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はじめて学んだ日(兄の話)

僕が小学1年生の時、兄は小学5年生だ。兄とは4つ歳が離れている。

なぜこのように回りくどい言い方をするかというといつも歳の差がわからなくなるので脳内で「小学1年生の時、兄ちゃんは、、、」と考えているからだ。ちなみに右と左も突然言われるとわからないことがあるのでひっそりと利き足である足を動かして右だと確認することがある。

4つも歳が離れていると僕にとって兄はヒーローなのだ。
長男次男の関係なので先に何事も経験していてくれる存在。
しかも兄は運動神経が良く地区の運動会のリレーなどでも活躍していて、サッカーのクラブチームにも所属していたので運動が苦手だった僕にとってはずっとかっこいい存在だった。
僕ができないことでも兄はできていて当然であった。


弟目線でこのヒーローが切なかったエピソードがある。
僕が幼稚園生の頃、兄が逆上がりの練習をするとのことで夕方、人が少なくなっている幼稚園の鉄棒で練習していた。
当時の僕からすると練習してる時点でかっこよかったので近くで眺めていた。

すると遅くまで残っていた僕の同級生の女の子が突然現れ、苦戦する兄を横目に得意げに逆上がりを披露した。
兄の横で何度も何度も披露する。さらには名前もわからない違う演技も披露する。その子に馬鹿にする様子がないことがさらに苦しかった。

結局、兄はその日に逆上がりに成功することはなく、4つ歳の離れた女の子に負けた状態で帰る兄の背中は小さかった。
あのときのなんとも言えない空気感は今でも忘れられない。

あの場面を”気まずい”ということをのちに学んだ。


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