¥13,700,000 / 中島記念国際交流財団・日本人海外留学奨学生

👍中島記念国際交流財団・日本人海外留学奨学生の深堀り解説

この奨学金を取り上げた理由は、手厚い支給額。

月額30万円というのはなかなか手厚い。ただし、年齢制限があり、30歳以下、海外在住は不可、専攻が情報科学・生命科学・経営科学のいずれか、という条件があるので、応募できる人は限定されそう。合格率は分野にもよるが10%前後です。他の奨学金は1%前後のものも多いので、条件に合致するなら応募すべき奨学金ですね。

それでは、詳しく紹介していきます。


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🔖公式サイト

http://www.nakajimafound.or.jp/koubo.html


✅応募資格

日本に在住する令和7年4月1日現在30歳以下の者で、令和7年度中(2025年 4 月1日から2026年3月31日までに入学)に留学開始し、かつ、次のいずれにも 該当する者であることとします。
(1) 海外の大学(又はこれに準ずる機関)の修士号又は博士号を取得するために留学する者
(2) 学業、人物ともに優秀であって、健康である者
(3) 外国語能力について、留学先での教育研究に支障のない者
(4) 国際理解及び我が国と諸外国との友好、親善に寄与できる者注1 日本に永住を許可されている外国人は、応募できます。 (「在留カード」 又は「特別永住者証明書」のコピーを1部提出 してください。)注2 応募時に留学等で海外に在住している者(国内在住であっても、海外の大学等に学籍を有する者を含む)及び 応募時以降留学開始以前に海外に在住することが予定されている者は、応募できません。

注意すべきは、30歳以下という年齢制限があることと、海外在住者には応募資格がない点。

また、下記の専攻カテゴリに該当する必要があります。

  1. 情報科学

  2. 生命科学

  3. 経営科学

とはいいつつ、下記のネット情報では、専攻はそこまで厳しくなさそう。広義にとらえて応募しても良さそうです。

対象分野として情報科学・生命科学・経営科学が挙げられているが、聞いた話では、奨学金の分野制限・指定といっても曖昧なところも多く、情報科学といっても、航空宇宙や物理や建築の留学生が受給しているケースもあるらしい。彼女も建築なので、情報科学と銘打って、出願できないことはなさそうだ。

https://yuheisuzuki.wordpress.com/category/海外留学情報/

一見どの分野もMPH受験生にはフィットしないように見えますが、過去に受給された方も多くおられますので安心してください。

http://blog.livedoor.jp/mph_for_doctors/archives/16066506.html


🗂申請書類

  1. 申請書

  2. 推薦書 1 部

  3. 成績証明書

  4. 語学テスト等の点数や語学検定試験の合格を証明するもの 1 部

  5. 返信用封筒

  6. 官製はがき


🖊エッセイ課題

  1. 留学先における学修・研究計画(研究方法等具体的に)

  2. 留学先における学修・研究の必要性

  3. 留学終了後の進路(予定)


📅締切

2024年8月20日(火)


💰支給金額

修士号取得希望者については、最長2年以内、博士号取得希望者については、最長 5 年以内。

  • 奨学金(月額30万円)

  • 支度金50万円(往路渡航費含む)

  • 復路航空賃(留学終了後の帰国時1回分)

  • 授業料(留学当初の2年間に限り、年間上限300万円以内)

2年留学する場合は、1370万円近いお金を支給していただけることに。これは、かなり手厚い!


🧑‍🤝‍🧑募集人数

約10名

公式サイトに掲載されていた、昨年度(令和6年度)の募集状況は下記のとおり。

公式サイトに過去約20年分の採用者数等が掲載されていたので、傾向を分析した結果をご紹介。

過去の申請数の推移。近年は約10名の採用に対して、100名前後が応募。

過去の採用者数(合格率)の割合は下記のグラフ。全体でみると、25%前後の方が書類選考を通過し、最終的な合格率は10%前後。

採用者数は全体で約10名だが、分野によって異なる。分野によって応募総数が異なる点を考慮してなのか、過去10年は下記のような割合で採用されている模様。生命科学が少しだけ多め。

また、分野によって合格率が異なる点に注意したい。下記は過去10年(2015−2024)の平均合格率を示したもの。先述のように生命科学分野の合格者数は多いものの、そもそも応募者数が多く合格率が特別に高いわけではない。情報科学と生命科学は10%前半。注目すべきは、経営科学。なんと合格率は10%以下。経営科学専攻の場合は厳しい戦いになりそう。

