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ひとごとじゃない

こんにちは、みるださんです。

ちょこっと前のことだけど、
展示会に出すマフィンが傷んでいて、3000個の商品を回収するという事故がありました。

一人で作っていたからというのも言い訳にしかならないし、
だめなことはだめなんだけれど、
きっと御本人は凄まじい後悔の念を持っていることだろうに、
嫌がらせや自粛警察みたいに吊るし上げなくてもいいのになと思ってしまうのは私だけだろうか。

他人事には思えないんです。
それは賞味期限が云々ということじゃなくて、
3000個もの商品を5日も前から「一人で」作る理由は何なのかと。

テレビやネットの記事は一方方向からしか事実を発信しないので、鵜呑みにしているわけじゃないけれど、「だよな」って思うことがたくさんある。

要は「一人で」作らなきゃ採算が取れないくらい、利益が薄いってことじゃないんだろうか。

オーガニックで小さい子供にだって安心して食べされてあげられるようにって、丁寧に作っているのに、月に2万円くらいしか利益が上がらないことがあるって書いてある記事を読んで、「他人事じゃない」って思ってしまいました。

1個あたりいったいいくらの利益をつけているかなんてわからないけれど、
多分に努力や手間の割には、十分な利が得られていないんじゃないんだろうか。
それは、自身の商品の価値を伝えきれない当事者にはもちろんだけれど、
私は消費者側にもあるんじゃないのかなって思うんです。

「食べるもの」に対する価値の付け方が他のものに比べて低すぎると。

きちんと利益が取れる価格帯で売れるのなら、人だって雇えただろうに、
人が雇えれば5日も前から製造する必要もなかっただろうに、
5日も前からでなければ、商品が傷むこともなかっただろうに、
そんな連鎖の始まりが、
手間や努力を認めず「マフィン」という「商品自体」につけられるから
要は工場商品だろうが手作りだろうが、たいして変わらない価格になっちゃうのかなと思ったりするのです。

そう、その前にあった「ホタテ」が中国で売れないのに、国内に出すと価格が下がるから出さないっていうのに似ているところもあるなと思います。
嗜好品の部類に入る一般的な商品ほどそういった傾向にあるかなぁと。
だって、贅沢品に入るキャビアやトリュフじゃそういうことにはならないし、お菓子でもショコラだと高くてもみんな買うもんね。

以前、ある方に言われたことがあります。
「シフォンケーキって卵で膨らませてるだけなのに、なんでこんなに高いの?」って。
膨らませてるだけ?
それまでに何度も試作して、材料を吟味して取り寄せて、準備して・・・
6時間は冷まさないと型抜きして包装できないシフォンケーキは、商品化されるまでに足掛け2日かかるんです。

そんな事情を知らず、無責任に評価する消費者がいるから
こんなことになるんじゃないのかって思ってしまいました。

私は展示会に3000個もの商品を持っていくなんてことないけれど、
薄利でも個数があがれば大きな利益になるチャンスが巡って来たら、
ひょっとしたら似たようなことをしたかもしれない。
一人で寝る間も惜しんで作ったかもしれない。

世の中の風潮や価値観はそんなに簡単に変わらないけれど、
自分だけはもう少し口に入れるものに対する値付けを変えないといけないなっていつも思っています。

安全、安心にはお金を出す価値があると思うのです。

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