追われ、
「〇〇ちゃんのママ」
「〇〇さんの奥さん」
としか呼ばれない日々。
自分を見失いそうになっていたところに、
「〇〇センセイ」
なんて呼ばれた日にはもう。
なんていうか、
とってもいい気分だった。
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さらに。
毎回、ちょっと豪華めのお弁当が用意されていた。
なんか、めちゃくちゃ大事にされてる。
社員さんや担当者さんは、みなさんとても優しくて感じがいい。
いつも笑顔で出迎えてくれて、丁寧に扱ってくれる。
そしてやたらと褒めてくれる。
それが、とても嬉しかった。
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それもそのはず。
だって。
私たちはカモネギだったんだから…。
鴨が葱を背負って来る。
まさにその状態。
でもその時は、まったく気付いていなかった。
自分がカモネギになっているとは。
(つづく)
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