まだマシ

もう純粋な気持ちで作品を評価することができない。
音楽を聴いてても「〜のミックスが…」とか「〜のコード進行が…」とか「〇〇のコンプの処理が…」とか余計な情報がたくさん入ってきて、純粋に受け止めることができない。
最近は写真を見ても「なるほどこういう現象もアリか」とか「このボケ感だとF値は…」とか、目に見たものをそのまま判断できなくなってる。

色んなことをやってるせいで、世の中の広告とかも変な受け止め方ばかりしてしまう。
居酒屋とかでも原価を考えてしまうときがあるし、「いい広告だ!こういうのを作りたい!」と思った瞬間かかる経費を計算して落ち込む、みたいなことを繰り返している。

「客観視」と良く言われる。言われる割にその内実はおそらくかなり複雑で、「一概には言えない」のオンパレードだ。
自分たちを評価してくれる相手の立場にかなり依存している部分もある。たとえば、めちゃくちゃ音楽が好きだけど楽器をやらない人に聴いてもらうのと、めちゃくちゃギターが上手いけど自分ではそんなにディグらない人に聴いてもらうのではアプローチの仕方は全く異なるだろう。

自分たちの曲を遠くへ届けるためにはどうすればいいのか、答えは出てない。全く出ていない。
でも、答えが出ていないことを分かっているだけ幾分かマシだと信じている。
世界の中の何分の一でもいい。どこかに届いて欲しいと思いながら今日もインターネットと睨めっこしている。

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