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DOG MAN

 リュック・ベッソン監督作品は「レオン」と「グランブルー」しか観ていない事をこの作品を観た後に気付いた位でどうして足を運んだかというと上映中の作品の中で見てみたいと感じたのがこの作品しかなかったからだった。
 冒頭のシーンからは全くどの様な物語が転嫁するのか想像もつかなかったけれど、こういう形で犬との共生が描かれているアイデアには感心させられた。
 前半の主人公がここに至るまでのプロセスが凄まじかった。父親が一見狂気を体現している様に思えるがむじろわかり易く、それに対して兄の狂気が恣意的に感じられたのが何によるかはわからないが服役直後に殺されることからも兄弟の見えない確執は感じられた。
 この作品のもう一方の主人公は物語を紡がせている医師である。この医師へのシンパシーから彼は半生を語るわけだがそこまでの共感を生じせしめるものがあったかどうかは疑問ではあるが、登場人物の内面をそこまで詳細に描いていたのでは物語は収まりがつかなくなることを考えればそんなのものかもしれない。
 主人公が紆余曲折を経てなんとか自分のポジションを確立させかけているのに比してラストのシャングとの大立ち回りは浅薄な感は否めなかった。
 作品全体を通してDOG MANというキャラクターの新奇さが全てではある。

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