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ウマ娘の舞台を楽しむための原作史実の振りかえり、91年中心で(中編)

初めに


2023年1月15日から始まった舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters’ Story~。
舞台ウマ娘の史実である91年の競馬について、出演するダイタクヘリオス、ダイイチルビー、ケイエスミラクルそしてヤマニンゼファーを中心に紹介していきます。
ネタバレはできる限り軽くしていきますが原作自体がネタバレなんだよな

前編はこちら

4頭(実質3頭)の軌跡、5~7月まで

では続き書いていきます。

5月から8月はこんな感じ、なお8月は誰も出走していません。

ゼファーは全休

このうち、舞台で少しでも触れられたのは
・安田記念
・4歳未出走
・石狩特別
・藻岩山特別
・高松宮杯
になります。
以下では、安田記念、高松宮杯、そしてミラクルの3レースと3つに分けて紹介します。


安田記念 ー末裔の意地ー

日本中央競馬会の初代理事長を務めた安田伊左衛門に由来している

91年当時の安田記念は下記の2点で現行のものと異なります。
①レース時期
今の安田記念はダービーの翌週で6月の上旬に行われています。しかし91年当時はオークス前週の5月に開催されていました。
②出走対象
ゲームウマ娘だとクラシック期のウマ娘でも出走できますが、91年の頃はシニア期の競走馬のみが出走できます。
つまり91年の頃は馬齢でいう5歳(現表記だと4歳)以上が出走対象でした。
これは①の開催時期が早かったのが起因しております。

さて、91年の安田記念。
一番人気は前年度マイルCS2着のバンブーメモリーが1番人気、ダイイチルビーは京王杯勝利が評価されたのか2番人気につけました。
ヘリオスは10番人気と人気薄です。

まずは動画を見てみましょう。
JRA公式

続いてフジテレビ三宅アナver

レースは人気のバンブーメモリー、ダイイチルビー共に後方からの競馬。
ダイタクヘリオスは外側で好位より少しだけ後ろの位置で道中を進みます。
1000メートル地点を57.6秒で通過するハイペース。人気2頭には好都合の展開となりました。
案の定、最終コーナーで逃げ先行勢が後退。
ヘリオスが最終直線早々と先頭に立ちますが、後ろからやってきたのはダイイチルビー。最後の50mでかわしてゴール板前を駆け抜けました。
バンブーは最終直線、前が壁で抜け出すのが遅くなり3位に。
結果は以下の通り

これによりダイイチルビーがGⅠ初制覇を成し遂げます。
先ほどの動画でも三宅アナが

華麗なる一族の末裔ダイイチルビー、GⅠ初制覇です!

と言うように、オーナーにとっても、ルビーにとっても欲しかったGⅠタイトルでした。
また、グレード制が導入されて以降、史上初となる牝馬による安田記念優勝となりました。


華麗なる一族について

さて折角でてきたので、ここでは簡単に華麗なる一族の説明をします。
とはいえ舞台の核心部でもあるのであくまで史実部分だけを触れるようにしますね。

競馬における華麗なる一族とは、1957年にイギリスから輸入されたサラブレッド、マイリーから発する牝系のことと言われています。
この血統を当時関西テレビで競馬中継で解説をしていた詩人志摩直人が山崎豊子の小説のタイトル「華麗なる一族」と評したことで、競馬ファンに浸透していきました。

ダイイチルビーの祖母イットーは怪我やアクシデントに見舞われながらも、古馬になってから高松宮杯やスワンSと重賞を2つ勝ち、当時の最優秀5歳以上牝馬に選出されております。
その娘、つまりダイイチルビーの母であるハギノトップレディは桜花賞とエリザベス女王杯に勝利し、最優秀4歳牝馬に選ばれております
また古馬になってからは高松宮杯親子2代制覇を成し遂げております。
何で太字かって?察して

そして、安田記念を勝利したダイイチルビー。
陣営の要望もあり、親子3代制覇のため次走は高松宮杯を選びました。


高松宮杯 ー雪辱ー

もう名前すら違う

91年当時のGⅡ高松宮杯(現:GⅠ高松宮記念)は主に下記の2点で現行のものと異なります。細かく言うとだいたい違う
①レース時期
今の高松宮記念は3月の下旬に行われています。
しかし91年当時は7月に開催されていました。
②距離
現行のレースやゲームウマ娘だと中京1200mです。
しかし91年の頃は中京2000mでした。
これは1996年に中央競馬の短距離競走体系を整備したのが起因で、その際にGⅠに格上げされました。

さて、親子3代制覇のため出走したダイイチルビー、そこにはダイタクヘリオスの姿もありました。
母・娘・孫娘による三代同一重賞優勝が期待されてか、当時の中京競馬場史上2番目となる約4万6000人に見守られながらの競走となりました。

好位2番手のヘリオスに対して少し離れた3番手で様子をうかがうルビー。
最終直線で先に抜け出したヘリオスに懸命に食らいついていくルビーでしたが一歩及ばず、写真判定の結果ダイタクヘリオスがハナ差先着しました。

ヘリオスにとっては重賞3勝目、安田記念と正反対のワンツーフィニッシュとなり「安田記念の雪辱を果たした」とも評されました。

これで両者の春競馬は終了。秋のレースに向けて調整していくことになります。


ケイエスミラクルの躍進

一方ケイエスミラクルは5-6月にかけて4戦しています。メイクラ育成かな?
未出走戦で8馬身差の圧勝で初勝利。
わらび賞は2着だったものの、その後の石狩特別で2着に4馬身の差を付けてレコード勝ちすると、次走の藻岩山特別は2着に9馬身差(タイム的には1.5秒差)をつける大差で圧勝しました。
ちなみに
石狩特別は91年当時6月札幌開催の芝1200m→今は8月札幌開催芝1800m
藻岩山特別は91年当時6月札幌開催の芝1200m→今は8月札幌開催芝2000m
と…大体違いますね。なんならミラクルのwikipediaも

この結果を受けて陣営は秋の重賞セントウルステークスに目標を定めます。

次回予告

ルビーとヘリオス。秋の重賞戦線でまたもぶつかり合います。
更にそこに現れたのはケイエイスミラクル。
とうとう実現した3頭の直接対決スワンステークス、そしてマイルCS。
激闘の末に見えたものとは。
そして始動するヤマニンゼファー。

次回9~11 12月編、お楽しみください(12月編は別になりそう)
後編で全部書ききりました。


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