青臭い衝動
自分の中にある青臭い好みや志向に気づくのは、ジムや街中で何も考えずに歩いたり走ったりしている時だ。
例えば、音楽。
普段は歌詞がちょっと不思議な正統派ロック、優しい声でロマンチックな歌詞の柔らかめロックが好き。
でも、尖りに尖った歌を好きな自分がいる。
憎まれていたい、立ち止まりたくない、邪魔すんな、と怒鳴りちらすような反抗的なロックが好きな自分がいる。
そんなふうに暴れたことも、ないくせに。ジムでそういうの聴きながら走るの、めちゃくちゃ気持ちがいい。
憧れってこういうことだろうか。
有名人が大学の入学式や卒業式、成人式でやる、若者たちに向けたスピーチ。会社や製品の理念を訴えるかっこいいキャッチコピーのCM。しっかりすべての謎を解き、すべての登場人物を救って終わる、真実のある整合した世界を見せてくれるフィクション。
それらすべてが気に入らない時も確かにある。
うるさいロックに疲れる、有名人の話もうまい下手で見る、ドラマ仕立てのCMがうっとうしくてたまらない、都合よすぎるフィクションに白ける。
だからたまに自分の中の青臭さを発見して、安心する。
これが響かないほど擦れてはいないぞ、と思う。
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