過去10年の合格率を色分けすると一目瞭然。赤い部分のほうが合格率が低いことを示しているが、経営科学は真っ赤っ赤。

参考までに、過去の合格率の推移を紹介。
かつて情報科学分野は、応募者数も少なく30%近い合格率の時代もあったけど、現在では10%前後。生命科学は、過去10年は12%前後で推移。2023年には16%という合格率があった。そして、経営学分野は、かつては20%前後の合格率の時代もあったけど、最近10年は安定して低い。平均で7%。

経営科学分野専攻の方は要注意。とはいっても、支給内容が手厚い他の奨学金と比べても7%だったらまだ合格率は高いほうだと思うので、年齢制限や分野に合致するのであれば積極的に応募すべきというのが私の意見。


🥷選考プロセス

書類選考及び面接選考


🏁奨学金実施団体と奨学金の目的

奨学金実施団体は、中島記念国際交流財団。中島健吉氏の出資により設立。以下、公式サイトより抜粋。

• 本財団は留学生等を対象として実施される国際交流・生活支援事業への助成を行うとともに、海外の大学院に留学する日本人学生への奨学援助と日本人若手研究者に対する研究助成を通じて、世界を舞台に活躍できる内外の人材育成と、それをもって国際社会の平和的発展に貢献することを目的に設立された財団法人です。

「世界を舞台に活躍できる内外の人材育成と、それをもって国際社会の平和的発展に貢献する」部分が重要。奨学金エッセイでも、自分が本財団の目的にどう貢献できるかを意識して書くと良いと思う。


📝補足

  • 年齢制限あり - 30歳以下(令和7年4月1日現在)

  • 併給は不可 - 奨学金について 奨学金受給中は、他の奨学団体からの同種の資金援助を受けることは出来ない。 (留学先大学からの授業料減免等は可)


🏆合格者ブログ

何名かの方が特に面接の様子について紹介してくださっているので必見。


🔑アドバイス

奨学金の支給額も大きく、エッセイ課題も標準的なので、ぜひ応募すべき奨学金。10名の合格者もかなり多いと思う。
エッセイ課題について、どうアプローチすべきかを私の私見を紹介。

  • 留学先における学修・研究計画(研究方法等具体的に)

  • 留学先における学修・研究の必要性

  • 留学終了後の進路(予定)

最初のエッセイ課題は、留学先で何をしたいかを述べる。指示されている通り、とにかく具体的に記載するのがポイント。どんな授業をとって、どんな活動を行い、どんな成果を出したいのかを述べる。具体的に書くには、学校のWebサイトは当然のこと、在校生や卒業生、さらには教授と話をして、どんな授業や活動が行われているのかといった具体的な情報収集を行うことが必要。在校生や卒業生は、SNSやLinkedIn、学校のWebサイトから教授にアクセスすることもできると思うので、ぜひそこまで行って情報収集をがんばってほしい。

2つめの課題で、なぜその留学先で学ぶことが必要なのかを説明する。なぜその国、なぜその大学、なぜそのコース(研究室)まで掘り下げて記載することが必要。こちらも、在校生や卒業生からの情報収集は必須。実際に話しをきかないとわからないことがたくさんある。

3つめの「留学終了後の進路(予定) 」は、短期的なものと長期的な進路を記載すべき。短期的なものは、現時点で考える留学終了後の就職先を記載。ここも具体的に、会社名や業務内容まで書きたいところ。こちらも、希望する会社で働く方やHR、リクルーター等と話をして、情報収集できると具体的に書ける。また、長期的なキャリアプランは、そもそもこの団体の目的が「世界を舞台に活躍できる内外の人材育成と、それをもって国際社会の平和的発展に貢献する」なので、長期的には、国際社会に貢献するというストーリーが必要。ここは、実現可能性はともかく、少しぐらい大きな夢を語った方が良いと思う。

面接は、各分野の専門家が突っ込んだ質問をするケースが多いとのことなので、研究内容についてしっかり準備しておくと良さそう。

💡より詳細な出願理由エッセイの書き方やアイデア出しについては、こちらの記事がお役に立てるはず。

👉 私が実践した留学用奨学金エッセイの書き方を徹底解説



執筆者:みりん (X (twitter), note, ニュースレター)
元英チーヴニング&ロータリー奨学生|留学・奨学金について発信中|技術系|32歳・英語力ゼロで海外赴任|34歳・イギリス大学院留学|35歳・ロンドンでインターン|35歳・アメリカへ交換留学|36歳・アメリカ就職

私がお手伝いできること
👉チーヴニング奨学金情報 - イギリス政府が支援するチーヴニング奨学金のエッセイや面接について詳しく解説。読者の中から複数の方が合格。
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