飲酒ランス

久々に連日飲酒をしている。酒はやはり、美味い。

友人との会話も楽しい。こんな日々が続けばいいなと思っているし、思っていた。
毎日会って、頻繁に飲んで、バカみたいな話をしていた日々は貴重だったんだなと改めて痛感している。

アルコールスプレーと間違えて手にかけた液体はピューラックスだったようで、ずっとあの独特の臭いが漂っている。
やけに眠いし、やけに酔っ払っている。

酒ばかり飲む毎日は楽しかったなあ。バイト先の居酒屋のせいで週に数回はめちゃくちゃ飲んでいた。そのおかげか変に酒に強くなって、隙があれば杯を交わしていた。

同居人も酒飲みだったな。よく二人で勝手に酔っ払っては大量の飯を作って貪り食っていた。
いい家だった。居心地が良かった。でも、きっと居心地が良すぎたんだ。

今までのこと、今日のこと、明日からのこと。考えなくてはいけないことばかりで嫌になる。
意志が弱くて酒に逃げては誤魔化してばかりだったけど、どうやら素面も悪くないなと思いはじめた。

怖かったんだ。色んなことが。怖いことに向き合わずに、アルコールでボカしては見えないフリをしていた。

でも、それで何が変わる訳でもなく、ただぼんやりとした世界が少し広がるだけで、マジメなフリして内にこもってばかりいた。

見えないものが見えるようになるわけもなく、むしろ見たくないものをぼやかして誤魔化してばかりいたんだ。

でも、悪くないな。こんな風に酔っ払うことも。楽しい時間はあっという間。いつの間にか更ける夜に溶けて、朝を憎んでまた眠る。

頑張るよ。踏み出した足をどうにか前に進めるよ。