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何事もカジュアルに!

今回も生徒さんからの質問に答えます。

路子先生は歌手としての活動に加え、お家のことなどもされることがあると思います。練習、家事、勉強、プライベートな時間など、1日をどんな風に過ごしていますか?イリヤン先生もお忙しいと思いますが、どんな感じなのでしょうか?

声楽家の方から

この質問に対してのイリヤンからの回答はたった一言でした。

「全てをカジュアルにやることだよ!」

私はそれを聞いて、「なんてサラッと核心をつくようなことが言えるんだろう!」と妙に納得しました。

そしてしばらく、頭の片隅にこの言葉を置いて日々を過ごしていく中で、カジュアルであるとは「心のあり方」なのだろうな、と思うようになりました。

カジュアルな心のあり方とは、堅苦しく考えずリラックスした状態である、ということです。そして、自分の心に沿った行動をしていく、ということでもあります。


私はこうありたい。これができるようになりたい。そのためには、こうでなくてはいけない。これをやらなければいけない。

こんなふうに全てのことがやるべきことになってしまうと、途端に1日は短く感じられて、慌ただしく窮屈なものになってしまいます。

例えば練習の仕方について考えてみましょう。

「何時から何時までと時間を決めて、誰にも邪魔されないように練習室にこもって、一心不乱に練習する!」

これが一概に悪いというわけではありませんが、あくまでいろんな練習方法がある中の一部です。

練習にはもっといろいろな方法があります。

音楽をイメージして、実際に音を出さずに音楽を感じる時間も大事な練習のひとつです。

良い音楽を聞いて、それを味わうことも大事な時間です。

自分の体の状態に意識を張り巡らせてみたり、体が自然に機能しているときの感覚を観察してみたりすることも練習です。

そしてそれは、掃除をしながら、料理をしながらでもできることです。

音楽のことを考えている時間と他のことをしている時間、といったように、音楽と日常生活を切り離してしまわないことです。

何をしていても「音楽家である私の思考や行動」になっていることが大事なことです。

そうすることで、日常生活の中でも、自分が成長するためのヒントを探すような意識が自然と生まれます。

音楽に集中し過ぎることなく、少しリラックスした状態でいる方が、マインドが自由に開放されて、気づきが起こりやすくなります。

いつ練習しよう、いつまでにこれを済ませよう、などと決め過ぎないことです。1日のうちどこかで、気分良くスムーズに取り掛かれるタイミングで練習をしよう。それくらいの心持ちで良いと思います。

それまでは無理に「練習しなくちゃ、あれもこれもやらなくちゃ」と思い過ぎないことです。

そんな悠長にしてるといつまで経ってもやる気なんて起きない、と思うかもしれませんが、自分が疲弊している場合を除いては、そんなことはありません。

私たちがリラックスして自分と繋がっていれば、「今練習しよう!」「今これをやろう!」は必ずやってきます。

その日のバイオリズムに合った、無理せずできる範囲のことをする。心地よく、気分良くできるタイミングでやる。それが、余計な苦労をせずに、スムーズに流れに乗っていけるあり方なのだと思います。


何か新しいことを始めるときなど、ついつい体裁を整えようとして、ちゃんとやらなくては、と無駄に力が入ってしまうこともあると思います。

準備に準備を重ねているうちに、不安が増幅されて自信がなくなったり、やる気が削がれたりして、行動が重くなってしまうことはよくあることです。

カジュアルにやるということは心の赴くままに軽やかに行動する、ということでもあります。

ちゃんとやらなくちゃ、という気負いがあると、そこから生み出されるものはすでに制限されたものにしかなりません。

もっとカジュアルで良いんだ!

そう思うだけで、心はもっと自由になれます。

そして自分の中に「これをやろう!」が湧き上がってきたら、それに従って行動すれば良いのです。

何事もカジュアルに!これを心にとどめて、毎日を過ごしてみてくださいね!

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