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橋本輝幸さんとの #交換日記の多発 (1)

 橋本輝幸さんの企画 #交換日記の多発  に応えて、交換日記をさせていただくことになりました。直接の面識はなく、ネット上でのテキスト&音声のやり取りを少しさせていただいているだけなのですが、面白そうだと思って手を挙げ、快諾いただきました。
 公開の場での交換日記なので、対話でありながら読者がいることも想定した感じで書いていきたいと思います。そういえば『ひでおと素子の愛の交換日記』という名著が昔ありましたね。

自己紹介

 橋本さんのリンクから読みに来られる方もいらっしゃると思うので、簡単に自己紹介を。
 年齢は50代で性別は男、東京都在住。小説を書いています。ゲンロンSF創作講座の4期(2019年度)生です。今は自分のペースで公募に向けた小説を書いたりしています。
 ここ数年の興味あることというと、小説以外の本では國分功一郎、綾屋紗月、牧村朝子の本をよく読みます。プロレスは昔から好きなのですが新日本プロレスの配信サービスnjpwworldに入会してから見る頻度が上がりました。欅坂46には3年くらいハマってました。
 小説を読む方については、そもそも読めてない、時間が取れてないのが最大の課題ですが、海外SFの紹介が盛んになってきたのが嬉しいところです。橋本さんの編まれたアンソロジーやSFMの特集をはじめ、読みたいものが溢れてます。
 もともと、友人と長いメールをやり取りして好きな本や映画について話したりすることはあって、長めの文章のやり取りをしたいという欲求は私の方にもありました。また自分一人でブログを定期的に更新したり日記をUPし続けるというのはできない性質なのですが、対話の相手がいればできるのではないかと。

 さて、質問をいくつかいただいているので、回答したいと思います。

回答1: ゲンロンSF創作講座

これはゲンロンSF創作講座生だった方にだいたい聞きたくなってしまうのですが、なぜ参加を決めたのでしょうか?(なにが30年ぶりの小説執筆に駆り立てたのか?)

 順番としては、先に、小説を書きたいと言う気持ちがあって、創作講座への参加は少し後になります。長年、漠然とした創作への憧れはあっても何もしてないワナビーみたいなものだったのだけど、「ちゃんと書こう」と考えたのは端的に年を取ったからでしょうか。「やり残した感があるまま死にたくないな」と思ったというのが、けっこう真面目な本音です。別に死にかけたりしたわけではないですが。まあ、比較的時間が取れるようになったと言うのはあります。
 それで、一人で書いていても書きあぐねていていたので、SF創作講座の受講を検討した次第です。じっさいに決めたのは『SCI-FIRE 2018』に載っていた、櫻木みわさんの「スプリーム」と甘木零さんの「生き物、死に物」読んだからです。こういうものを書く人も来る(かもしれない)なら参加したいなと思いました。とくに「スプリーム」はポストヒューマンものとして登場人物の異質感、人間でなさをすごく感じました。あと、野蛮な感じ。
(すでに『SCI-FIRE 2018』は売り切れているようですが、未読の方は、SF創作講座で「スプリーム」の梗概のみ公開されているので片鱗だけでも味わってください)

回答2: ゴシック

また、渡邉さんの小説や音楽の趣味にはゴシックや絢爛といった言葉が似合いますが、このへんの趣味を形成した経緯があればお聞きしたいです。

 本人はゴシックとも絢爛とも無縁な地味な格好をしているのですが、そういう趣味の傾向は間違いなくあります。ガチガチにゴシック趣味と言うのとは少し違うかもしれませんが、SFならばテクノ・ゴシックの美学、サイボーグや人工生命が出てくるものに惹かれます。
 中学から大学までの時期がちょうど80年代でしたが、当時、好んで読んでいたものはヒロイック・ファンタジー、日本SFの第3世代、伝奇バイオレンス、サイバーパンクでした。当時はSFもファンタジーも多くの表紙を天野喜孝が飾っている時代でもあり、ゴシックや耽美的なものについては、彼の絵の影響はとても大きいと思います。中学生の時に出会った栗本薫〈トワイライト・サーガ〉2冊の表紙は今でも忘れられません。
 小説の表紙、挿画では、ほかに佐藤道明、加藤俊章、THORES柴本の絵が好きです。
 音楽については高校までは、ほぼアニソンしか聴いていなかったのですが、大学生になってバンドブームなども直撃して色々聴くようになりました。その中で、今でも聴き続けているBUCK-TICK、ソフトバレエ、戸川純、インディーズのバンドでG-Schmitt、洋楽でBAUHAUS、The Cure などに一気に出会ったのが大きいと思います。その後聴いている音楽も、この辺りから芋づる式に手繰り寄せてきたものという気がします。
 パフォーマーとしてはソフトバレエの森岡賢の存在は忘れられません。惜しくも亡くなってしまいましたが、彼が生きていてくれたことは日本を少し幸福にしたと思う。
 押井守の映画はゴシック的なものとは無関係に大好きで観ていたのですが、2004年の『イノセンス』が球体関節人形の世界で、そこから人形作家のほうにも興味が向きました。ちなみに、エイリアンの中ではジュネ監督の『4』が一番好きで、リンチ版『砂の惑星』のデザインは最高です。
 あと、今になって気づきましたが、小学生の時に見ていたロボットアニメ、『ライディーン』、『コンバトラーV』、『ボルテスV』などの敵側のデザインや、松本零士の世界にゴシック的な趣味の源流がある気がします。

 自分を語ろうとすると自分の好きなものを並べることでしか語れない、典型的にオタクの自己紹介な回答になってしまいましたが、このようなものに導かれてきました。



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